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妄想日報 5月24日「ダージリン」

8:48出勤。
ナオさん恒例の旦那さんへのご不満ネタ。と言っても、結局オノロケと思って誰もが聞いている。ところが
「もう『さいきんさすがにオジサンの臭いしてきたよー』って本人に言っちゃったよ。だって、場末みたいなお酒飲みすぎて、場末みたいな油分ばっかり摂ってるから。今後のオジサン臭、どうしたもんかねー?」
と、本人は真剣お悩み中。良い香りのするいつものハンドクリームをプスプスいわせて絞り出している。
そこへ「やっぱりご令嬢がたは、オジサンのニオイってお苦手だよね?」
と名門ダージリン家のキャッスルトン部長。本来お仕事をしなくても暮らせるくらい、立派なお家柄のかたらしい。
「ワタシの家系はね、みんなニオイないの。脇とか足とかもニオわないってよく言われる」
「でも、たしかにいつもイイ匂いします!…香水ですか?」とナオさん。おべっかとはいえ、たしかに良い香りがしなくもない。
「春の『ファーストフラッシュ』。つまり春摘みのときは、とりわけ華やかな香りがするらしいんだ。
夏にかけては『セカンドフラッシュ』で、これまたマスカテルフレーバー、要するにマスカットのような薫り高さみたい。でもね、コレなあんもつけていないのヨ」
「すごい!」「天然由来!」と皆が感嘆する。
そのとき、ナオさんのデスクに置いていたご自身の指の匂いをふとかいでみた部長が
「うわ、なにこれくっせ!ウン…糞便みたいな臭いだあ!」と大声をあげた。
ナオさんが「あ、わたしのハンドクリーム!…飛んでたんだ。ごめんなさい。でも、これジャスミンの香り…イタリアのお土産に、もらった…」
とシュンとしてお詫びする。
部長のほうは、聖水で悪魔祓いでもされたかのように手のひらをベラベラ振りながらタチマチ退散した。
みんなで
「いや、この香りがウン○って、部長はいったいどんな香りの良いウン○なさるのよ!ねえ?」
「今昔物語のホラ、ウン○の匂いまで芳しい平中の女かっての!ねえ?」
と口々に慰めたがナオさんは
「わたし、うちに帰ったら一番に、とにかく旦那にまず謝らなくちゃ!」
と、なんだか気の毒なほど、出がらしのような顔で反省していた。

#創作 #日記 #3行日記 #ダージリン #キャッスルトン #ファーストフラッシュ #セカンドフラッシュ #なんのはなしですか

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