「そやかて爺婆と私」
今日、勤めているクリニックの院長から看護師を介して「明日、受診せよ」という厳命がラインで来た。理由は、先日の採血結果が
「めちゃくちゃ悪い」
からだ。肝機能悪い、γGTP500越えてるから原因は酒に決まってる、HbA1c 7超えてる。中性脂肪は400だ。
私だってこんな採血結果を見たら患者に電話して「すぐ受診を」という。
しかし大阪には「そやかて婆さん、そやかて爺さん」というのがいる。たくさんいる。大阪弁なら「ようけおる」。
HbA1c15だ、ケトアシドーシスで意識無くすぞ、入院しろ。
すると「そやかて」が始まる。明日はお客さんが、仕事が、出張が、用事が、町内会が・・・。そやかてそやかてが無限に続く。
最近は私も割り切って、こういう連中は要するにもうすぐケトアシドーシスで泡吹いて意識無くすんだから、その時救急搬入すればいいんだと腹をくくっている。医者の言うこと聞かなくたって本人が泡吹いて倒れたら周りが勝手に救急車呼ぶんだから。
ところが今回、そのお鉢が私に回ってきてしまった。肝機能悪い、酒は飲み過ぎてる、糖尿のコントロールは医者のくせに悪い、中性脂肪高すぎて膵炎になるレベルだ・・・。
しかし言わせてもらえばその根本原因は全て職場のストレスだ。こんなストレスだらけの(診療以外のストレスだらけの)職場で理事長だ院長だと責任だけ押し付けられたら、酒がひたすら増えるに決まっている。酒止めろと言われたら逆に私はストレスで発狂するだろう。
全て自己弁護だが、最近私は「定年過ぎた人の人生はその人のもの」と割り切っている。二親が(私は死んだ二親に地獄まで言って散々言いたいことがあるが)や世間様(にもたくさんもの申したいことがあるが)がどうにか人にしてくれた、世に出してくれた。だから世間に恩返ししなきゃならない、そのためには健康にも気を遣わなければならない。
しかしそれって、生きてる限りずっとやんなきゃならないんですか、ってわけ。
定年過ぎたら、もういいさ。後は本人の人生だ。生きたいように生きなさい。それで社会に何か迷惑を掛けたって、その分は定年までに充分働いて払ってあるんだ。それ以上あれこれ言うんじゃ無いよ。
62が目前になってみると、最近私はそう思う。患者さんにもそう言うようになった。あなたはもう定年過ぎてますから、もうあなたの人生だ。好きにおやんなさい。
でも医者にそう言われるとそれまで意固地だった患者が「少し気をつけようか」とか考え出すんだけどね。でも私は、もう良いかな。
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チップありがとうございます。と言うか、実はnoteのチップがどういうものか分かっていないんですが・・・。