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言葉の「品性」

2024年10月、スポーツニッポンに、ラジオパーソナリティとしても活躍するタレント・山崎怜奈さんのインタビュー記事が掲載されました。今回は、このインタビュー記事に注目し、「言葉」について考えます。
また、亡くなられた経済アナリスト・森永卓郎さんが、生前最後に話されたことにも注目します。


山崎怜奈さんの考え方

タレント・ラジオパーソナリティの山崎怜奈さん。アイドルグループ「乃木坂46」在籍中に、TOKYO FMの平日昼ワイド帯番組「山崎怜奈の誰かに話したかったこと。」パーソナリティに就任。以降、そのトークスキルの高さが注目を集め、グループ卒業以降も、ラジオ・テレビのみならず、多方面で活躍されています。
今回のインタビューで、山崎さんは、次のように述べられています。

山崎怜奈さん
「意識していないと、人間誰しも鋭利な言葉になってしまう。だから、自分の言葉で誰かが傷つくかもしれないと常に思っている。人間はもろいので、自分の加害性を認識しないとすぐに崩れてしまうのではないかと思っています」

 2024.10.29 スポーツニッポン

人は、気づかぬうちに、鋭利な刀を振りかざしてしまっているのかもしれません。これは、誰にでもあり得ることです。そうならないように、普段から、どう意識して過ごすべきか…それを問うものだと思います。
私自身にも、残念ながら、そうしたことをやってしまったことが過去にあり、猛省したということがありました。ですので、尚更、発言は慎重にしなければならないと、この記事を読んで、改めて思いました。

現状は…

しかし、インターネットの書き込みを見ると、SNS然り、Yahoo!のニュースサイトの書き込み然り、この意識が欠けている人間が多すぎないかと思わざるを得ません。
特に、政治のこと、皇室のこと、芸能人・エンターテイメントに対してのことでは、「言葉の品性」の欠片もない投稿が散乱。その姿は、あまりにも見苦しく、目を覆いたくなります。

また、先日の「フジテレビジョンやり直し会見」の際も、質問する記者のモラルのなさが、多くの方から指摘されましたが、これもまさに、同様のことが言えると思います。
さらに、ある市の長を務めた後、都知事選に立候補した某政治家も、選挙後のインタビューにおいて、質問者に対する態度が横柄すぎたということも、見逃すわけにはいきません。

「老害」という言葉

その一方で、最近「老害」という言葉をよく聞きます。

昔気質の考え方しかできない、いまの考え方にアップデートできない、一定の年齢を超える人のことを「老害」と呼んでいる、という解釈をしておりますが…いまは、そう呼ぶのが流れになっているようです。そう呼びたくなる気持ちは分からなくはありませんが、その言葉は、果たして適切なのだろうかとも思います。それこそ「品性」に欠けているのではないでしょうか。

「老害は去れ!」とか言って揶揄する人は、「ならば、自分がその年齢になったときに、すぐに去れますか?」と言いたくなります。そういう人ほど、その年齢になっても、前に出続けようとして、綺麗事や、自分の考えを人に押しつけ続る印象しかありません。
そして、いざ「老害」と言われたときは、必ず腹を立てる。自分がしてきたことが、時間が経てば、こんどは必ず「される側」になる…なんてこと、普段から自分のことしか頭にない人は、想像すらしてないかもしれません。

いや、ひょっとしたら「老害」というのは、そもそも存在しないのではないか…それは『自己中心的な人』のことを指すのではないかと思います。年齢は関係ありません。年老いた人も、若い人も、皆、同じです。
従って、「老」という文字は不必要…「老害」ではなく、ただの「害」。そんな人間になっていないか、改めて自分自身を見つめ直したいものです。

森永卓郎さんの「最期の言葉」

2025年1月28日に訃報が伝えられた、経済アナリストの森永卓郎さん。解説の分かりやすさと鋭い指摘、明るいキャラクターで、多くの方に親しまれました。がん闘病中も積極的にテレビ・ラジオ出演、著書出版と発信を続けてこられました。
森永さんは、死去前日の1月27日にリモート出演した文化放送の番組「大竹まこと ゴールデンラジオ!」で、「楽しい社会って何なのか」について、次のように話されました。

「みんなで弱っている人を袋叩きにするというのを楽しみにしている人が、本音では多いのではないか。ストレスを発散するような社会がいい方向なのかなって思うわけです」

「もう1度ね、どうやったらみんなが楽しい社会、楽しい文化を追求できるのかというのを見直さないといけないんじゃないかなと思うんです」

「我々なんのためにこの世に生まれてきたのかというのは、私は人を袋叩きにするために生まれてきたわけじゃないと思うんです。世の中に役に立たない物だけに、こういう時代に一番役に立つんじゃないかなと思うんです」

2025.1.27 OA 文化放送「大竹まこと ゴールデンラジオ!」

フジテレビジョンのやり直し記者会見が「エンターテイメントになってる」という指摘も聞きます。これは、森永さんが仰ったことにも繋がっているような気がします。
「暴言」「袋叩き」が「エンターテイメント」になってはいけないのです。言葉は大事にしていかないと、「破滅」への道を歩むことになりかねません。

…ちなみに、森永さんは翌28日も、レギュラーを務めていたニッポン放送の番組「垣花正あなたとハッピー!」に出演予定でしたが、直前で、本人の意向で取りやめに。亡くなられたのは、そのあとということになります。当記事で取り上げた「ゴールデンラジオ!」の出演が、メディアで生の肉声を届けた最後の放送となりました。
「本当にがん闘病中なんですか?」というくらい、元気な声を聴かせてくれていた森永さん。最近は、発する言葉に張りがなく、心配していました。ニッポン放送の公開生放送で見た、ふくよかな頃の活き活きした姿を覚えている故、亡くなられたことが今も信じられません。残念です。

「言葉の品性を保つ努力」を

今回、メインで取り上げた山崎怜奈さんのインタビュー記事のタイトルは…

山崎怜奈 飛躍の裏には「言葉」への真摯な姿勢「言葉の品性を保つ努力をしないといけない」

2024.10.29 スポーツニッポン

読んで、字の如くです。私達は、今回取り上げた山崎さんと森永さんの仰ったことを自分のこととして考え、日頃から「言葉の品性を保つ努力」をするべきだと考えます。時に、言葉は「殺傷能力の高い武器」にもなってしまうことがありますから、尚更です。

最近、その努力の欠片もないような人が増えてきてしまっているように思いますが、そう見えるのは「元々、はるか昔から、そういう人が多かった」…それが、インターネット・SNSの普及によって可視化されただけなのかもしれません。
そういうことを続けていれば、いずれ必ず、足をすくわれます。そうならないように、日頃から意識しなければ…。まずは、普段使う「言葉」から見直したいものです。

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