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ときどき東照宮【毎週ショートショートnote】

車の後部座席でいつの間にか眠ってしまっていた。激務で睡眠時間が削られていたせいだ。

もうすぐ到着するみたいだ。目を覚ますために窓を少し開けると、皮膚を刺すような冷気が車内に入り込んできた。日の出の時刻はまだ先で、日中ならば渋滞必至の都心の国道を走っていた。

短い時間ではあったが、ときどき現れる猫の夢を見ていた。

気持ちよさそうに寝ていた猫が突然目を覚ました。近くで遊んでいた雀が逃げるように飛び立った。上空で雀が、恨めしそうに話をしていた。

『せっかく楽しく遊んでいたのに』
『猫が安心して眠っていてくれたらいいのに』

猫は警戒して背中を丸め、毛を逆立ててこちらを睨んでいた。

『図体のでかい男のせいで、騒がしくて眠れやしない』
「交代したから安心して」

『あの男は異国との評定が下手だったな』
「たしかに、そうね」

『安心して眠れる太平の世にしてくれ』
「わかったわ」

猫は再び眠り、雀は猫のそばで遊びだした。

「総理、公邸に到着しました」

(410文字)



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