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 「静かな退職者」からの問いかけ~私にとっての幸せを見出していく時代へ 

「バカンスを楽しむ」
「定時ですぐに帰る」
 
など、欧州の労働者の「ゆとりのある」働き方について見聞きすることが増えました。
 そして、スマートに働いて、給料もしっかりもらって、うらやましいなあと思っていました。しかし、実際は職業資格制度があるため、一部のエリート以外は、いくら働いても出世できず、給料もほとんど上がらないという実態があるそうです。
 フランスでは大学卒業者が多く就職する「中間的職務」の平均年収は
 
・480万円(20代後半)
・608万円(40代後半)
 
ぐらいまでしか上がらないそうです。
 いくら働いても「上がらない」ことを知っているので、やるべき最低限の仕事はこなしつつ、「早く帰る」選択をしています。
 
 2022年にアメリカで発信された言葉とされている「静かな退職者」
 意味するところは・・・
 
 会社を辞めるつもりはないものの、がんばって、がんばってがむしゃらに働くのではなく、出世を目指すのでもなく、最低限度のやるべき仕事をこなす働き方をする人
 
だそうです。成果につながらない無駄な仕事はせず、もちろん定時に帰り、さらに、意味を感じない職場の飲み会にも参加しません。そのかわり、家族との時間を優先し、共働きであれば、互いに家事育児を分担し、趣味の時間などを楽しみます。
 どちらかが死ぬほど働いて、そこそこの昇進、給料アップにつながるより、バランスよく互いに仕事をしていくことで「世帯年収」も増え、互いのメンタル的にも安定する・・・そんな働き方、家族像が見えてきます。
 
 もちろん、仕事は、長い時間をかけて覚えて、うまくなっていくところもあるので、日本型の働き方にも良さもあります。
 ただ、全員が「早く帰りたいけど、給料は上げてほしい」と望んでも、会社が立ち行かないことは経営者じゃなくてもわかります。

社会的な「成功」と幸せは別ものです。

「成功」と「幸せ」について考えさせられる、こんな話があります。
 
 
ハーバード大学のビジネススクールを卒業した旅行者が、漁師と出会います。
 
「おっ、釣りですか。結構、釣れましたね。その魚を釣り上げるのに、どれぐらいかかったのですか?」
 
 「う~ん、ついさっきだから、数時間ぐらいかな」
 
「そうですか。なら、朝から釣るとか、夕方まで釣るとかして、長く海に残って、何でもっと魚を捕らないんですか?」
 
 「うん?家族が必要としている分があれば、それで十分さ」
 
「では、仕事(釣り)以外の時は、何をして過ごしているんですか?」
 
 「遅くまで寝て、魚を少しばかり捕って、子供と遊び、妻と一緒にゆっくり昼寝をして、夕方ごろには村に散歩に出て、仲間たちとワインを片手にギターを弾いて楽しむね。本当に充実した毎日だよ」
 
 旅行者は鼻で笑いながら・・・
「私はハーバード大学を卒業してMBA(経営学修士)を取得したコンサルタントです。あなたにアドバイスするとしたら、まず、もっと漁をする時間を長くとるべきです。そして、大きな漁船を買ってください。そうすればもっと魚を獲れるようになります。それでお金がたまれば、さらに大きな船を買えます。もっと言えば、仲介業者を挟まず、獲れた魚は加工業者に直接出荷して利益を増やす。最終的には、自分で加工工場を建てることができれば、さらに利益が出て、こんな小さな漁村から出られますよ」
 
 「で、それはどれぐらいの時間がかかるんだ?」
 
「まあ、20年ぐらいですかね」
 
 「で、その20年後はどうなる?」
 
「自分の会社を株式公開して、自社株を大々的に売り出すんです。そうすれば、一気に億万長者です!」
 
 「う~ん、なるほど。で、億万長者になった後はどうする?」
 
「そしたら、稼いだお金で、悠々自適な生活ができますよ!好きなことをしてのんびり生活できますよ!例えば、遅くまで寝て、魚を少しばかり捕って、子供と遊び、妻と一緒にゆっくり昼寝をして、夕方ごろには村に散歩に出て、仲間たちとワインを片手にギターを弾いて楽しんだりできるでしょうね!!」
 
「いや、私、今そういう生活してますから!!」
 
 
 資本主義、お金についての「皮肉」の話かもしれません。
 あるいは、何のために努力したのか、どうして成功したいのか、幸せについて見つめるための話かもしれません。
 
 私は、この話を読んで、ある意味、旅行者も間違ったことは言っていないと思いました。

結果はどうあれ、「今に夢中になっている時間」は幸せであると思います。

 そして、「成功」しなきゃ、幸せになれないわけではありません。
 成功と幸せは別ものです。 
 「成功」は結果ではなく、プロセスと考えれば、今を夢中になっている漁師(釣り)も億万長者(ビジネス)も幸せです。そこに、優劣はないです。
今の自分が何に価値を置いているか、それだけの差だと思います。
 漁師も釣りに飽きたら、別の仕事をするでしょう。
 億万長者になっても、お金を稼ぐことに夢中になれて楽しいなら、仕事を辞めずに、お金を稼ぐことにより精を出すでしょう。 

夢中になる時間を、人生の中でたくさん持てる事こそ「幸せ」であり「成功」であるのかもしれません。

 日本の1970~80年代は、男性の長時間労働が常態化し、残業手当がつくことで、高い年収を得て、男性が家計を支えるという分業が機能していた時代です。
 日本経済の安定的な成長に貢献し、一つの「成功モデル」にもなりました。
 しかし、1990年代、バブルが崩壊し、時代が変化しても、「過去の成功モデル」や「(男性として)こうあらねばならない」に縛られることで、苦悩する男性が増えました。
 実際、男性の自殺者は1998年から急増し、2010年ごろまで、2万人を超える高い水準で推移しています。今でも女性の2倍の数になっています。
 かつてのような「全員が頑張れば頑張っただけ給料が上がる」という右肩上がりの幻想、「滅私奉公」にとらわれることで、「疲れ」がひどくなります。その疲れが常態化し、一線を超えてしまうことで、メンタル疾患や過労死が増えることにつながります。
 
 これからは、働き方改革、賃金上昇なども大切ですが、自分らしい「幸せ」「成功」を、自分で見出していく時代になっていく、自分らしい幸せが何かが問われていくのかもしれません。
 
 
 
ここまで読んでいただき、ありがとうございます
皆様の心にのこる一言・学びがあれば幸いです