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フジテレビは誰を守り、誰を切るのか〜日枝久だけは「勝ち逃げ」か

フジテレビが、元タレント・中居正広の性加害疑惑を発端とする一連の問題で、港浩一前社長と大多亮専務に対して法的責任を追及し、損害賠償請求も視野に入れた訴訟の準備に入ったという報道が出た。

だが、奇妙な沈黙がある。
かつての絶対権力者・日枝久に関しては、何の言及もない。
原因を作った“本丸”には触れず、現場のTOPにだけ火の粉が降りかかる構図。

もう一つ不可解なのは、中居氏本人への訴訟方針が表明されていないことだ。
真偽はともかく、もし彼の行為が「疑惑」ではなく「事実」であれば、テレビ局経営者だけを訴えれば済む話ではないはずだ。

一方、フジテレビ系列のローカル局「NST新潟総合テレビ」で2024年3月期まで6年間に約11億円の所得隠しがあったと国税当局に指摘された。
CM制作費を装って架空の経費を計上し、裏金を捻出。
不正経理は常態化していた可能性もある。
法人税として約4億円が追徴課税されたという。
テレビ局が国税局にここまで厳しく断罪されるのは極めて異例だ。
NSTはCM制作会社に架空の外注費を支払い、存在しないスポンサーのためのCMをでっち上げ、裏金を作っていた。
これを仮装・隠蔽を伴う悪質な所得隠しと判断されたのだ。

ここで再び浮上するのが、日枝久の名前である。
フジテレビの相談役であった彼は、NST新潟総合テレビの取締役も務めていた。
役員報酬は年間数千万円に上ったという。
だが、その実態は年に2回、新潟で“へぎ蕎麦を食べる美食会”に顔を出す程度のものだと、週刊文春が伝えている。

目立った経営的関与もないからと、火の粉もかからず、それでいて高額報酬を得ている。
港氏や大多氏が法廷に立たされようとしている中、日枝氏だけがノーダメージで“勝ち逃げ”を決め込む構図は、果たして正義にかなっているのだろうか。
港氏も大多氏も日枝氏の掌の上で重用され、服従の対価としてそのポジションを得たにすぎないのだ。

テレビの世界で長く“王様”として君臨した男が、いまも誰にも責任を問われないまま静かにほくそ笑んでいる――そんな絵を想像してしまうのは、私だけだろうか。

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