判断ミスの原因は前提のズレ|正しく決めても失敗するのはなぜ?
完璧な「解」を導き出したはずだった
「……どうして、うまくいかなかったんだろう」
その結果を目の前にしたとき、私は静かに自分の判断を疑いました。
状況を整理して、論理的に考えて、その時点で「最適」だと思える道を選んだはずでした。 手順に不備はなく、大きな見落としをした記憶もない。 それなのに、たどり着いた景色は、思い描いていたものとまったく違っていました。
ロジックは正しかった、けれど
なぜ、あんなに慎重に決めたのに、結果だけが裏切るのか。
判断の過程をどれだけ遡っても、計算違いもミスも見当たりませんでした。
ただ一つ、決定的な落とし穴があったことに気づいたのは、もっと後のことです。 それは、判断そのものの誤りではなく、 スタート地点にあった「前提」が、最初からわずかにずれていた、ということでした。
傾いた土台の上で、どれだけ真っ直ぐ家を建てても
振り返れば、現場には静かな予兆がありました。
・「きっとこうだろう」と、確認せずに進めた前提条件 ・「わかっているはず」と、言葉にしなかった共通認識 ・同じものを見ているようで、実は立っている角度が違っていた視点
そのわずかな「前提のズレ」の上で、私は必死に正しい判断を下そうとしていました。
土台が傾いている場所で、どれだけ真っ直ぐな柱を立てても、家はいつか歪んでしまいます。 どれほど正しく選んでも、前提が違えば、結果は少しずつ、けれど確実に、取り返しのつかない方向へずれていくのです。
「判断」を見直す前に、「前提」を疑う
いま振り返って思うのは、 私たちは「何を決めるか」にばかり気を取られすぎている、ということです。
うまくいかなかったとき、判断のプロセスばかりを見直しても、根本には届かないことがあります。
あの日、喉に刺さったような違和感。 あれは判断の誤りではなく、「足元の前提が揺らいでいるよ」という、自分自身からのサインだったのだと、今はそう思っています。
「正しさ」を求める前に、まず「私たちは今、どんな前提の上に立っているのか」を確かめること。
その一呼吸を置くだけで、昨日までと同じ現場の景色が、驚くほどクリアに見え始めます。
判断を間違えたと思っていたことが、実はただの「前提のズレ」だった。
そんな経験、あなたにも一度くらい、あるのではないでしょうか。
あなたが今、自信を持って下そうとしているその決断。 それは一体、どんな「前提」の上に成り立っていますか。
その土台をもう一度だけ見つめ直すこと。 それが、本当の意味での「正しい判断」への、一番の近道になるのかもしれません。
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