公共施設の将来と大淀川学習館
先週の定例記者会見で、大型の公共施設のリニューアルと閉館の計画について発表しました。
会見の中で、
■ みやざきアートセンターは図書館的機能を導入して大規模リニューアル
■ 宮崎科学技術館は宇宙・生命・環境を学ぶ施設として大規模リニューアル
■ 大淀川学習館は機能の一部を移転して数年以内に閉館
■ 道の駅フェニックスは事業用定期借地方式で民間資本による再整備
■ 道の駅田野は、国道269号線沿いに移転・新築
を発表し、全体としては前向きな投資で本市の魅力をさらに充実させる取り組みとして説明いたしました。
ただ、ここまでかというほどにメディアの注目は閉館を発表した大淀川学習館へ集中し、全体の計画がきちんと市民の皆さんに伝わったのかは疑問でした。
少し長くなりますが、そもそもの宮崎市の公共施設の全体方針について説明致します。まず、公共施設等総合管理計画というものがあります↓
https://www.city.miyazaki.miyazaki.jp/city/finance/public_facilities/307602.html
9年前の平成29年に策定され、令和5年に改定されています。
これをしっかり読み込もうという方は少ないと思うので概要を説明しますと、今までに自治体が建設してきた公共施設は数多く、これからの少子高齢化と財政状況を踏まえると施設の量を減らしていかざるを得ません。

過去に建設された公共施設の延床面積の推移は以下の通りです。

そして、市民アンケートでは一部の市民の皆さんは使用料の値上げで対応、75%の市民の皆さんが経費や施設数の削減、民間活用などで施設の見直しにより対応して欲しいという結果でした。

ただ、総論賛成各論反対とはよく言ったもので、総論ではその方向性が正しいと理解できるものの、いざ個別の施設見直しとなると無くさないで欲しい…!というのが人情です。よく分かります。
公共施設の延べ床面積を占めているものの施設名を挙げると、
・市営住宅
・小中学校
・交流センター
・体育館や運動施設
・文化ホール(市民文化ホール、市民プラザの他、清武、佐土原、田野にあります)
・生涯学習施設
といったものがあり、いずれも閉じるには抵抗感がありますよね。

私も、できるだけ施設を閉じるという判断はしたくありません。
むしろ今まで、積極的に施設を活かす判断をしてきました。
2022年2月に市長に就任すると、まずフェニックス自然動物園の遊園地エリアの遊具の半分が停止されていました。点検、修繕に経費を要するという理由でした。ただ、動物園の経営を続けていく以上は遊園地エリアが半分停止したままという方針はあり得ないと判断し、すぐに予算計上と再開を指示しました。
また、宮崎科学技術館は市役所新庁舎が中央公園へ移転し、公園の半分を廃止し科学技術館を解体することが真剣に検討されていましたが、新庁舎は現地建て替えを決定し、科学技術館は運営を継続し必要な修繕費を計上することとしました。
旧高岡温泉やすらぎの郷は設備改修のために運営休止が決まっていましたが、市民に不可欠な温浴施設と判断し民間による再開を模索、令和9年末に魅力をアップして再開する方針となりました。
一方、老朽化が進み建て替えや大規模リニューアルをするには非常にお金のかかる施設があります。やはり現実として全ての公共施設を更新(大規模改修や長寿命化、または建て替えをすること)するには絶対的にお金が足りません。そのうち人手も足りなくなると思います。
そこで、今後も中長期的に市民や観光客の利用が見込まれる施設へ国の交付金などを活用しながら投資する一方で、利用が少なくなってきた施設については最終手段ではありますが閉館をして、そこに投じていた費用を他の施設に回すという判断をせざるを得ません。
宮崎科学技術館については、開館以来5年おきにリニューアルを重ねてきましたが、なんとここ20年はリニューアルされることなく時計の針が止まっていました。
また、みやざきアートセンターはコロナ禍以降、利用者が回復せず、指定管理者からも館の構造的な問題や駐車場が無いことによる企画展への集客の限界が指摘されていました。
そして、大淀川学習館については、7年前と比べると来場者数が半減しています。
そこで、宮崎科学技術館は空調設備を更新する必要のある今のタイミングで20年ぶりに大規模リニューアルをし、みやざきアートセンターについては有料の企画展を中心とした施設から無料で1年を通じて子どもから高齢者まで多世代が利用できる図書館的機能を導入した施設へのリニューアルをする一方、大淀川学習館については機能の一部を移転して閉館をする案を発表しました。
この方針について、以下のページで説明しています。

このページでは、今後10年間で想定されるコストについても説明しています。

公共施設を維持するためには、以下のコストを要します。
・管理運営費用(受付や案内、管理人などの人件費、水道光熱費、消耗品)
・修繕費用(建物や設備の保全、修繕にかかる費用)
・定期的な改修費用(空調や外壁の防水、塗装、ほか設備の入れ替えなど)
施設の果たすべき本来の役割とは何なのか、という点に立ち返ると、必ずしも多くの人手と費用を要するハコモノがそこに無くとも、異なる形で機能を発揮する選択肢も存在します。環境学習やアートの振興はその一例です。
以上、本市の将来を見据えて公共施設全体の「量」をコントロールしていかざるを得ないという点について、どうか皆さまのご理解をお願いできればと思います。
もちろん、市としてはできる限りの財源の確保や集約化を図る上で一部機能の保存、そして市民の皆さまへの丁寧な説明を続けていきたいと思います。
