枠は誰が作っているのだろう
先日、娘がこんな話をしてくれました。
高校生の頃、アルバイトを始め、自分で稼いだお金で初めて靴を買うときのことです。
私はよく、
「最初に買う靴は、黒が何にでも合わせやすいし、無難じゃない?」
そんなことをよく話していました。
親として、「長く履けるし、どんな服にも合わせやすいから。」という気持ちで伝えただけでした。
それから何年も経ち、娘が大人になって、おしゃれを楽しむようになった頃のことです。
娘が笑いながら言いました。
「お母さんにそう言われたこと、ずっと覚えてたんだよね。」
「だからなのかな。本当は赤い靴が欲しかった時もあったのに、なぜか『靴は黒を買うもの』って思っちゃって、黒以外の靴がなかなか買えなかったの。」
そして最後に、
「なんか、謎の暗示にかかってたみたい。」
そう笑っていました。
私は、その言葉を聞いて本当に驚きました。
そんなつもりで伝えたわけではなかったからです。
でも、その話を聞いて気づいたことがありました。
人は、大切な人から何気なく言われた言葉を、いつの間にか自分の価値観として受け取ることがあるのだということです。
最初は、
「お母さんが言っていたこと。」
だったはずなのに、
いつの間にか、
「私はそういうものだ。」
へと変わっていく。
そして、それが当たり前になると、自分では自由に選んでいるつもりでも、実はその枠の中でしか選べなくなってしまうことがあります。
誰かに止められているわけではありません。
でも、いつの間にか、自分で自分の選択肢を狭めてしまっていることがあるという事。
考えてみると、私たちにも、こんな「謎の暗示」がたくさんあると思います。
「私は人前で話すのが苦手。」
「私には無理。」
「もうこの歳だから。」
そう思っていることの中には、本当に自分で選んだ考えではなく、いつの間にか心の中に住みついた思い込みがあるのかもしれません。
私たちは、「できない」から選ばないのではなく、
「できないものだ」と思い込んでいるから、選ばない。
そんなことが、案外多いのかもしれません。
もちろん、親は子どもを縛ろうと思って言葉をかけているわけではありません。
その時、その子のことを思って伝えた言葉です。
でも、その言葉が、心の中で「こうあるもの」という枠になることもある。
だからこそ、一度立ち止まって問いかけてみることが大切なのかも知れません。
「これは本当に、私が選びたいことだろうか。」
もし、その問いの先に、小さな「やってみたい」があるのなら、その気持ちを大切にする。
人生は、誰かの言葉から影響を受けることがあります。
でも、その先を選び直せるのは、いつだって自分自身なのだと思います。
今日も読んでくださってありがとうございます💕
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