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【5分分析・結論】教育格差の本質とは何か?仮説の検証と到達点

📌 本日の目的


月〜木にかけて提示してきた仮説を総括し、「教育の地域格差とは何か?」の本質に迫る。単なる経済差・制度差では説明しきれなかった構造的な違いを明文化する。


📈 学力と進学率、そして地域差の構造


学力・進学率に明確な地域差があることを示した。学力と進学率の相関は強くなく、むしろ学力は高いのに進学率が低い地域が際立った(火曜)
経済力・教育支出と進学率は相関しているが、経済力・教育支出と学力は相関していなかった(水曜)
では学力は何で決まるのか?教育インフラ(学級規模や教員数)でも比較したが、相関は見られなかった(木曜)


✏️ 本分析から見出されたこと


家庭の所得水準および教育費が高ければ、進学率は高いと言えるが、家庭の所得水準および教育費が高くても、学力が高いとはいえない。

教育密度(1クラスあたりの児童数や教員1人あたりの担当児童数)では、都市部の教育密度は低く、地方の密度が高い傾向にある。(しかし、1クラスあたりの児童数が少ない都道府県と教員1人あたりの担当児童数が少ない都道府県は異なるため、一概に地方全ての教育密度が同じ傾向にあるとは断じられない。)

教育密度が高いからといって、学力が高くなるわけではない。学力に影響を与える単一要因は、現時点では見つけられていない。おそらく複合要因があるのではないかと推察する。

では、学力に影響を与える要因仮説は何か?


🏫 学力が高い地域に共通するもの


分析を通じて、学力と所得水準・教育費・教育密度は相関関係が無いことが証明された。この結果、逆に残された説明要素が浮かびあがる。学力が高い地域に共通する要素として、まだ仮説段階ではあるが、下記が挙げられる。

地域としての教育文化の成熟度
秋田県
「秋田式指導法」と呼ばれる独自の教授法を導入しており、全国学力・学習状況調査でも安定して高い成果を収めている
(出典:秋田県教育委員会『全国学力・学習状況調査 成果と課題』 https://www.pref.akita.lg.jp/pages/archive/4082)

福井県
教員の授業研究会や校内研修が活発で、協働的な学びの文化が根付いている
(出典:福井県教育委員会『ふくいの教育』 https://www.fukui-c.ed.jp/)

家庭における学習リズム・行動習慣
文部科学省の調査では、スマホやテレビの接触時間が短い児童・生徒ほど学力が高い傾向が示されている。 ただし、これはあくまで個人レベルの傾向であり、都道府県別に視聴時間の差があるかどうかは不明である。 仮に地方の方がテレビ・スマホの視聴時間が短いとすれば、学力との相関の一因と考えることもできるが、現時点では仮説の域を出ない。

※地域別の若年層メディア接触時間については明確な統計は存在しないが、都市部の方が接触機会が多い可能性は示唆されている。
(出典①:博報堂生活総研『中高生のスマホ利用と生活習慣に関する調査』 https://seikatsusoken.jp/research/26761/
出典②:ニッセイ基礎研究所『子どもとスマホ依存の実態と地域格差』 https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=70325
出典③:INTERNET Watch『学力調査に見るメディア接触の影響』 https://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/1483969.html
出典④:テレ朝news『学力とスマホ依存の関係』 https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000261158.html
出典⑤:浜田市『全国学力調査に関する報告』 https://www.city.hamada.shimane.jp/www/contents/1640075880845/index.html)

まじめさを支える校風・家庭風土
秋田県
教職員のキャリア指標を活用した校内研修が行われるなど、教育に対する真摯な姿勢が学校文化・家庭文化として共有されている
(出典:秋田大学学術情報リポジトリ『学校文化と学力形成に関する考察』 https://air.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=1026&item_no=1&page_id=13&block_id=21)

いずれも統計に表れにくいが、質的要素として教育成果を左右している可能性がある。


📝 結論:教育格差の本質とは何か?
くどいようだが、この5分分析では、賛否両論ある場合でも、具体的で明確な結論を出す。抽象度を高めた絶対的な正解にとどめることはしない。
そのスタンスを踏まえ、本連載の結論は、下記のようにしたい。

学力と教育費には強い相関は見られない。ということは、学力を高めるためには、教育費をかければよいというものではない。
ただし、進学させるためには費用がかかる。つまり、進学率が高い(≒高学歴である)からと言って、学力が高いとは言えない。

では、教育格差の本質とは何か?
教育格差を「進学率の差」とするならば、それは所得の差、かけられる教育費用の差と言えるのではないか。教育格差≒経済格差というのが本質となる。

一方で、教育格差を「学力の差」とするならば、それに対する明確な回答は見つけられていない。少なくとも、家庭の経済力や教育費、教育密度の濃さという可能性は薄そうということは言える。

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