記紀のトビを読み解く(モモソ姫と長髄彦の共通点)
日本書紀の倭迹々日百襲姫命のトビとは何でしょう?それはモモソ姫=天照大神説を元にすると、(光の)霊威で長髄彦を撃退した金鵄のことでしか有り得ません。太陽神の霊威が敵を撃退したという訳です。要は卑弥呼(日巫女/日御子)です。
これが日本書紀だけに伝わる諱なのは、古事記では不採用だったモモソ姫が太陽のミコだったという歴史がモモソ姫の夫たる大物主神を奉斎する三輪氏の墓記(持統朝に提出されており、天武朝に編纂されたのは日本書紀ではなく、古事記の原型です。藤原不比等あたりが諸豪族の墓記とかあるでってて、持統天皇に耳打ちしたのでしょうか?)に残ったということなのでしょう。大神神社の摂社に式内・神坐日向神社や(豊鍬入姫命を祀る)檜原神社があることは、これを裏付けます。
それでは何故、撃退された側の長髄彦がトビ(登美能那賀須泥毘古:記)なのか?よく考えてみてください。
その答えですけど、大和を守る為、孔舎衛坂(くさえのさか)=日下で神武天皇一行を撃退したのが長髄彦なんです。つまり大和に太陽信仰があって、太陽の霊威で神武天皇一行を撃退したというストーリーなんです。だから長髄彦=トビ(金鵄)。結局、神武天皇は太陽を背に戦って、太陽の霊威で長髄彦を倒しました。
日本最古のニワトリ骨、弥生人もチキン食べていたの? 研究者に聞く(朝日新聞 2023年5月15日)・・・弥生時代の大和の中心集落の唐古・鍵遺跡では鶏を飼育していました。鶏は伊勢神宮の神使で、天岩戸神話の常世長鳴鳥だと言われます。最近の研究(論争邪馬台国(雄山閣))では、(天照大神の形代たる倭系の大きな)鏡は弥生時代の大和が入手し、伝世して古墳時代に副葬されたのではないか?という説が有力になってきているようです。鏡は太陽の光を反射するところに霊威があったと受け取ることも出来ます。
物部氏の一族に登美連があるのは、長髄彦の妹・登美夜毘売を娶ったからというストーリーなんでしょうが、モモソ姫(卑弥呼)をガードしていた兵士達が物部氏であれば、登美連があるのも納得ではあります。物部氏と同祖の一族に采女臣があり、采女が卑弥呼に仕えた侍女と考えることも可能です。また私部(きさいべ)も物部氏(采女氏?)です(河内国交野郡にこの地名があります)。素戔嗚尊と考えられる孝元天皇の皇后も(物部氏と同族と言える)穂積氏で卑弥呼の男弟(後に追放された?)の可能性も考えられます。この時、寧ろ大伴氏は朝廷の武力として外征していたかもしれません(鉄の入手の為、狗邪韓国と交渉していた形跡=大伴造(出自任那国主龍主王孫佐利王也)もあります)。古い時代には(大伴氏と根拠地が近い)忌部や久米氏が外征していた形跡もあります。
登彌神社(添下郡)と等弥神社(城上郡)の両社ともトビ氏の拠点である可能性は高く、物部氏と上毛野氏が雑居していたのでしょう(後には登美真人も)。リーダーは本来、登美首(上毛野氏)の方だったと思います。首(おびと)は本来首魁の意味でしょうし(石上神宮も寧ろ物部首の和珥氏の方がリーダーだったと思います)、上毛野氏の一族の日向八綱田(富雄丸山古墳の被葬者か)が代表して日本書紀に載り、豊鍬入姫命(台与)・豊城入彦命に近い皇別氏族だからです。上毛野氏が太陽の霊威で敵を撃退する金鵄氏であるのは、勿論、天照大神の祭祀の豊鍬入姫命の一族だからです。
それでは、外山(トビ)茶臼山古墳(桜井茶臼山古墳)は豊城入彦命や豊鍬入姫命の古墳なのでしょうか?私も最初はそう考えたのですが、豊城入彦命の一族は外に出ることになる一族で、崇神天皇の即位の決定打となり、垂仁天皇の外戚である大彦命に比べたら、数段格下だったように思われます。(近接する)磐余は大彦命の領域でもあります。神武天皇が磐余彦で、宇陀の鳥見山と関係が深いことを思い出してもいいでしょう。つまり大彦命の母の父が(物部氏と同族と言える)穂積氏であるから、トビ氏・トビ山を更に上から統括する(皇族の)立場として、麓に大古墳を築いたのでしょう。物部氏は石上のイメージがありますが、元の武器庫は忍坂(おっさか)だったと言い(垂仁天皇紀一云)、忍坂はトビ山の東麓です。つまり太陽神の霊威が宿る武器を蓄えていた(隠していた?)のが金鵄山の東麓。だからこその国内最多の103枚の銅鏡。
それでは神武天皇の宇陀の鳥見山は?これはやはり東から攻めて大和を落としたという故事に因む霊山なのでしょう。太陽=朱で、朱の産地が宇陀だったからとも考えられます。太陽の霊威で大和を落としたというストーリーのはずです。この時はまだ伊勢に天照大神は祀られていません。鳥見山という字そのものが金鵄を想起させるとも言えます。金鵄と重なる八咫烏に関しては、また後日論考します(見出し画像はウィキペディア「金鵄」月岡芳年『大日本名将鑑』より「神武天皇」)。
参考記事
桜井茶臼山古墳の石室の水銀朱|古墳時代史解題
注)中国では金烏=陽烏=黒烏=赤烏
2025年11月14日追記)古墳時代と大墓が共通する古代エジプトの太陽神ラーは、天空神ホルスと習合して、日輪を乗せたハヤブサの頭をしたラー・ホルアクティになる等、多くの神と習合しています(古代エジプトの教科書 ナツメ社 2023 河江肖剰 57p)。
それではエジプトの太陽神ラーと鳥(ハヤブサ)の関係を踏まえて、日本の太陽神・天照大神と鳥(金鵄)の関係を以下、有料記事で考察します(モモソ姫に冠するトビ(鵄)の一番詳しい古代史記事になっていると思います)。
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