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壽 初春歌舞伎特別講演 昼夜通し観劇してきた

今年の五月で閉館が決まっている大阪松竹座、最後のお正月公演です。お正月らしい華やかな演目、映画『国宝』の影響もあるのかな?
せっかくなので、昼夜通しで観劇しました✨️

昼の部!!

『菅原伝授手習鑑』車引

梅王丸と桜丸、松王丸の三兄弟が出てくる有名な古典の一幕。
衣装の豪華さが、これぞ歌舞伎!な演目。中に着てる襦袢の梅や桜の刺しゅうが本当に豪華で、空気がパッと変わるのが気持ちいい。

梅王丸は中村歌之助さん。勢いの良い江戸歌舞伎らしさがワクワクさせてくれる。
桜丸は上村吉太朗さん。はんなりとした和事の所作が美しい。
この二人の対比が見ていてとても見事で、
「古典歌舞伎ってやっぱりよく出来てるなぁ」と思わせてもらいました。

『祇園祭礼信仰記』金閣寺

こちらも古典歌舞伎の有名どころ。
「古典歌舞伎の三姫」のひとつ、雪姫が出てくるお話で、雪姫は水墨画の大家・雪舟の孫。雪舟にまつわる演出が面白い。

こちらもなんといっても演出が華やか!!
花吹雪のシーンはまさに息を呑む美しさで、呑んだ息が溜め息になって松竹座を満たしていました。
あの空気はスクリーンじゃ味わえないね。

主役の松永大膳は中村鴈治郎さんで悪役。
雪姫は鴈治郎さんの長男・中村壱太郎さん。
此下藤吉には片岡愛之助さん。

初体験の金閣寺、堪能しました!
三姫と言われるだけあって、壱太郎さんは大熱演。
鴈治郎さんの悪役好きやわぁ!!

らくだ

古典落語の大作を歌舞伎に仕立てたお芝居。長屋の鼻つまみもの「らくだ(人名)」がフグに当たって死んでしまったところから始まる物語。
前日にらくだと食事を共にしながら運よく生き延びた熊五郎と、運悪く?通りかかった弱気な紙くず屋久六のドタバタブラックコメディ。

熊五郎は片岡愛之助さん、久六は市川中車さん、らくだは中村亀鶴さん。
中車さんは関西弁のお芝居ちょっと?なとこがあったけど、大熱演でした。この役は本当に難しいと思う。なんせシネマ歌舞伎版がえげつなく面白いからね😅
鴈治郎さんが長屋の大家さんで、猿弥さんがその奥さんってのがまた良かった。あのシーンは劇場内もれなく大爆笑でした。

『らくだ』、シネマ歌舞伎では中村勘三郎さん・坂東三津五郎さん・片岡亀蔵さんの配役で見られます。
今回は大阪松竹座の公演だけに、関西仕立てでちょっと演出がちがうのが嬉しい!
まさにライブの醍醐味です😁

夜の部!!

『女鳴神』龍王ヶ峰岩屋の場

元は市川團十郎の十八番のひとつ『鳴神』を、女版に書き換えられています。

鳴神尼さんを演じるのは、片岡孝太郎さん。
品のあるお芝居が良かったのと、そこから押し殺していたものがうずき出して、我を失っていくさま。
怖いと言うよりどこか哀れに感じてしまって、それがまた物語の味わい深いところ。

鴈治郎さんがイケメン役🥰
お役目のためとはいえ、罪な男よ。

そもそもこの尼さんは、お父さんが戦国武将だったのが討たれて身分も失ってしまったひと。親の仇を呪うために尼さんになった経緯があります。
気の毒な身の上だったところになぁ……と思うとやりきれなさがあるけど、それを描くのも歌舞伎の良さだと私は思っています。

『仮名手本忠臣蔵』祇園一力茶屋の場

こちらも古典の有名どころ。
大星由良之助を演じるのは片岡愛之助さん。
芸者おかるは中村壱太郎さん、おかるの兄・平右衛門を中村種之助さん。

本当に気のせいかもしれないけど、愛之助さんの発声が仁左衛門さんを意識してるような気がして胸がいっぱい。考えすぎかもしれないけど。
愛之助さんの舞台はおそらくほかの役者さんよりずっと多く見てると思うけど、明らかに発声が違っていました。
もちろん役の年齢が高くてしかも家老の役だから、どっしり太い声でゆったり話すのは「そりゃそうだろ」なんですけど。
愛之助さん、良かったです🥺

平右衛門とおかるの兄妹のやりとりも見応えがありました。悲しすぎる事実を知らぬまま純真無垢に胸をときめかせていたおかる、その姿を見てとても伝えられないと葛藤する平右衛門。

おかるの心情を芝居の仕草でありありと見せてくれた壱太郎さん、やっぱり好きやわぁ💐

平右衛門の元気の良さ、立ち回りの勇ましさ、妹を思う兄の心情描写、どれも良かったです。種之助さん、良いお兄さんでした!(でもご自身は次男ですよね🤭)

『京鹿子娘道成寺』鐘供養より押戻しまで

来ました『国宝』でも話題になった娘道成寺。
こちらのお話は、安珍清姫の事件で焼けてなくなってしまった鐘を新調して、お祝いじゃぁ~ってとこからスタートします。
舞台には紅白の幕、鐘を吊る綱も紅白になってて絵面が思いっ切りおめでたい✨️
こりゃぁ初春のお祝い演目にも良いね!!

安珍清姫事件から女人禁制になった道成寺に、白拍子(踊り子さん)がやってくる。本来は女人禁制だったところだけど、
「お祝いの舞を奉納させて欲しい」なんて言われたらねぇ。お坊さんたちも人の子ですわ🤣

白拍子は中村壱太郎さん。
お祝いの舞を奉納ってことで、場面場面で踊りの空気がくるくる変わって面白い!!
なんといっても衣装の華やかなこと!!

後見さん(お手伝いする人、主にお弟子さん)が舞台上で着物から赤い糸を引き抜いたと思ったら、パァッ!!と衣装が変わって踊りが次の場面に進んでいくわけです。
着物の色味や柄の雰囲気と、踊りの振り付け(踊る役の設定)がリンクして世界観を彩ります。
いろんな女形踊りのダイジェストを見てるような感覚で楽しませてもらいました。

そしてラストは押戻し。
花道からオっトコマエのスーパーヒーローが現れて、妖怪変化を退治します。
最後のいいところを持っていくのは座頭の役目ですね。成駒家ぁ!!

通し観劇した感想

長い!?でもイケるやん!!

タイムスケジュールはこちら。

◆昼の部
『菅原伝授手習鑑』車引
11:00-11:30
幕間 30分
『祇園祭礼信仰記』金閣寺
12:00-1:35
幕間 25分
らくだ
2:00-2:50

◆夜の部
『女鳴神』龍王ヶ峰岩屋の場
4:00-5:00
幕間 20分
『仮名手本忠臣蔵』祇園一力茶屋の場
5:20-7:00
幕間 30分
『京鹿子娘道成寺』鐘供養より押戻しまで
7:30-8:40

公式サイトより。これを見て弁当のタイミング、おやつのチョイスを考えておく😋

ざっくり11時から21時ですね。
通しで見るなんて我ながらアホちゃうかと思うけど、これを1月7日から25日まで毎日(休演は16日、たった一度🙄)演じてる役者さんもどうかしてるよなぁ……

でも観てるほうはワクワクしながら観られるし、古典はある程度筋書きも分かってるから、一瞬ウトウトしたって大丈夫です(笑)
そもそもシナリオは全部番附(パンフレット)に書いてありますから!!

ちなみに次の次の日の朝、思いっ切り首を寝違えました😵さらに次の日、腕立てしてたら反対側もスジを違えました🤣
疲れと寒さかな!?なんでもええわ🤪

あの場にいることの価値

シナリオが書いてあるのに、わざわざ行く意味があるのでしょうか。
その意味は、観てみなきゃわかりません😤
観たってハマるかどうかは別問題ですし。

私はガッツリハマったし、シナリオが全部わかってても楽しめるタイプなので、何度でも行きたいです。
(ちなみに好きな漫画や映画も何度も見ちゃう方です。妻は無理みたい🙄)
そもそも古典にネタバレもなにもねぇ……

舞台は映画や漫画とは違ってナマモノですし、現場でしか味わえない空気感があるんですよね。思いっきり見切れてる席だったけどね。

昼の部の席。舞台の右側3割くらい見切れてる。
2回目の休憩のタイミングでお客さんちょっと外に出てる状態です。
夜公演の席、花道はほぼ見えない。
立ち上がってやっと真上から花道を見るような位置。
最終演目の始まるちょっと前。

見切れててもいいの!安いから!
座高高いマンには、後ろにお客さんがいないことが重要なの!
おかげで疲れ方も大したことなかったしね。

歌舞伎って芝居だけじゃなくて、音楽もあります。生演奏です。
御簾のむこうで演奏する場合もあるけど、道成寺は演奏家たちが舞台の奥にずらっと並んでいます。三味線の見せ場もあって、あれを生で聞ける(もちろん見える)のってタマランですよ。

芝居でもお香の香りがしたり、踏み鳴らす振動がきたり、花道すぐの席なら袴の裾がフワッと当たったり。
その場にいてこそ味わえる、ライブの良さです。

昼夜通しでこその発見も

いつもは昼だけor夜だけ行って満足していましたが、新たな発見がありました。
昼公演と夜公演がリンクしているんです。
昼公演の『金閣寺』の主役(悪役)は、金閣寺の物語のあとで討たれてしまいます。で、その討たれた悪役の娘さんが夜公演『女鳴神』の主人公・鳴神尼なのです。
それだけでなく、夜公演の演目の曲を、昼公演の舞台の演出に引用しているシーンもありました。
(言われなきゃ分からないけど、イヤホンガイドが教えてくれます。)

番附は昼夜共通で両方の演目内容が載っています。自分が見ていないほうの公演の詳細は見ていませんでしたが、こんな仕掛けがあったとは。
番附コレクションも見返してみないとなぁ🧐

客席の雰囲気も昼と夜でちょっと違いました。
昼はほんとに賑やかで、拍手の反応が良くて盛り上がりました。
夜はちょっと大人しかったかな?頑張って拍手しました😊
着物のお客さんは、夜のほうが多かったかも?着物良いよね😍

あとがき

パーティー気分で参加!!

今回の公園は、『ことほいで 初春歌舞伎特別講演』ということですので、お祝いの席(=パーティー)です✨️
ちょっとお洒落して行くのが良いですね。

紬の着物も良いけど、柔らかものでキメると尚イイ感じです(自分で言う)。
帽子もハンチングじゃなくて中折ハットで。
足袋もコール天・別珍よりも繻子で。
履物も下駄やブーツより草履がいい感じ。
はい、どうでもいいですね。でもお洒落ってそういうもんだから。
場の雰囲気が盛り上がるように花を添えるような気遣いです。

ぼさーっとしてパッとしないのより、キリッと男前のほうが良いでしょ。

地下鉄の駅で、素敵ですねって声かけてもらった✨️
ポイントは袖口にチラリと見える、朱鷺色の八掛け🍑

キリッとした格好してたら、ダサイことできないからね。
こぼさないようにゆっくり気をつけて食べたりして😅

男の着物が好きな女性、多いと思うのですよ。
かっこいい男が増えたら、きっと素敵な女性が増えるでしょ?
(素敵な女性が増えたら男は絶対に頑張っちゃう。これは間違いない😤)
日本を元気にするために、私は着物を着ます。大げさやけど本音です😎

昼夜通しも怖くない!!

通しで見られたことで自信になりました。
松竹座のサヨナラが近づいてるだけに、行けるだけは行きたいと思ってるけど、夏以降はどうなってしまうのか……
博多座とか東京の公演にも、いつかは行ってみたい。わざわざ行くなら通しで見るとか、新歌舞伎座と新橋演舞場ハシゴとかしてみたい😍

そのためのリハーサルになって良かったなぁと思っています🤭

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