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ハチミツは_13🎙️【追憶食堂】【シロクマ文芸部】

( 前 話 / 登場人物と目次 )


「ハチミツはありだけど、そこに黒胡椒をかけてアレンジするとは意外だったなぁ。是非、バニラアイスにハチミツと黒胡椒をトッピングして食べてみてください。

さて続いては、ナオキさんから依頼を頂いた『とんかつ公望』のアジフライの案件です。

『とんかつ公望』の店主の息子さんから直接メールが届きまして、アジフライを再現して頂けることになりました。そして先日、実際にナオキさんのお父様の記憶に間違いがないか実食して頂きました。実食した場所は『とんかつ公望』の店主の息子さんが経営しております、春日部にあるイタリア料理店『ロッソ』になります。

当日の様子を録音してきましたので、お聞き頂きたいと思います」

「現在、春日部にありますイタリア料理店『ロッソ』に来ております。ナオキさん、お父様、いよいよですね」
「楽しみです」
「なんだか緊張してきました」

「それでは、店内に入ってみたいと思います。こちらが今回アジフライを再現して頂きます、リョーマさんです。本日は宜しくお願いします」
「こちらこそ、宜しくお願いします」

「店名の『ロッソ』はイタリア語で赤を意味しますが、その名の通り、赤を基調としたオシャレな店内です。黒板にはチョークでイタリア語と日本語のメニューが書かれています。4人掛けのテーブルと椅子は白い木材が使われております。こちらに座ってよろしいですか」
「はい、そちらにお座りください。いま、料理を運んできますね」

「さあ、いよいよアジフライが運ばれてきました。存在感のある大きなアジフライが1枚、細かく千切りにされたキャベツの上にのってやってきました。どうですか?このアジフライで間違いないですか」
「どう、親父?」
「この大振りのアジフライ、懐かしいなぁ」

「それでは、食べていただきましょう」
「親父、食べてみてよ」
「それでは、いただきます。うん、うん。ふわっふわだ。衣はサクサクなのに、身はふわふわなんだよな。はい、このアジフライで間違いありません」

「やりました。今回、見事にナオキさんの依頼に応えることができました。ナオキさんも是非、お召し上がりください」
「では、いただきます。うわー、ほんとにふわっふわだ。淡泊なのに、なんでこんなに味がしっかりしているんだろ」
「な、うまいだろ…、…っう、うぅ…。すみません…」

「お父様の目がちょっと潤んでおります」
「親父、泣くなよ」
「すみません。自分が子どもの頃は貧しくて、外食なんて夢のようでした。結婚して、直輝が生まれて、家族で初めて行ったのが『とんかつ公望』だったんです。ああ、自分は家族を連れて外食ができるようになったんだなって…」

「ご苦労されたんですね」
「…」
「直輝にも家族ができて、そしてまた、直輝と一緒にこのアジフライが食べれるなんて。夢みたいです。それから、リョーマさん、ほんとうにありがとうございます。お父様の味、そのものです。とても…、とても…、美味しいです…。うぅ…。すみません…」

「はい、ということで当日の様子をお聞き頂きました。いやね、なんか、よかったね。男同士の会話っていうか、言葉数は少ないけど、気持ちがわかりあえている感じがしました。ナオキさんにとって、とてもいい親孝行ができたんではないでしょうか。番組としても親孝行をこのような形でサポートできて、とても嬉しいです。いやー、よかった」

(つづく)



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ショートストーリー?をつなげて連載中です。毎週金曜日頃投稿予定です。
目次に各話のリンクを貼っていますので振り返りにどうぞ。

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