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CST概論①〜はじめに〜

刺激を組み合わせた治療(以下CST)は、私が理学療法士として学んできた知識や技術を基に、考えた概念ですが、決して新しい概念ではありません。むしろ読み進めていくとわかりますが、当たり前のことしか書いておりません。

理学療法士や作業療法士の方に有益な情報を提供したいという思いから書きましたが、考えを深めるうちに、CSTは治療家だけでなく、全ての人にも知っていただきたい考え方の一つであると感じるようになりました。

病気や怪我で一時的または永続的な障害を抱えた方だけでなく、病院にはいかない程度の状態で、自分は健康と思っている方もCSTに触れることで、日常の助けになると思います。基本的には、治療家向けに書いた内容ですが、一般の方でもわかる内容となっています。
 
私は、理学療法士として日々、専門的な知識と技術を駆使し、目の前の人を笑顔にするために努力してきました。そして、もっと良い治療を行うためには、どのように考えればいいのか、悩んできました。先輩や仲間に相談すれば、もっと専門的な知識や技術を磨くことが大切だと言われ続けてきましたが、どこか納得いかない部分がありました。本当に、知識を増やせば治せるようになるのだろうか、練習し続ければ治るようになるのだろうか、そんな疑問がありました。

そんな疑問を解決するために、専門分野以外の本を読み、色んな方に直接、考え方を学ばせてもらったお陰で、刺激というキーワードに出会うことができました。刺激という言葉は、理学療法士でも、日常でもよく使われている言葉なので、珍しくもないのですが、刺激という視点で、物事を捉えていく発想に出会うことができたと言った方がわかりやすいかもしれません。
 
理学療法士に限らず、何かの治療をするときには、必ず何かの刺激を加えています。なので、「刺激を組みあわせる」という発想を聞いても、あたり前過ぎて、流してしまいます。私も、今まで流し続けてきました。ですが、刺激について改めて考え直していると、多くのことを見落としていたことに気づくことができました。もちろん、まだまだ全てを理解できたとは思っていませんが、刺激について考え直すことで、明らかに治療の質も結果も変わりはじめました。その結果、治療だけでなく、日常の運動や動作、セルフケア、さらに精神面などにもCSTが役立つことがわかりました。私の頭の中で、刺激という言葉を中心に全てが繋がった感じがしました。そんな体験を、私以外の人にも体験してほしくて、私なりにまとめてみました。
 
これから説明していく内容は、既に知っている内容ばかりかもしれませんが、刺激について、今までと違った視点で一緒に考え直していくことで、私のように新たな発見が生まれるかもしれませんし、その発見を周りの人と共有することでさらに改たな発見が生まれるかもしれません。
 
 現在、世界には数々の治療法が生み出され、途切れることなく進化しています。しかし、これらのアイデアは必ずしもゼロから生まれたものばかりではありません。新たなアイデアは、実際には既存の考え方を組み合わせることで生まれているのです。治療方法も同じであり、解剖学や運動学、これまでの治療手法などを組み合わせることで、革新的な考え方や治療法が誕生しています。つまり、大切なのは刺激をどう組み合わせるかということなのです。ただし、組み合わせの可能性は無限に広がっているため、それを見つける作業は非常に困難です。しかし、自分が扱う刺激や自分が受けている刺激について考えることで、頭の中の整理が少し楽になると思います。
 
頭の中がごちゃごちゃになっている状態では、タンスの中に服や下着が乱雑に詰まっている状態と同じです。すぐに必要なものを取り出すことができず、何を持っているのかも分からなくなってしまいます。タンスを整理するためには、まず服と下着を別々に整理する必要があります。服はこちらのエリア、下着は別のエリアといった具体的な仕分けをすることで、服や下着の量や種類が明確になり、取り出しやすくなります。刺激も同様に、種類や量を理解し、分けて考えることで、頭の整理ができるようになります。
 
それでは刺激について一緒に考えていきましょう。
 

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