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独立社労士の「最初の1件」はどう生まれるのか_売り込む前に信用をつくるための行動

「独立したら、どうやって仕事を取ったらいいですか」

これから社労士として開業する方にとって、一番気になる質問の一つだと思います。

私も独立した当初から、仕事が次々と舞い込んできたわけではありません。

資格を取った。

登録した。

名刺もある。

社労士を名乗ることもできる。

でも、それと、

「あなたにお願いしたい」

と言ってもらえることは、別でした。

今振り返ると、独立当初に必要だったのは、巧みな営業トークではなかったように思います。

まず必要だったのは、

自分という人間を知ってもらうことでした。

開業しただけでは、誰も自分を知らない

独立すると、自分の中では大きな変化があります。

今日から事業主です。

今日から自分の看板で仕事をします。

ところが、周りの人から見れば、何も変わっていないことがあります。

そもそも、

社労士になったことを知らない。

何を頼める人なのか知らない。

どんな人なのか知らない。

それでは仕事をお願いしようがありません。

開業当初の私は、社労士会の活動に参加したり、異業種の方が集まる場所へ出たりしながら、人との接点を増やしていきました。

今であればSNSという方法もあります。

ただ、方法は違っても、本質は同じだと思います。

仕事を頼まれる前に、存在を知ってもらう必要がある。

当たり前ですが、ここを飛ばすことはできません。

1.「仕事をください」より、まず人に会う

開業すると、すべての出会いを営業につなげたくなることがあります。

名刺交換をした。

会社経営者だ。

「顧問先になってもらえるかもしれない」

そう考える気持ちは分かります。

でも、最初から仕事を取りにいく雰囲気が強いと、人との関係が苦しくなります。

私は、

「仕事を探す」より「人を知る」

くらいから始めた方がいいと思っています。

何をしている会社なのか。

どんなことに困っているのか。

どんな考えで経営しているのか。

まず相手を知る。

そして自分のことも少しずつ知ってもらう。

仕事の話は、その後からでも遅くありません。

2.小さな役割でも、引き受けてみる

独立当初は、実績がありません。

だからこそ、社労士会などで参加できる活動や、地域の中で関われる役割があれば、無理のない範囲で手を挙げることも一つです。

地域や時期によって異なりますが、行政からの委託事業や相談業務などに関わる機会がある場合もあります。

私自身も独立当初、こうした場との関わりを通じて経験を増やしていきました。

ここで得られるのは、お金だけではありません。

他の社労士の考え方を見る。

実際の相談に触れる。

自分が分からないことに気づく。

相談できる人が増える。

一つひとつが、開業後の土台になります。

独立したからといって、一人ですべてを抱える必要はありません。

むしろ最初ほど、

頼れる人をつくることも仕事の準備

だと思います。

3.最初の1件では、件数より「頼んでよかった」を目指す

今回、独立を考えている方にも伝えたことがあります。

「まず、最初の1件を大切にしてください」

開業すると、売上目標を考えます。

顧問先10社。

20社。

月商○万円。

もちろん事業ですから必要です。

でも、まだ1件目がない段階で10件目の心配をしても仕方がありません。

まず、一人。

まず、一社。

仕事をいただいたら、一生懸命考える。

分からないことは調べる。

必要なら人に聞く。

期限を守る。

返事をする。

説明できないことを曖昧にしない。

相手の話を丁寧に聞く。

派手ではありません。

でも、最初の頃ほど、この当たり前が大切です。

目標は、

「この書類ができた」

ではなく、

「この人に頼んでよかった」

と思ってもらうことです。

4.紹介をお願いする前に、紹介したくなる仕事をする

「紹介を増やすには、どうすればいいですか」

これもよく考えるテーマです。

紹介カードを作る。

紹介キャンペーンをする。

取引先にお願いする。

いろいろな方法はあります。

ただ私は、その前に、

人に紹介したくなる仕事ができているか

を考えたいと思っています。

誰かを紹介する側にも責任があります。

「この人なら大丈夫」

と思えなければ、大切な知人を紹介しにくい。

反対に、

対応が丁寧だった。

話をよく聞いてくれた。

分からないことを適当に答えなかった。

困ったときに助かった。

そんな経験があれば、

「社労士を探しているなら、あの人に聞いてみたら」

という一言が生まれます。

私は、口コミというのは営業テクニックというより、

仕事が終わった後に残った評価

なのだと思います。

5.仕事を頼んでいない人も、意外と見ている

長く仕事をしていると、不思議に感じることがあります。

直接仕事を依頼されたことがない方から、突然声がかかることがあります。

「以前から頑張っているのを見ていました」

「○○さんから話を聞いていました」

「いつかお願いしようと思っていました」

自分の知らないところで、人は見ているのだと思います。

もちろん、

「頑張っていれば必ず仕事が来る」

と断言できる根拠はありません。

事業ですから、努力だけではどうにもならないこともあります。

それでも私は、

一生懸命仕事をしている人には、また仕事がつながっていくことがある

と感じています。

理由を考えると、少し分かります。

依頼してくれた人が評価する。

その人が誰かに話す。

近くにいた人も仕事ぶりを見る。

何かあったときに思い出してもらう。

そして、ある日仕事につながる。

信用は、その日に売上にならなくても蓄積されています。

開業当初に怖いのは、「何も起きていないように見える時間」

人に会った。

仕事にはならなかった。

交流会へ行った。

契約にはならなかった。

社労士会へ参加した。

顧客は増えなかった。

開業当初は、こんな時間があります。

そのたびに、

「意味がなかったのではないか」

と思います。

でも、人との関係はその場で結果が出るとは限りません。

半年後かもしれない。

3年後かもしれない。

その人ではなく、その人から紹介された別の人かもしれない。

だから私は、目の前の行動を、

「今日売上になったか」

だけで判断しない方がいいと思っています。

最初の1件は、突然現れるようで、突然ではない

振り返ってみると、

「突然、仕事の依頼が来た」

ように見える出来事の前にも、何かがあります。

以前会っていた。

誰かが話してくれていた。

活動する姿を見てもらっていた。

別の仕事を丁寧にしていた。

信用の小さな点がいくつもあって、ある日線になる。

そんなことがあります。

だから、これから独立する方に私が伝えたいのは、

「とにかく営業してください」

だけではありません。

人に会う。

小さな役割を大切にする。

目の前の1件を丁寧にする。

人から見られていないところでも真面目に仕事をする。

その積み重ねも、立派な顧客開拓です。

焦って10件を追うより、まず1件

社労士の仕事は、さまざまな人に向き合う仕事です。

法律を確認する。

制度を説明する。

書類を作る。

でも、その先には必ず人がいます。

困っている経営者。

判断に迷っている担当者。

不安を抱えている働く人。

一人ひとりに誠実に向き合う。

私は、それを続けることが、結局は次の仕事につながっていくのだと思っています。

焦って10件を追うより、まず1件。

その1件にどう向き合ったかを、依頼者はもちろん、意外と周りの人も見ています。

独立したばかりで仕事が少ないときは、不安になると思います。

私にも、最初から十分な仕事があったわけではありません。

だからこそ、その時期にしかできないことがあります。

人に会う。

学ぶ。

経験する。

目の前の仕事に時間をかける。

そして信用を一つずつ残す。

最初の1件は、単なる「売上1件」ではありません。

その後の仕事のつながり方を教えてくれる、大切な最初の一歩なのだと思います。

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smile 社労士・キャリアコンサルタント・産業カウンセラー・コーチ、複数の視点から一つの悩みを見るよう心がけています。この記事が、貴方や会社の判断を少し楽にできていたら幸いです。