「もっとちゃんと話さなきゃ」って、誰のため?── 声にかかる“無意識のブレーキ”を外すヒント ──
『声と仲直りするノートpage④』ーーKoenoa journal
intro:その緊張、「完璧に話そう」としていませんか?

声が震える、言葉につまる、早口になってしまう……。
そんなときほど、心の中ではこんな声が響いていませんか?
「もっとちゃんと話さなきゃ」
「ちゃんと伝わらなきゃ恥ずかしい」
でも、そのブレーキの正体はなんでしょう?
今日は“よく見せたい自分”と“本当の声”の間にある心の壁を
一緒にひもといていきます。
experience:声が震えていたのは、“見られる自分”を意識していたから

私はアナウンサー時代、中継やニュース読みで一番声が震える瞬間がありました。それは、すぐそばで先輩や上司が見ているとき。
「ちゃんと喋らなきゃ」
「完璧に読まなきゃ」
そう思えば思うほど、声が細く、喉が締まっていく。
技術的な練習だけでは解決しないこの現象に、私は長く悩んでいました。でもあるとき心理学の本で読んだ「社会的自己意識」という考え方が、
視界を開いてくれたのです。
evidence:他人の目を強く意識するとパフォーマンスは下がる
心理学では、self-presentation theory(自己呈示理論) や
social self-awareness(社会的自己意識) という概念があります。
人は「他人がどう評価するか」を意識しすぎると、自己表現の自然さが失われる
この状態では:
• 声が細くなる
• 喉が締まりやすい
• 言葉が選べなくなる
つまり、完璧に話そうと意識するほど声が通らなくなるのです。
そしてもうひとつ。
行動経済学でいう 「スポットライト効果」(spotlight effect) によると
実際には他人は自分が思うほど注意深く見ていない
私たちは「自分の失敗や声の震えが目立つ」と思い込んでいますが、
他人はそこまで見ていない。
これを知っただけで、私は大きくラクになれました。
experience:“ちゃんと話す”ではなく、“届けたい内容に意識を向ける”

ではどうしたらいいのでしょう?
私は次の一言を自分に唱えるようにしています。
「私は誰のために話している?」
・聞いている相手に何を届けたいか
・ 誰のために今、声を出しているか
この問いを自分に返すだけで、“よく見せたい”自分から、
“届けたい”自分に意識がシフトします。
結果として、声が自然に戻ってくるんです。
大事なのは、完璧じゃなくても「想いが届く声」で話すこと。
Koenoaの声づくりの根っこも、ここにあります。
insight:「もっとちゃんとしなきゃ」を、やめる。
心理学者カール・ロジャーズはこう言いました
「ありのままの自分でいることほど、深い変化をもたらすものはない。」
今日からは、少しその力を信じてみませんか?
small work:誰のために話している?」と自分に聞いてみよう。

話す前に、自分に問いかけてみましょう。
届けたい相手は誰? その人に何を伝えたい?
その問いを持ったまま、一言でも声に出してみてください。
next episode:次回予告

「私は声が通らないタイプだから…」本当にそう?
「声が小さい」「通らない」そんな思い込みに縛られていませんか?
次回は、“声の自己イメージ”があなたの声をどう変えているかを探っていきます。
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