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「教科書が読めるのに理解できない」娘と歩んだ1年の記録

子どもが宿題を持ってきて、違和感を持ったことはありませんか?
先日、SNSで見た記事に衝撃を受けました。
なんと進学校の約半数の子が、文字を読めても内容を理解できていないというのです。

そしてさらなる衝撃が。
「うちの子、問題文は読めるのに、全然理解してなくない……?」
なんと、当時2年生にも同じ現象が起きていたのです。

この記事は1年の投稿『教科書が読めないってどういうこと? うちの子も実は読めてない!?』を大幅にリニューアルしたもの。娘がどう成長したのかの実録も含めてまとめました。



1、文を読む=内容理解 ではない

字は読めるんです。ただ、内容は理解できていない。

娘が2年生だったある日。
その日の宿題は音読でした。
すらすらと国語の教科書を読み終えたあと、つぶらな瞳をこちらに向けて言うのです。
「ママ、このお話って結局どういうこと?」
「……うん?」
(え、むしろこっちがどういうこと?と聞きたいんだが)
「今、全部読んだよね? 読んでみてどう思った?」
驚きを顔に出さないように、極力ほほ笑んで聞いてみた。
「だーかーら、読んでもよく分からないんだって」

あのときの衝撃は忘れられません。
作品は絵本でも読んだことのある『スイミー』です。
小さな魚たちがどうにか大きな魚に対抗したいと願い、たくさんの魚が一緒に泳ぎ一匹の大き魚に見せかけて打ち勝ったというお話。小さなものでも大きなものに対抗できる、そんな希望を描いたあの作品です。

私はこのときはじめて知ったのです。
娘は文字を追えるが、意味が結びついていないということを。

名作  of  名作 ですよ、ね?

2、読めない理由はイメージ映像の少なさ


そもそもだまって読むのにくらべて、音読はむずかしいのです。
まず、1文字ずつ並んでいる文字を単語として捉え、脳内でイメージする。

【例】さ か な が う み で お よ ぐ。  → 魚🐟、海、泳ぐ

次に単語の組み合わせや並び方から、文脈を考えます。
魚がどんな様子で泳いでいるのか、どんな海にいるのかを頭の中で映像化。
この映像化がうまくいかないと、「読んでもわからない」という感覚になるのです。
そりゃあそうですよね。説明書が楽しくないのと一緒です。
原因として考えられるのは2つ。

・声を出すことに集中して、意味の理解に意識が向かない。
・自分の声を聴いて、文字とイメージを結びつける脳の機能が未発達。

私は娘がどんな点でつまずいているのか観察してみることにしました。
まず一文を抜き出して聞いたのです。

『スイミーは泳いだ。暗い 海の底を』

『スイミー』より

「暗い場所を泳ぐならどんな風に泳ぐかな?」

娘はあさっての方向を見て考えます。
「え……普通に泳げるんじゃない? 魚だし」
(魚の泳ぎに絶大な信頼を寄せる娘)

おそらくこの時点では「魚、泳ぐ」のイメージだけで、暗い場所が魚にどんな影響をもたらすのか想像がむずかしい。

「真っ暗な海の中、スイスイ泳げるかな~? あなたが真っ暗な中、外を歩いたらどんな感じになる?」
「暗いから…スイスイ泳げない、だけどライトがあれば大丈夫!」

「魚、泳ぐ」の映像に暗闇のイメージが出てきたのでしょう。いい感じです。
娘にとっての海は、リゾート地のきらめく浅瀬の海だったのかもしれません。
「海の底」のイメージ映像がなければ脳内で創り出すのはむずかしいです。ここでもう一押し。

「じゃあスイミーはどんな気持ちで泳いでいるかな? ワクワクしてる? ルンルンしてる?」
あまり使ったことのない脳内神経が活動しているのでしょう。
娘はすごくがんばっている顔をしていました。

「怖いんじゃないかな……」

何回かのやりとりのあとに、ついに気持ちをのせることができました。

参照文献:ベネッセ教育情報 音読をする意味は?効果を上げる方法や保護者のサポートのコツも

3、子どもと大人の理解プロセスはまったく違う


娘が短文を理解するのに、いくつかの助けが必要でした。
もしもですよ? これを、

「なんでわからないの? 書いてる通りじゃん!」

と言ってしまったら。
子どもは困ってしまいますよね。
わからないものはわからないのに……。
と絶望してしまうかもしれません。

えぇ、私はやらかしました。
「なんで!?」と言っていたときの娘のしょんぼり顔。
信頼関係が揺らぐ危険性すらあったと思います。
(「ごめん、私も余裕がなくて」と謝ると許してくれました泣)

そのとき私は、自分と子どもの感覚は全くちがうことを胸に刻んだのです。

もし、お子さんが「音読がきらい」と言っているのなら、映像化を助けるほかに2つのことを試してみてください。

内容を考えられるスピードで音読し、いっしょに考えてみる。
指差しをしながらの音読する。

どちらの方法も今読んでいるところに意識を集中できます。
正確に文字を認識する第一歩ですね。
本を読むのが苦手な方な大人にもおすすめな方法とされているんですよ。

ゆっくり読んでいいんだよ


しかし、ここで一つ問題が。
娘は早口で読みたがる。理由を聞くと、
「だって何回も読んでるから飽きたんだもん」
子どもが読み飽きるのはよくあることなんだそう。
また、点数のように結果がわかりやすくないですから、成長の楽しみも得られないのだと思います。
ここは親の腕の見せどころ。
「音読は、早く読むことよりも正確に読むことが大事」
「前より感情がこもっているね!」
と、俳優になりきりましょう。
成長している部分を伝えると、子どもはかわいいですからね。
やる気アップ!

何度もつまずくポイントは、子どもが不機嫌にならない程度に繰り返すといいでしょう。「この言葉むずかしいよね~私も苦手」なんて話すと、親が同じ目線に立ってくれたようにとらえてくれるかもしれません。

でも、そもそもですよ?
娘は想像力がなかったのだろうか。

4、完璧な情報は想像する機会を奪う


テレビのニュースを見ていても、バラエティでお笑いの人達が笑っていても、
「これどういうこと?」
と娘によく聞かれました。
(言葉がむずかしいせいでわからないのかな?)
と思っていましたが、全体の流れを読んでいないような気がしたのです。

私たちが自然と身に着けてきた想像力は、いつ養われたのでしょうか。
私たちは動かない絵本を脳内で動かして、楽しむしかなかったんです。

動画コンテンツはすばらしい。すべてを説明してくれますから。
キャラクターの声のトーン、表情、字幕、あらゆるものが映し出され、想像する必要がないんですよね。
目や耳から湯水のごとく情報が入ってきます。

それに慣れている子どもにとって、音読や読書は苦行そのもの。
娘は言いました。
「考えなきゃ本って読めないの? それって大変!」
私は目玉が落ちたんじゃないかと思うほど驚きましたが、そう考えるのも無理はないのかもしれません。

たとえば、いきなりこんなのを理解しなさいと言われても……↓

〈 小説 〉
『夕闇が迫り~』
 (脳内で変換)→もう少しで夜の時間なのね

『男は言った。「はぁ~……なんでもうこんなに寒いんだ……』
 (脳内で変換)→男は寒いのがイヤみたい、冬の始まりかな?

『あの頃はこんな時期も楽しかったのに……』
 (脳内で変換)→昔は幸せだったのか、恋人か家族がいたのかな

文章に慣れ親しんでいたらスムーズに読めます。
ですが、一つひとつを理解して読むのは大変ですし、手間もかかる。
そして正解かどうかわからない。

そう思うと、動画に魅力を感じてしまいますよね。
なんせ楽ですから。
アップルの創始者であるスティーブジョブズ氏が、自分の子にスマホを触らせなかったのも納得です。

ここまで読んでくださってありがとうございます。
「教科書を読んでいるのに、内容を理解していない」という悩みは身近です。では実際に、家庭でどのように読解力を育てるのか。
次章からは私が娘と試して効果のあった方法を深くまとめてみました。
お子さんの自尊心を守るためにもぜひ取り入れてほしいと思います。

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