物語療法と色鉛筆画作家との出会い
AC、ナルシストアビュース、また喪失グリーフのセルフカウンセリングで、自己流で物語療法に取り組んでいるKinnyです。
私は機能不全家族に育ち、逆境的小児期体験のサバイバーです。父からは生命の危機というトラウマ、母からはアダルトチルドレンのケアギバーとしての傷を受けて育ちました。異性の親からのトラウマが2歳以下の言語能力獲得前、同性の親からのスキーマ獲得が6歳~12歳ということです。
さて、そのような傷を癒すのは、結構、人生の一大イベントなのです。
…で、私は、文章で、それに取り組みたいと思いました。そこで自己流で物語療法を行っています。
私がこの取り組みを始めた後、物語療法の書籍も販売されたので読みました。結末を異なるものにする、というのが大事なことだ、というインサイトをもらいました。
今回はその実際をシェアしたいと思います。苦悩を昇華する健全な方法として、使えると思います。
私は最初に、次のような寓話を自分の機能不全家族を描写するために書きました。これは、カウンセラーの先生に、的確に自分の生い立ちを伝える目的でした。
【機能不全家族の寓話】たぬきどんと泥の船
あるところに、今にも沈みそうな泥の船をこしらえて、仲間を誘っては乗る、そんなたぬきどんがおった。
泥の船には、ほかにウサギどんとカメどん、それに犬が乗っていた。
しばらくは楽しく景色を眺めながら乗っていた船だが、泥の船だったので、だんだんと浸水するようになってきた。
言い出しっぺのたぬきが、一生懸命、泥の舟から、水をかきだしているのを見て、犬が言った。
「なんか大変そうだね」
そして、たぬきと犬は、一緒に力を合わせて、船から水をかきだした。
でも、ウサギとカメは、泥の舟が沈みそうなのを見ても、おろおろするばかり…。
犬は、言った。「君たちも手伝ってよ!」
ウサギは、言った。「僕、ウサギだから無理だよ。それに、のろまのカメに水をかいてもらっても、何の足しにもならないよ」
それを聞いた犬は、バカらしくなって、「ごめんね、たぬき君。僕、先に行ってるよ」と言って、犬かきして泳いで行ってしまった。
それを見たカメは、「ずるい!犬なんだから、もっとタヌキを助けるべきだ!」と言った。
「泥船に乗っている僕たちを助けてくれないなんてひどい」
そして、相変わらず、たぬきが一生懸命水をかくのを、頑張って~と言いながら見ていた。
しかし、終に泥の船は沈み始めた。
ウサギが言った。「僕、泳げないんだよぉ。死んじゃうよぉ」
そして、一番端っこの良いところに立っていたんだが、結局、舟は沈んでしまった。
たぬきがウサギの手を引っ張ったが、ウサギは悲しい目をして溺れてしまった。
カメは?というと、カメにとっては水は住処と同じことだったのだ。
ウサギが死んじゃったと嘆く狸の声が遠くで聞こえた犬は、大急ぎで戻ってきたけど、結局、溺れてしまったウサギを見ることしかできなかった。
その時カメは、「お前のせいだぞ、犬。お前が悪いんだぞ」と言った。「お前がタヌキを手伝わなかったから、ウサギは死んだんだぞ」
犬は、そんなことあるもんか!と思ったが、チクリと心に棘が刺さったみたいな気がした。
ホントは、俺のせいなの…?
たぬきは、相変わらず、溺れているウサギと泳いでいるカメを救おうとしていた。たぬきの大きなお腹が浮き輪になって、狸自身は、何もせずとも浮いていられるのだった…。
犬かきで泳いでいる犬は、タヌキみたいに悠長に浮いてはいられない。さっさと陸に上がりたいと泳いで行ってしまった。
陸に上がる犬の背にカメがくっついていたが、犬は気が付かなかった。陸につくと、カメは、よっこらしょ、水辺の草むらにそっと隠れた。
陸に立ち上がると、犬は、ぶるんと身震いして、水を振るい落とした。
そして、濡れた体を乾かすために、温かい日向の岩の上に座って体を丸めると、たぬきがウサギを助けられなかったのは、自分のせいなのかどうか、長いこと考えることになったのだった。
カメのほうは、自分がそんなことを言ったことすら忘れて、もう泥の船はこりごりだ、とだけ言った。
タヌキは、タヌキで、また泥の船をこしらえて、一緒に乗ってくれる仲間を集めるのだった。
心理学的解説はこちらです。ウサギの死は弟の死です。
その後、本格的なカウンセリングを南ユウタさんでスタートし、8回目くらいで、ブレークスルーが来ました。根深い罪悪感は、弟を早期に失った悲しみとくっついていました。
物語療法では、結末を変えることが、鍵です。
そこでなんとか結末を変えようと、5時間の瞑想の末、書いたのが、次のお話です。
■ うさぎどんの夢を見た犬
たぬきの沈んでしまった泥船から逃げかえった犬は、ぶるるん!と体を震わせたあと、濡れた体を乾かすため、温かい岩の上に体を丸めた。そして、溺れて死んでしまったウサギのことを考えた。カメが言ったように、自分がウサギを殺したのだろうか?
犬は長いこと考えたが、考えても考えても、本当のことは分からなかった。
そんな犬が夢を見た。
その夢では、ウサギが申し訳なさそうに、犬のことを心配していた。
ウサギ: 「犬くん、もしかして、自分のせいで、僕が死んだんだって、思ってる?」
犬: 「だって、カメがそういったんだよ…。僕のせいなのかい?」
ウサギ: 「僕ね、いつも一度、川の上から、世界を見て見たかったんだよ。それで泥の船っって沈むかもしれないっては、思ったんだけど、たぶん、大丈夫、って思って乗ったの。」
犬:「そうだったの。」
ウサギ:「うん。それにね、たぬきと犬とカメが楽しそうに思ったんだ」
犬:「うん、沈む前は楽しかったよね」
ウサギ:「うん、そうだよね。それでね、僕は、犬くんにさ、俺のせいだって思ってほしくないの」
犬:「でも、カメが…」
ウサギ:「カメ、あいつトロい奴じゃん?」
犬:「確かにそうだけど…」
ウサギ:「僕、たしかに溺れ死んじまったけどさ、楽しかったよ」
犬:「僕は、君を助けたかったんだよ!」
ウサギ:「うん、知ってる。だから、もう俺のせいだ、って思わないでほしいんだ」
犬:「でもウサギは死んじゃったじゃないか!かわいそうじゃないか!」
ウサギ:「僕、かわいそうじゃないかも。だって乗るって決めたのは僕だし…」
犬:「それは、そうだけど…」
ウサギ:「それに死んで分かったんだけど、生まれたら絶対に死ぬことになっているんだ」
犬:「そうだけど…」
ウサギ:「僕は犬とタヌキとカメと一緒に船に乗って、景色を見れて良かったよ」
犬:「僕は、ずっとウサギも楽しく陸に上がって、そして長生きしてほしかったんだ」
ウサギ:「ありがとう。僕は大丈夫さ。死んだら、もう死なない。それに僕、君にちょくちょく会いに行くよ。僕、君が大好きなんだ」
そして、夢の中のウサギは犬にウィンクした。
犬は目が覚めた。
それからしばらく…
犬が散歩していると、たぬきが、アライグマと一緒に、いかだを作っていた。
「あれ、たぬきは泥の船じゃなかったの?」と聞くと、たぬきはバツが悪そうに言った。「お客さんがみんな、沈む舟には乗らないって言うんだ。それでアライグマに、いかだの作り方を教えてもらってたんだ」
犬は、そりゃそうだろうなぁ…と心の中で思った。
「このいかだは、いつできるの?」「もうすぐさ」
そこで犬は、カメを探しに行った。「カメさん、どうもたぬきどんがいかだの舟を作るらしいよ、乗る?」「うん。乗る乗る」
いかだが出来上がると、たぬき、あらいぐま、犬、カメが、いかだに乗り込んだ。今度はいかだは浮かんでいて、ゆっくりと漂うように川の上を進んだ。
犬は、ここにうさぎどんがいてくれたらよかったのに…と思った。でも、とても幸せだった。
犬は、うさぎどんは、命を懸けて、船でみんなを川遊びに誘いたいのなら、たぬきは泥ではなく、いかだで船を作らないといけないんだってことを教えんだ、って思ったのだった。
岸に近づくと、茂みの奥から、小さい子供のウサギが、いかだを羨ましそうに見ていた。
いぬどんは、今度、あの小さいウサギの子を誘ってやろうと思った。
お終い。
心理学的な解説はこちらです。
■ 絵に描いて完了
今日は、偶然画廊の前を通りがかると、作家さんたちが集まってワークショップを開いており、中の作家さんの一人は、どんな絵を描いてほしいか言ってくれれば、色鉛筆画の下絵を描いてあげますよ、というワークショップでした。
まるで、天使のような申し出で、私はすぐさま、「いかだに、たぬき、犬、ウサギ、カメが乗っている絵をお願いします」とお願いしました。私の現家族の健全な姿を、イメージとしてでも残しておきたかったからです。
そして、描いていただいたのがこの絵です。

今日はこんな出会いがあり、本当に心癒され、この絵をさらに拡大大きくして飾りたいと思っています。
このような出会いが、ありえない、起こること、発生することが難しいのに、発生した、という意味で、本当に有難い出会いでした。
4月8日、今日はお釈迦様の誕生日です。神がいるならば、神よ、感謝します。
