【映画批評】#70「お嬢と番犬くん」 今後はローテの谷間に邦画ラブコメを積極起用します!
講談社「別冊フレンド」にて2018年より連載され、23年にはテレビアニメ化もされたはつはるによる人気コミックを、「今夜、世界からこの恋が消えても」の福本莉子と男性アイドルグループ「SixTONES」のジェシーの共演で実写映画化した恋愛コメディ「お嬢と番犬くん」を徹底批評!
油断したら最後…。観れば必ずジェシーにひれ伏すことになる。観客である我々がすべきことはただひとつ。ただヒロインの視点に立って、満場一致で最高の男・ジェシーを味わい尽くすだけだ!
鑑賞メモ
タイトル
お嬢と番犬くん(106分)
鑑賞日
4月1日(火)18:45
映画館
あべのアポロシネマ(天王寺)
鑑賞料金
1,300円(ファーストデー)
事前準備
準備なし
体調
すこぶる良し
点数(100点満点)& X短評
70点
【新作映画短評】#お嬢と番犬くん
— 近鉄太郎 (@egoma_senbei) April 2, 2025
とにかく主人公を庇護するジェシーの魅力に打ちのめされておけばいい。ある種のファンタジー映画であるが、キャスティングとパキッと明確に役割を各人に割り当てることでわかりやすさにリソースを割き、キュン沼に引き込むことに余念がないプロフェッショナル映画。 pic.twitter.com/ZUPxhOkv89
あらすじ
幼い頃に両親を亡くし、瀬名垣組組長である祖父に引き取られ育った瀬名垣一咲。
「極道一家の孫」という立場から孤立し、友達が出来なかったトラウマを持つ一咲は、高校入学を機に、極道一家の孫であることを隠して、「普通の友達を作って、普通に恋をする!」と決意する。
ところが、瀬名垣組の若頭で、一咲の世話役でもある宇藤啓弥が、なんと年齢を詐称して同じ高校に裏口入学!過保護すぎる啓弥は、一咲の「番犬」としてボディガードをすると宣言。
一咲はそんな啓弥に慌てふためきつつも、憧れの高校生活を守ろうと、自分と啓弥の素性を隠して奔走する。
そんな一咲と啓弥の前に、瀬名垣組の兄弟分にあたる田貫組組長の孫・田貫幹男が同じ高校に転入。
二人の関係をかき乱してきて…。
はたして、一咲は普通の恋と青春を送ることができるのか──。
ネタバレあり感想&考察
まさかの初手から好き同士
逆に気持ちいい予定調和
こういうラブコメ邦画ジャンルものって、まったく観たことないとはいわないがパッと思いつくものがなくて、せっかく映画批評のnoteも1年近く70作も続けてこれたし、一回手を出してみようと。「ホットギミック」と「ホットロード」が大好きなんですが、割とシリアスだし絶対的ラブコメって感じでもないしなぁ、ということでガッツリラブコメ然とした映画を観てみようと思い立つ。
いまちょうど観たい映画もないし、ファーストデーやから何かしらは観たいし、本作か「山田くんとLv999の恋をする」のどっちか観てみるかーというノリで、ジェシーなら知ってるからこっちにしよか、で選んだ本作。
結論を言うと、ガッツリ楽しめました!
言ってもこんなnoteをやってるぐらいなので、世間的にみたら比較的硬派な映画ファンだと自認しています。決してエースとして優先的に登板させるタイプの映画ジャンルではないものの、観たいものがないときにローテの谷間を埋める際には積極起用してもいいかなと思えるジャンルになった。
そういう意味では大収穫。今後のバリエーションが広がりそうで楽しみだ。

ハッキリ言ってネタバレもへったくれもない話なので、あらすじは観てもらったらいい。言っちゃ悪いが、大したことは起こらない。笑
意外だったのは、このお嬢役の福本莉子と、番犬もとい彼女のお守り役であるジェシーが初手から好き合ってる同士だったということだ。というより小さい時からずっと同じ時間を過ごしてきているというのが、話にムリが生じないかと思っていた…。いや、普通にムリがあると思う。笑(だってオジキが認めるわけないだろうってのが真っ先に浮かぶし…)
ただあまりにファンタジックな話も、ジェシー本人が役もみてくれもファンタジックすぎる存在であることと、こういった恋愛ジャンルものはヒロインに全て都合良く進めていくことの気持ちよさにあることが面白さに拍車をかけていくタイプの映画なので、これ以上ないピンズドのキャスティングだった。どんどん恋愛に入っていくというより、恋愛にしていきたくないヒロインがどうしても恋愛に引き込まれてしまう相手が近くにいた危なっかしい男・ジェシーだったという話。その視点で捉えれば、こちらもも為す術もない。こちらが犬になります、ということだ。(←合ってるのか?笑)

心の声ダダ漏れ×テレビ的ツッコミ演出もここまで徹底されるとそういうものだとしてすんなり観れてしまう不思議。一般的な映画評価というよりは、いかに記号的な演出、セリフ言動をいま話題の魅力ある人たちにキャスティングしてしっかり遂行してもらうか、がこういったジャンル映画のプロフェッショナルだと理解した。そこの徹底ぶりが良かった。ここまで突き抜けていれば、良さに反転する。某福田雄一にも見習っていただきたい。
とにかく本作は、キャスティングと作り手の手際の良さが際立っていると思う。ジェシー×福本莉子の超売れっ子がメインなので、早撮りで予算感も抑えられてそうなうえ、結果的に評判良く満足度も高い雰囲気が感じられる。
ぱっと見だけでナメたらアカン!
立派な良作と言って間違いない!
目の前の客の期待に応える=絶対正義
楽しい恋愛アトラクション
興行的に本作のようなジャンル映画の存在意義を感じ取れた。
これは自分にとって大きな収穫。それにつけて満足度も十分。
何も言うことはない。
楽しみ方としてはやっぱり、アトラクションに近いなと。
観客がヒロインの目線に立って、ドキドキしたいという期待にしっかり応えている。本作は照れを一切排除どころか、あえてもあえてイタかろうがなんだろうがキザなことを必要以上に近距離でジェシーにバンバン言わせていて、その気前の良さにやられた。自分に好意を向ける他の女性に対して実際に節操ない言動を取っているのだが、それも全ては一咲さん(福本莉子)のため、というトンデモ超論理ですら「たしかにそうじゃ」と納得するしかない図太さ、無神経さが作品全体に通底している。何言ってんだこいつ、と思われる方は観て体感してほしい。とにかくジェシーがイタカッコよくてサイコーなのである。(しかも実は身勝手という乗っかりもある)
恋敵・田貫役の桜井海音も爆裂イケメンだが、ちゃんと軽薄で中身スカスカでジェシーをしっかり下回る存在感。このロールがタテ割りでパキっと分けられ、それにしっかり応える演技と佇まいを示した桜井さんもめちゃくちゃ良かった。なんとミスチル桜井の息子さんと聞いてビックリ!
なんで名波みたいな顔したオヤジからあんな目鼻立ちクッキリしたせがれが生まれるんだ、と!
(おそらくお母さん似なのだろう、ミスチル桜井の面影はあまり感じない)
ただ、田貫に関してはさすがに敵としてショボすぎないか?とは思ってしまった。一咲もヤクザの組長の娘なので肝が据わっているところを演出したかった意図はわかるが、それはそれで田貫の弱体化がトレードオフの関係になっていて、そこはバランスミスってるかなぁと。最強ジェシーとある程度張れる男ではあってほしかった。安心してみられるという意味では正解なのかもしれないが…。でもやっぱここだけはハッキリ不満かな。

「イケメンがイケメンに壁ドンしてる!」などの不意に来るツッコミセリフに爆笑させられたり、キュン死上等のジェシームーブ連発はただただ嬉しいし、脇を固める同級生役の香音、松井遥南の感じの良さ、意味ありげに出てくるがただただ美しくていい女なだけのクラブママ役に佐々木希を充てるなど、配役と役割がサービス精神に溢れている。これらのサービス精神が恋愛アトラクションの要素として有機的に機能し、総合力が引き上げられている印象。
それって普通に良い映画じゃない?って話である。
全くもって誇張なしに普通に良い映画なのだ。
そして、ヒロインを務めた福本莉子が不思議な魅力にあふれていた。
ある意味ファンタジー作品なのでリアリティある演技とかではなかったし、おっと思わせるような演技を披露する場面がほぼない映画だった割に、ただ単にかわいいだけではない独特な雰囲気に惹きつけられた。女子高生の制服姿より、品のある顔立ちだからか、お嬢様然とした私服姿がすごく様になっていた。それこそ、あんなステレオタイプなオフのお嬢様っぽい衣装が似合うのは今どきは珍しいかもしれない。動物園デートするシーンとかめちゃくちゃかわいかった。
ジャンルもののヒロインって、その時々でしか出ない"輝き"を映し出すことが一番大事だと思っている。本作はそれをばっちりフィルムに押さえている。髙石あかり、清原果耶、山田杏奈、星乃あんなが主役の映画は必ず観る、と決めている筆者だが、
福本莉子もその中に加えようと思う。

まとめ
好き嫌いして敬遠してたつもりはなかったんですが、邦画ラブコメをこれから観ていく、いいきっかけをくれた作品として記憶に残る映画になりそうです。
案外、行ってみると男性もちらほらいました。(ヨレヨレのおじいが一人いたのは謎でしたがw)
ヒロインきっかけか、相手の男役きっかけか、題材か、いろいろ作品選びは切り口が多くて迷いそうですが、そこも含めて楽しもうと思います。
あと主題歌の「バリア」が超カッコいい!最高!
松村北斗に続いてジェシーにもやられてしまい、自分の中でSixTONES熱がスゴく高まっています。やっぱりJの魂が私には宿っているのです。
最後に
せっかくなので元ジャニーズメンバー出演作の過去の批評記事を以下にまとめます!あわせてみてね!

