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その単一業種工事に工務店は必要ですか?

少し挑発的な問いから始めます。

あなたがこれから行おうとしているその工事。

本当に「工務店」を通さなければ
ならないのでしょうか。

※注記――
この記事は、単純な「工務店不要論」では
ありません。
途中まで読んで判断すると、
意図が逆に伝わる可能性があります。

この記事は、
建築素人さん
工務店さん、そして
設計事務所さん に向けて書いています。


工務店の仕事とは何か

建築士は設計をします。
職人は施工をします。
工事監理者は、設計通りに工事が
行われているかを確認します。

現場監督は、工程や安全を管理します。

では、工務店とは何でしょうか。

私は、こう定義しています。

工務店とは、責任を一本化する装置です。

工務店とは、責任を一本化する装置です

建築工事では、複数の業種が同時に動きます。

* 工程調整
* 原価管理
* 品質管理
* 安全管理
* 近隣対応
* 瑕疵対応

工務店は、それらをまとめて引き受けます。

住宅一棟のような複雑な工事では、
この役割の価値は非常に大きい。

では、比較的単純な工事の場合はどうでしょう

例えば――

* 解体工事
* 外壁塗装
* 屋根葺き替え

こうした工事の多くは、1社施工で完結します。

この場合、工務店が間に入ることで、
2〜3割程度コストが上がるケースがあります。

理由は単純です。

施工費とは別に、

* 管理費
* 現場経費
* 保証リスク
* 会社利益

などが加わるからです。

---

では、直接発注は“得”なのか?

ここが今回の本題です。
※後編では視点を変えて解説します。

私はこれまで、お客様にこう説明してきました。

「直接発注されても構いません。
ただし、引き受けていただくものがあります」

確かに、安くなる可能性はあります。

しかしその代わりに、
発注者自身が背負う責任も増えます。

---

《  直接発注  》で施主が背負うもの

直接発注では、
施主自身が次の役割を担うことになります。

* 工程調整
* 業者間の連絡
* トラブル時の交渉
* 責任範囲の整理
* 保証内容の確認
* 近隣対応
* 追加費用への判断

特に怖いのは「責任の分散」です

例えば、塗装工事後に不具合が出たとします。

足場業者は言います。

「うちは足場を組んだだけです」

塗装業者は言います。

「下地側の問題では?」

下地業者は言います。

「施工条件が悪かったのでは?」

さて――、
その整理を誰が行なうのでしょうか?

その整理を誰が行うのでしょうか?

それは、
発注者である、あなたです。

これは雨漏りなどでも同じです。

屋根なのか。
板金なのか。
防水なのか。
外壁なのか。

責任の境界が曖昧になるほど、
調整役が必要になります。

---

工務店の本当の価値

私は、工務店の利益を
単なる「中抜き」だとは考えていません。

工務店の利益には、

「問題発生時に矢面へ立つコスト」

が含まれています。

トラブルが起きた時、
業者間の調整を行い、
責任を整理し、
施主の前に立つ。

その役割に対する対価です。

もちろん、
単純工事であれば、
直接発注が合理的なケースもあります。

ただしそれは、

「自分でリスクを管理できる場合」
に限ります。

逆に言えば、
そのリスク管理が合理的に体系化できて
いれば良いのです――よね?

---

私の経験上の割合

これまで私はお客様に対して、
直接発注という選択肢を
隠さず説明してきました。

それも口頭だけではなく、
体系化したオリジナル資料に基づいて、
の説明をしてきたのです。

その上での実感としては、

* 約4/5の方が工務店経由を選択
* 約1/5の方が直接発注を選択

という結果に落ち着いています。

理由はシンプルです。

「時間と精神的負担を、お金で買う」

その価値を重視する方は、
工務店を選びます。

しかし私から見ればもったいない。

そしていつもこう思います。

そしていつもこう思います

もっとお安く、
品質の保証も出来る工事の発注の仕方があるのに。
もちろん、単工種工事に限りますが。

そのための資料も目の前に提示しているのに、
なぜ使おうとしないのだろう?

理解不足と性格に依るのだろう――。
でも、一歩踏み出しさえすれば。

---

結論

工務店が必要かどうかは、
工事の規模だけでは決まりません。

重要なのは、

「誰がリスクを管理するのか」
です。

つまりこれは、

「責任を誰が持つのか」
という問題でもあります。

---

次回予告

次回からは、以下3方向に分けて
具体的に解説します。

1. 建築素人向け

 ――直接発注で失敗しないための
   考え方とその方法

2. 設計者向け

 ――副業・設計監理サービスとして
   成立する可能性

3. 工務店向け

 ――価格競争から抜け出す新しい戦略

実は私はこれまで、
この手法を新築OB様向けに無料で提供してきました。

しかし、実際にはかなり実務的で、
経験値が必要な内容でもあります。

そのため今後は、
さらに体系化した形で整理していこうと
考えています。

---

建築素人の方へ

例えば外壁の塗り替えをお考えの際に、
今回は少し不安を煽る内容に見えたかもしれません。

ですが逆に言えば、
この不安を理解し、対策できれば、
単一業種工事では
2〜3割コストを抑えられる可能性があります。

例えば、
100万円の工事が70〜80万円になるケースもあるということです。

キーワードは、
「少しの勇気」と「正しい知識」
です。

---

工務店の方へ

この記事は、
工務店への敵対記事ではありません。

むしろ逆です。

私はこれまで、
お客様に直接発注という選択肢を
説明した上で、なお工務店が選ばれる場面を
見続けてきました。

だからこそ、

「工務店の価値とは何か」
を改めて言語化する必要があると
感じています。

価格競争ではなく、

* 責任
* 調整力
* 問題解決力

をどう価値化するか。

そこに、これからの工務店の可能性があると
思っていますがいかがでしょうか?

キーワードは《 発想の転換 》です。

既に準備はお済みですか?

---

設計事務所の方へ

私は工務店経営者であると同時に、
一級建築士事務所の開設者でもあります。

今回の内容は、

* 工務店が担うべきなのか
* 設計事務所が担うべきなのか

正直、まだ答えを探している段階です。

ただ一つ言えるのは、

「責任整理と発注支援」
には、今後確実に需要が生まれるということです。

キーワードは《 コントロール 》です。

---

最後に

単一工種工事において工務店は必要か。

その問いは、

「誰が責任を持つのか」
という問いに置き換えられます。

建築素人のあなたは、どちらを選びますか。

建築プロのあなたは、
これをどう新しい価値へ変えますか。

そして次回――

今回提起した問題に対する、
現実的な解決策を掘り下げます。

今回発表した記事の関連動画

今回発表した記事の関連動画を
以前はYouTubeで公開していたのですが、
該当部分を非公開に変更しました。
 (URLをご存じない方は視聴出来ません)
公開動画は視聴できますので興味があれば
ご覧ください。 
――こちら――です。

《あほう老士》は今回の記事に関して、
他のnote でこのように
言っておられます。

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