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10年繁盛!34坪・月商1500万円「grilled beef winebar zuiji(ズイジ)(愛知・名古屋)」コスパとホスピタリティの高さ【居酒屋・酒場・バル】

コロナ禍を経て、より自由で、個性豊かな居酒屋・酒場・バルが登場してきています。いま、お客に支持され、繁盛している店の売れる理由、繁盛の秘訣はどこにあるのか。共通するのは、時代やトレンドを踏まえた店づくり、メニューづくり、売り方の巧みさです。いま勢いにのる居酒屋・酒場・バルの注目店から、繁盛店づくりの秘訣を探ります。


愛知・名古屋
「grilled beef winebar zuijiズイジ

昔、女子大があったことから「女子大小路(別名・栄ウォーク街)」と呼ばれている、栄四丁目地区のテナントビル1階にある。地下鉄の駅からもほど近く、ネオン街・歓楽街の様子が色濃くなるエリアの手前に位置しているので、若年層でも入りやすい。

『grilled beef winebar zuiji』の2015年の開業から、約2年に1店舗の歩みで丁寧かつ着実に店を増やしている㈱エディストーション。現在は名古屋市内で個性が異なる4店舗を展開しており、いずれもロケーションや料理の完成度、店の雰囲気など、総合的な評価が高い。

利用シーンを選ばない空間

『zuiji』も照明を落としたおしゃれで落ち着いた雰囲気のダイニングバーとしてグループ店の中でも人気が高い。店内はボタニカルなインテリアのバル空間と大人のラウンジ的な空間の2つで構成し、カウンター席や個室、ソファー席など、客席の種類も豊富に用意したことから、デートや女子会、会食など、シーンを選ばず利用できるため、幅広い年代や客層の獲得に成功している。

また、お客の年代や利用シーンを読み取り、案内する席のフロアをさりげなく分けることで、盛り上がるグループ客と落ち着いて食事を楽しみたいお客がそれぞれ気兼ねなく過ごせるよう細かく配慮しているホスピタリティの高さも、「また利用したい」とお客に思わせるポイントだ。

さらに、CEOの南合洋氏は「雰囲気が良い空間・サービスと、コスパが高いと感じさせる料理の組み合わせは、お客様の来店頻度を高めてくれると考え、開店当初は約7000円だった客単価を、月に数回利用しやすい価格帯の5300円まで下げたことは、客層のさらなる拡大とリピート率アップへとつながり、売上も大きく上がりました」と話す。

本格的かつ記憶に残る料理

炭火焼きの赤身肉を3種類盛り合わせたプレートは、ほぼ全てのお客が注文する一番人気の商品で、肉の種類や組み合わせで3段階の価格を設定。食事の相手や懐具合に合わせて看板商品から選べる配慮もお客としてはありがたい点だ。

炭火焼き以外にも、トスカーナ料理をベースにした本格的なメニューが揃っており、映える盛り付けの前菜、手間を掛けた燻製や煮込み料理といった本格的なアラカルトなど、独創的で素材の組み合わせや味づくりに工夫を凝らした料理も多くのお客から高い評価を受けている。

特に盛り付けは「撮りたくなるようなビジュアル」を意識しており、実際に写真を撮るお客は多い。撮った写真はSNSで発信され、新規客の呼び水として高い効果を上げていることから、同店ではSNSを利用した販促をほとんど行なっていない。

「オープンから10年近く経っているので、街にあふれるニューオープンの店に埋もれないよう、半年に1回ほどのペースでインフルエンサーの力を借り、『zuiji』を思い出してもらうくらいの感覚で発信しています。集客より忘れられてしまわないための対策ですね」と南氏。

また、味づくりにもひとつの指針があり、一部の料理ではあえてスパイスやハーブ、食感などで尖った部分をつくることを心掛けている。その尖りが他店にはない大きなフックとなり、嗜好にハマった人=メニューのファンをつくることで、「あの味が食べたい」という来店動機につなげているのだ。

このように、味とビジュアルのそれぞれで記憶に残る料理は、新規客と常連客の両方の来店を促す強い要として店の土台を支えている。

数字は毎日スタッフに共有

利幅を広げるために重要なのが原価率だが、食材の仕入れ価格が高騰している昨今において同店の平均原価率は27%と、飲食店の平均を下回る優秀さが光る。しかし、高コスパが魅力のひとつであるため、お客に割高感を与えないような取り組みも徹底し、日々実践してきた。

メイン食材である赤身肉は、大きな塊のまま仕入れて店で磨いており、そこで出た端材を使ったコク深いボロネーゼのソースや、野菜の切れ端を活用したピクルスなど、とにかくロスカットを心掛けている。

南氏は「うちの店では味見以外の〝つまみ食いは禁止〟です。自家製の燻製や生ハムなどの端はお客様に出せませんが、それを食べてOKにすると、無意識のうちに端の部分が大きくなる。チリツモですが、何年も続けているとけっこうな金額になるものです」と話す。

さらに、毎日の売上や仕入額などからその日の原価率がスタッフに分かるようになっており、数字に対する意識を強く持たせることを徹底したスタイルも、長く人気を保つ店づくりの一端なのだろう。


店はキッチンを中心としたL字型になっており、アンティークな雰囲気の客席は、テーブル席とカウンター席がある南側のホールと、テーブル席のみの西側のホールに分かれている。

SHOP
住所/ 愛知県名古屋市中区栄4-5-22 はとビル1F
規模/34坪・50席
営業時間/ 17:00〜24:00、金・土、祝前日16:00~翌1:00
定休日/無休
客単価/5300円
月商/1300〜1500万円


※情報は紙面掲載時のものです
※「近代食堂2025年1月号」より引用