「全員に好かれようとして、消耗し続けた」HSPの作業療法士が気づいた、たった一つのこと
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あなたは今日、何回「すみません」と言いましたか。
謝らなくていい場面で謝った。断れなくて引き受けた。誰かの表情が曇った瞬間、「自分が何かしたかな」と不安になった。
そういう人に、今日は話しかけたい。
私もずっと、そういう人間だった。
噂話が聞こえると、自分の悪口に聞こえた
職場の廊下で、同僚たちがひそひそ話しているのが見えた。
笑い声が聞こえた。
そのとき私の頭には、ほぼ反射的にこんな考えが浮かんだ。
「自分のことを話しているんじゃないか」
理由はない。根拠もない。でも体がそう反応した。心臓がどきっとして、顔が少し熱くなって、その場からそっと離れた。
HSP(Highly Sensitive Person)という言葉を知ったとき、私は「これだ」と思った。
音に敏感。人の感情を読みすぎる。些細なことが気になってやめられない。上司に少し強めに指摘されると、その言葉が頭の中でリピートされ続けて、夜眠れなくなる。
これは「気にしすぎ」な性格じゃなかった。脳の処理が、人より深くて細かいだけだった。
「全員に好かれなければ」という呪い
HSP気質の人間が陥りやすいのが、「全員に好かれなければ」という強迫観念だ。
誰かに嫌われることへの恐怖が、人より強い。だから先回りして気を遣う。だから自分の意見を引っ込める。だから方針が合わない人にも無理して合わせようとする。
私がまさにそうだった。
職場では「波風を立てないこと」が最優先だった。自分の考えがあっても、場の空気を優先した。誰かが不機嫌そうにしていると、理由もわからないのに「自分のせいかも」と思った。
でも1対1の場面は違った。患者さんや利用者さんと向き合うとき、私は自然体でいられた。傾聴することが得意だった。相手の言葉の奥にある感情を感じ取ることができた。
不思議だった。大人数の食事会では消耗するのに、誰か一人の話を聴くときは力が湧いた。
これもHSPの特徴だと、後から知った。深い1対1の関係は得意。でも浅い多人数の関係は消耗する。
リストラの夜に読んだ本
デイケアで3年働いたとき、突然リストラを告げられた。
リハビリ部門が採算に合わなくなり、閉鎖される。結婚したばかりだった。これからという時だった。
途方に暮れながら、私はある本を手に取った。
「嫌われる勇気」だった。
アドラー心理学の本だ。対話形式で読みやすく、でも書いてあることは鋭かった。
その中にこんな言葉があった。
「他者があなたをどう評価するかは、他者の課題であってあなたの課題ではない」
私はその一文を、何度も読み返した。
「自分は自分、他人は他人」に辿り着くまで
正直に言う。この本を読んですぐに「吹っ切れた」わけじゃない。
上司が怖くなくなったわけでもない。今でも強く指摘されると落ち込む。今でも多人数の場は苦手だ。
でも、一つだけ変わったことがある。
「全員に好かれることは、はじめから不可能なんだ」
ということを、頭ではなく腹の底で理解できた瞬間があった。
自分を嫌う人間は、どれだけ頑張っても嫌う。自分を好きでいてくれる人間は、ありのままの自分を好きでいてくれる。だとしたら、嫌われることを恐れて自分を消し続けることに、何の意味があるんだろう。
「自分は自分。他人は他人」
この言葉は、私にとって呪いを解く魔法の言葉になった。
HSPは「弱さ」じゃない
作業療法士として15年働いてきた。
HSP気質が邪魔になった場面もたくさんあった。でも同時に、この気質に何度も助けられた。
患者さんの「言葉にならない苦しさ」を感じ取れた。利用者さんの表情の微妙な変化に気づけた。「今日はいつもと違うな」という直感が、ケアの質を上げてくれた。
繊細さは、消すべき欠点じゃない。使いこなすべき才能だ。
あなたが「気にしすぎ」と言われ続けてきたその感受性は、誰かの痛みに気づける力でもある。
今日あなたに伝えたいこと
全員に好かれなくていい。
あなたを正当に観てくれている人は、必ずいる。
HSPであることは、あなたの罪じゃない。あなたの個性だ。
しんどいときは、無理して大人数の場に出なくていい。苦手な人に合わせ続けなくていい。自分が呼吸できる場所を、大切にしてほしい。
それだけで、十分だから。
作業療法士・15年目。特養勤務。HSP・ISFJ。自称HSPとして、今日も誰かの話を聴いています。
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