ダークファンタジーで、歌舞伎のその先へ。歌舞伎NEXT『朧の森に棲む鬼』松本幸四郎版
映画『国宝』で話題になったのは、上方歌舞伎の古典もの。劇団☆新感線のダークファンタジーを歌舞伎で仕立てた、歌舞伎NEXT『朧の森に棲む鬼』。
従来の歌舞伎の先を行く歌舞伎だと感じました。
歌舞伎NEXT『朧の森に棲む鬼』
劇団☆新感線×歌舞伎
劇団☆新感線と松竹・歌舞伎の強力タッグ、歌舞伎NEXT。
作:中島かずき
演出:いのうえひでのり
主演:松本幸四郎
です!
『朧の森に棲む鬼』は、劇団☆新感線で上演されたものを、同じ松本幸四郎さん主演で歌舞伎NEXTとしてマッシュアップしたものです。
令和6年12月に新橋演舞場で上演されたものが、シネマ歌舞伎になりました。さらに舞台ではできない演出が、映像作品になることで加わります。
ダークファンタジー×歌舞伎の親和性
今作はダークファンタジーです。果たして歌舞伎との親和性、というところですが。めちゃくちゃキレイにハマっています。そもそも歌舞伎には妖怪変化や亡霊・悪霊がいっぱい出てきます。花道にある「すっぽん」(役者が上下するための小型の昇降装置のこと)は、この世のもの以外のものが出たり消えたりする演出です。
劇団☆新感線によるダークファンタジーの金字塔(なんですよね?)と、歌舞伎が合わさるわけです。しかも新感線版の主役も、同じ松本幸四郎さん(当時は市川染五郎さん)だったんですから。
演じるほう(役者さんだけじゃなくて)も相当な覚悟だったのは想像に難くないよね。
シェイクスピア×歌舞伎
あからさまなネタバレは憚られるので控えますが、シェイクスピアをもとに作られていて、そこに歌舞伎の要素が散りばめられています。
はい。私はパンフレット見るまでサッパリ分かりませんでした😝
いやいや!大丈夫!
それは通の人がニヤッとして楽しむ要素で!
パンフレットにちゃんと書いてくれてます!
シェイクスピアも歌舞伎も新感線も知らなくても、絶対に楽しめるから!
お腹いっぱいになるから間違いなく!
日本語がしゃべれる人なら大丈夫!
ちょっとだけあらすじ
乱世の中、落武者狩りで生き延びてきたライ。弟分のキンタの制止も聞かず、妖しげな「オボロの森」に踏み込み、魔物たちと契りを交わす。
ライという名の男の舌に、この世の正義は奪われた……
弥三郎の感想
もう無理。オナカいっぱい。
まさかの上映時間は3時間半です。
途中で10 分休憩が入ります。
正直、見てて
「え?これ、前後編あるやつ?」
と思いながら見てたら休憩が入りました(笑)。
登場人物や伏線がいっぱい入ってるから、これが全部回収されていくのか不安になるほどでした。
もちろん回収されていくんですが、結末は簡単には訪れません。
見てる側が「もう勘弁して!」って音を上げるくらいにオナカいっぱいになりました。
しばらく放心状態です。
11時スタートの14時30分終わりでしたが、空腹も忘れて見入ってしまいました。
見終えてトイレ済ませたら途端に空腹に襲われました😆
新感線の世界観
私、劇団☆新感線はゲキシネの『蒼の乱』しか存じません。それもけっこう前に観たので、はっきりは覚えていません😅
ただそのときも、勢いに圧倒されたことは覚えています。
今回も歌舞伎ではありえないテンポの速さに、炸裂するギターサウンド。
合間で散りばめられた笑いどころ。
うん。「いわゆる歌舞伎」ではない。だけど確実に歌舞伎の線上にある存在です。
パンフレットでもどなたかが言ってたけど、いずれ歌舞伎として認識されるだろうという感じ。
まちがいなく歌舞伎だとは思うし、だけどシェイクスピアらしいし、どう表現したらいいのだろうか。
私が好きな歌舞伎のポイントは、人の弱さや醜さを描いているところ。今作でもその要素はもう存分に、というよりむしろメイン要素として扱われています。
そしてその弱さに振り回され、周りは巻き込まれ、物語が加速してブレーキが効かなくなってしまって、行くとこまで行ってしまう。
こう書いてしまうとものすごく陳腐になっちゃったけど😅
劇団☆新感線ですから!!間違いないから!!
歌舞伎役者の存在感
劇団☆新感線の人気作を、歌舞伎NEXTに刷り直した今作の見どころは、やはり歌舞伎役者さんたちの演技。とくに女形の演技でしょう。
役によっては新感線版では女性だった役を、男役がしてるパターンもあります。
歌舞伎役者の身体能力の高さは、何度見てもホレボレしてしまいます。立ち回りもカッコいい!
演出はいのうえひでのりさんが実際に演技して指導されているそうで、1ヶ月かけてみっちり稽古するのだとか。
古典歌舞伎の立ち回りは、舞踊・様式美の要素があるから(だと思う)当たらない距離で刀を振るけど、今作は近い近い近い!!
澤瀉屋のスーパー歌舞伎もだいぶ近いけど、もっと近いような😳
これを毎日舞台で演ってたの?まじ?
身体を壊すよ😱
セリフの量も尋常じゃないし、見てるこっちが疲れるほど。あーもうオナカいっぱい勘弁して。
ダークファンタジー×歌舞伎の親和性
今作はダークファンタジーです。果たして歌舞伎との親和性、というところですが。
めちゃくちゃキレイにハマっています。
そもそも歌舞伎には妖怪変化や亡霊・悪霊がいっぱい出てきます。花道にある「すっぽん」(役者が上下するための小型の昇降装置のこと)は、この世のもの以外のものが出たり消えたりする演出です。
劇団☆新感線によるダークファンタジーの金字塔(なんですよね?)と、歌舞伎が合わさるわけです。しかも新感線版の主役も、同じ松本幸四郎さん(当時は市川染五郎さん)ですから。
演じるほう(役者さんだけじゃなくて)も相当な覚悟だったのは想像に難くないよね。
亀蔵さーーーん!!(泣)
片岡亀蔵さん出てます。
昨年、火事で急逝されました。
喋る前から目を引く存在感、声だけでも分かる"ただ者じゃない"迫力、唯一無二の役者さん。
松本幸四郎さんや尾上右近さん、中村時蔵さんに坂東新悟さん、そして市川染五郎さん。
二枚目と娘方だけじゃ芝居は成立しない。
亀蔵さん、猿弥さん、彌十郎さんといった脇を固めた役者さんたちの存在感が際立っています。
(念のために書いておきますが、皆さんカッコいい役も当たり前にお務めされます)
パンフレットに寄せられた亀蔵さんのお言葉は、涙なくしては読めなかったよ……😢
あとがき
尾上松也さん版もあります
もうひとつの大きな挑戦が、主役のダブルキャスト。
尾上松也さんが主役を務めるバージョンが、今月末にシネマ歌舞伎でかかります。
幸四郎さん版に松也さんは短い場面で出ていて、お二人の役どころが入れ替わる形です。
パンフレット見てるとやっぱり観たくなるけど〜
オナカいっぱいすぎて、いまはちょっと考えられないくらい😵
尾上松也さんは、若手のまとめ役になってるってどこかの記事で読んだ記憶があります。
坂東新悟さんや中村時蔵さんはじめ、まさにその仲間連中がいっぱい出てるだけに注目です👀
尾上松也さん、同世代として応援したい✨️
寝不足は厳禁!!
展開が速いので、うっかり集中が途切れると味わいきれません。前日はしっかり寝ておいて、集中マックスで浸ってみてください。
めっちゃ疲れますから😵
途中で10分休憩もありますから、トイレもご心配なく。
時間も空腹も忘れるファンタジー体験を、味わってみませんか?
めっちゃダークですけどね🤪
