これもまた、ヒヨクヒバ
ヒヨクヒバには、
何度もここにご登場願っています。
そもそも。ヒヨクヒバってなに?
という反応もあるかも知れませんし、
ここでわざわざ、記事に取り上げる趣旨も
よくわからない、
という方もおられるかもしれません。
ヒヨクヒバがしばしば登場する
理由を説明すると。
初心者の頃、樹木の診断法を
先生から伝授してもらったとき、
「診断する際は、よい木と比較すること」
と習いました。
なぜかというと、診断のひとつの狙いは、
早期発見。
木がなにかしら
体調不良になりかけていたら、
早く気づいてあげられる方が
よいですものね。
そうして、もし木に何かイヤなことがあったら、
できるだけ早く、
それを取り除けないか検討する。
もし、今は特に、
できることがなかったとしても、
いつもよりも気にかけて様子をみておく、
ことくらいはできます。
なのですが、
状態の厳しい木ばかりをみて
「木って、こうでしょ!」と思っていたら、
不調の初期段階で気づく、というのは、
(かなり)むずかしくなると思います。
だから、日頃からいろんな木を
よーく見ておいて、
ケヤキならケヤキ、
サクラならサクラの
よい木ってどんな状態?
という自分なりの基準を
作っておくことが大事、と思っています。
で、先日、驚くことがありました。
「アーボリスト」と言われる、
木に登って作業するチームに
お話しする機会をもらいました。
すると、メンバーの中に
その昔、一緒に学んでいた卒業生がいました。
で、彼女曰く。
学生の頃、先生に、
たとえばケヤキを診断しようと思ったら、
昭和記念公園にあるような
立派なケヤキを知らなかったら
比べようもないし、
判断できないでしょう?
と言われた、という。
で、それ以来、いつでも
木をよく見るようにしていますと。
よかったら使ってね、のヒントを
いつまでも覚えていて
10年以上も実践し続けているなんて、
立派だと思います。
でも、驚きますよね、
久しぶりに会った若い人に
そう言われると。
やっと話は元に戻るのですが、
そうして、私も師の言われる通りに
樹木を気にかけて見てきたので、
ヒヨクヒバの立派で美しい例を
いくつも知っているのでした。
すると、目の前の木が
どれほど枝葉が少なく、
パワーもなく、
本来の魅力を発揮できていないか、
一目瞭然だったりします。

これは良し悪しではなく、
残念なのでは?ということです。
ある程度、枝葉をつめないと
大きくしすぎると、
管理する人が大変、
という声を以前から耳にします。
確かにそれはそうと思う。
だけど、手の入れ方って
いろんなやり方があります。
これじゃあ元気でないよ~
葉っぱが少なくてお腹が空いたよ~
という声が聞こえてこない剪定法
というのもあると思います。
そういうと、そこまでていねいな
作業の費用は負担できない、
という声も聞こえてきます。
悩ましいですね。
できない理由はいつだって
たくさんあったりしますので。
でも。損をしているのは自分たち、
と思えば、できるだけのことは
したいな、となりそうです。
今はやりのぶっちぎり剪定された木は、
どの種類であっても、
みな電柱や棒切れのように見えませんか?
日本には、1000種以上の樹種があって
それぞれがみな、
固有の美しさをもつというのに。
「生物多様性」というのは、
木の種類やかたちにも
あてはまる概念だと思います。
色々あった方が豊かですよね?
だからせっかく違うものを、
同じに見えるような
手の入れ方は、もったいない。
なので、できることから、
やっていきたいです。
ヒヨクヒバは、シダレタイプの木と同様、
枝の広がりが小さくて、
遠慮がちに暮らす種類です。
それでも、のびのびと育っている
ヒヨクヒバというのもあります。
そんなの見たことない、という方には、
ぜひ見てほしい、と思います。
たぶん、木の魅力の理解も変わるし、
よしあしが問答無用でわかる、
ということも納得、と思います。
そんなことで、まずはお手本となる
よい木が身のまわりにないと、
いい木のわからないまま、
人の都合だけで
木の管理をしてしまう、という
悪循環スパイラルに。

どこかにいる立派なヒヨクヒバさん、
どうかよい見本を
多くの人に見せてあげてほしいです。

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