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CST概論③〜刺激の種類〜

刺激の種類を考える上で、感覚器についての基礎知識を振り返ることが重要です。
感覚器は、私たちが刺激を受け取るための器官であり、刺激を受け取らなければ何も意味を持ちません。さらに、受け取った刺激を処理し、その意味づけをするには、脳の働きが必要です。感覚器の詳細について勉強されたい方は、専門書(生理学)を参照してください。

それでは、感覚器に合わせて刺激の種類を考えてみましょう。
《視覚器》
器官:目刺激:光 → 外見や清潔感、色など
《嗅覚器》
器官:鼻刺激:匂い
《聴覚器》
器官:耳刺激:音 → 声の特徴(話し方、速さ、大きさ、高さなど)、音楽の要素(速さ、曲調、長さなど)など
《味覚器》
器官:舌刺激:食べ物 → 甘味、苦味、旨味、辛味、酸味など→ 消化
《触覚器》
器官:皮膚刺激:温度(温冷)、痛み、触れる感覚、圧力、振動など
《その他》
器官:筋肉、腱、関節刺激:動き→深部感覚

上記のような刺激が感覚器に入力され、様々な反応が体には起こります。ここで重要なのは、受け取った刺激を人間がどのように認識しているかという点です。
目からの刺激を例に挙げると、光の刺激を受けることで私たちは色や形、大きさ、距離などを瞬時に処理し、それが何であるかを認識します。さらに、その情報が自分に関連があるのか、どのように認識すべきなのかも考えています。
視覚情報は患者との関係においてもとても重要で、とくに第一印象に大きく影響します。

例えば、治療を受けるために訪れた病院が、ホコリだらけで汚れた環境の病院だと、どのような印象を受けますか?
個人の感じ方は多少異なるかもしれませんが、多くの人は良い印象を抱かないでしょう。さらに、案内された部屋が薄暗くて蜘蛛の巣が張っており、治療ベッドが汚れているような場合、どのような気持ちになるでしょうか?
そして、担当者の髪型や髭が乱れており、服も汚れている場合はどうでしょう?
このような状況で、治療を受けたいと思うでしょうか?
かなり極端な例を挙げましたが、視覚情報は心身に大きな影響を与えることは科学的にも証明されており、無視することはできません。視覚だけでなく、すべての刺激について考えていく上で重要なのは、相手がその刺激をどのように認識しているかということです。考えるのが難しい場合は、尋ねることも大切なことです。
ただし、覚えておくべき重要なポイントは、刺激の認識は個人によって異なるということです。先ほどの視覚の例は極端な例でしたが、担当者の髪型や髭に気になる人もいれば、それほど気にならない人もいます。
完璧な答えは存在しませんが、一般的な傾向を知っておくことは非常に重要です。
つまり、ある刺激がどの人にとっても良い刺激であるとは限らないということです。
良い刺激であるという科学的根拠が証明されている場合であっても、全ての人に当てはまるわけではないということを忘れないように心がけてください。

○○が体に良いというデータがあった場合、そのことを知った人は、○○で体が良くなると思い込んでしまう傾向があります。ですが、○○は、その人の体にとっては、全く合わない可能性もあるということです。

具体的には、卵が体に良いと言われていても、卵アレルギーの人にとっては、食べれないということです。
では、どうすればいいの?とよく言われますが、大切なのは、自分の体の反応に耳を傾けてあげることです。そのためには、自分の体の感覚を意識する必要があります。

私は理学療法士として、ある治療方法を学んだ際、その治療方法がすべての患者に適していると思い込んでいました。この考えは先述の通り、ある治療が全ての人に適用できるという誤った考え方の一例です。
私は、なんとなくその考えが間違っているのではないかと感じていましたが、何が間違っているのかがわからず、なかなか進むことができませんでした。その結果、治療効果は、患者によってかなり差が出ました。
しかし、刺激について考え直す機会があったお陰で、間違いに気づくことができました。その間違いとは、患者によって、刺激に対する反応が違うということだけです。
治療家としては、当たり前のことですが、この意識が私の中では、低かったということに気づくことができました。このことは、理解してしまえば当たり前のことですが、自分の中でちゃんと理解するまでが、私は時間がかかりました。

人によっては、私のように時間がかかる人もいれば、そうでない人もいます。それも人によって全て違うということです。同じ人なんて、一人もいません。全ての人が違うということを本当に理解していくことのきっかけとしても、刺激について考えることを私はオススメしています。


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