変身磁器【毎週ショートショートnote】
目覚めるとKは灰皿になっていた。
見知らぬ二人の男が部屋に入ってきた。
応接用ソファに並んで座ると、でかい男が話しかけてきた。
「なぜ毒殺したんだ?」
(なんのことだ?)
「逮捕状が出てる。あんたには弁護士を雇って裁判する権利がある」
今度は神経質そうな男が話しかけてきた。
「黙秘、ですか?」
煙草を吸い始めると、灰を灰皿に落とした。
(熱っ!)
「あなたは以前、カップだったんです。毒が盛られていて、紅茶を飲んだ方が亡くなりました」
(関係ないだろ!)
「そのときカップが割れてしまったので、灰皿になったのでしょう」
(何の話だ?)
「その血はなんですか?」
(血がついている…)
「撲殺された方と同じ血液なんですよ」
(俺じゃない)
「あなたが決めることじゃない。決めるのは裁判官です」
(思ったことが通じるのか?)
「ええ、通じてますよ」
でかい男が立ち上がり、灰皿を持ち上げると床に叩きつけた。
灰皿は粉々に砕け散った。
…
目覚めるとKは花瓶になっていた。
(410文字)
米国ドラマ『ツイン・ピークス』でクーパー捜査官を演じた、カイル・マクラクランが主演を演じる映画が公開されると知って、見に行きました。
(もう、30年以上も前なのか…)
タイトルは『トライアル/審判』でした。原作はフランツ・カフカの『審判』です。感想はまったくもって意味不明で、正に不条理であり、モヤモヤしながら映画館を出たことを覚えています。
田原にかさんの企画に参加しています。
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