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ドイツ一人旅_回廊からのドナウの眺め_07_04【海外旅行】

前の話  プロローグ  7日目01

1999年冬 7日目 レーゲンスブルグ

周りの風景とは不釣り合いなパルテノン風の神殿が建っていた。

僕は正面に回り神殿の入口を見つけたが閉まっていた。どうやら今日は休館日らしい。確かに周りを見渡しても誰もいない。

少々がっかりはしたが神殿が目的ではなかったので、さっさと通り過ぎてドナウ川に面した回廊の階段に座った。


『果てしない緑の野にドナウ河が流れていた』

『ドナウは弧を描いたあと、そこからまるで広大な空へと昇っていくかのように真っすぐ延びていた』

(ドナウの旅人(上) 『牧歌』より)


そこからの景色は確かに素晴らしかった。

しかし感受性の乏しい僕はそれ以上でもそれ以下でもなく、これまで見た景色の一番かと問われればそうではないと思った。正直、ケルンで見た大聖堂の方がよっぽど感動した。

それに景色よりも「それほど広くない川幅なのに、よくもまあ巨大な船が浮かんでいるな。結構深いのかな?」とか「土手といったものがまるでなく、洪水になったら一面水浸しだな」とか現実的なことを考えてしまう。

まあ、そこが作家との感受性の違いなのだろう。それでも15分程ぼんやりと景色を眺めていた。

僕はよっこらせっと立ち上がりドナウ川に続く階段を降りていった。麓の幹線道路にたどり着くとそこにバス停があった。

「なんだ、真下にバス停があったのか…」

それにヴァルハラ神殿なんか遠くから見えるわけで、確認してからバスの降車ボタンを押しても遅くはないのだった。後悔しても仕方がないのだが、そんなことを思いながら中央駅に向かうバスを待っていた。



次の話 (表示されない場合は次回更新までお待ちください)

回廊から見たドナウ川上流の景色
回廊の真下にバス停があった

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