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娘の大学入学式で、東京に圧倒された父の話

娘の大学の入学式のことを、ふと思い出しました。

あの日は、娘の成長と東京という街のすごさを、同時に感じた一日でした。

もう2年前のことになります。

私が最後に東京へ行ったのは、娘がまだ1〜2歳くらいの頃。一緒に行って以来だったので、「東京ってこんなに変わったんだ」と驚くことばかりでした。

妻は引っ越しの準備もあり、先に娘のところへ行っていました。

私は入学式の前日、仕事を早退して一人で東京へ向かいました。

普段、一人で遠出をすることがほとんどないので、少し緊張しながらの出発です。

娘は数週間前から借りたアパートで生活を始めていて、その間に電車やバスでの移動にも慣れていました。

私は羽田空港に着き、妻と娘との待ち合わせ場所まで何とかたどり着きました。

しかし、周りを見れば見るほど、人の多さや街の雰囲気に圧倒され、終始キョロキョロ。

完全に田舎者丸出しでした(笑)。

まず驚いたのは、人の多さ。

そして、飲食店やお店の数の多さです。

「若い人が東京に出てきたら、この街に魅力を感じて帰りたくなくなる気持ちも分かるなぁ」

そんなことを思いました。

その日は、東京で暮らしている親戚の子とも合流して夕食へ。

いかにもインスタ映えするようなお店で、みんながスマホを片手に写真を撮っている姿を見て、「時代だなぁ」と少し照れくさい気持ちにもなりました。

でも、地元では味わえない雰囲気があり、とても楽しい時間でした。

そして迎えた入学式当日。

バスに乗り、電車に乗って入学式会場へ向かいました。

東京の人は歩くのが本当に速い。

周りの流れについていこうとするだけで精一杯でした。

改札では、みんなクレジットカードやスマホをかざすだけで、当たり前のように通り抜けていきます。

当時の私は、そのような設定もしておらず、切符を買おうと路線図を見ながらモタモタ……。

気づけば、切符を買っている人なんてほとんどいません。

そして、モタモタしている間に、娘とは少し離れてしまいました。

娘は人の流れに合わせて、迷うことなくスタスタ歩いていきます。

地元ではいつものんびり歩いていた娘が、東京では周りを見ながら自然に歩いている姿を見て、

「すごいなぁ。ちゃんと順応しているんだな」

と感心しました。

私は切符を買うのに手間取り、妻は私を気にかけながら一緒にいてくれていました。

あとで娘にそのことを話すと、

「お父さんも、お母さんと一緒についてきてると思ってた。」

とのこと。

その言葉を聞いて、娘ももう東京での生活にしっかり馴染んでいるんだなと感じました。

電車の混雑も想像以上でした。

テレビでは見たことがありましたが、実際に体験すると別世界です。

「あれを毎日通勤で経験するなら、会社に着く前に疲れてしまうな」

そう思いました。

車内では、人との距離が本当に近い。

私は大柄な男性の胸元に顔が付きそうなくらいの状態でした。

これが男女だったら、トラブルになることもあるだろうなと思いました。

つり革につかまるために両手を上げていたほうが安心だな、と感じたほどです。

少し怖さを覚えた瞬間でもありました。

ようやく入学式会場に到着。

新入生が多いため、入学式は大学ではなく別の大きな会場で行われました。

案内図はもらっていたものの、会場までのルートで少し迷ってしまい、遠回り。

その頃には、会場へ向かう人たちの長い行列ができていました。

実は私は、その日の夕方の飛行機で帰る予定を立てていました。

高校の入学式くらいの規模を想像していたのですが、大学の入学式は想像以上でした。

このまま並んで入場すると、式が終わる頃には飛行機に間に合わない……。

せっかく娘の大切な日を見るために来たのに、少し残念な気持ちはありました。

でも、時間のことを考え、私は入学式を見ずに帰ることにしました。

後日、妻が送ってくれた写真を見ると、会場はとても広く、娘がどこにいるのか分からないほどでした。

きっと会場に入れていたとしても、雰囲気を味わうだけで終わっていたかもしれません。

だからこそ、卒業式は時間に余裕を持って、最初から最後までしっかり見届けたいと思っています。

娘はまだ大学3年生。

来年あたりからは卒業式の袴の展示会も始まるそうで、妻も「一緒に見に行くのが楽しみ」と話しています。

まだまだお金はかかります。

でも、お金は働けば何とかできるかもしれません。

家族との時間や、その瞬間にしか作れない思い出は、後から買うことはできません。

これからも、お金では買えない思い出を一つひとつ大切に作っていきたいと思います。

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