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kamei_kana1223
大嘘寺【毎週ショートショートnote】
大掃寺の和尚さんは嘘つきで、地元では大嘘寺と呼ばれている。
あの掛け軸は信長が南蛮から取り寄せたものだとか、この茶碗は利休が使っていたものだとか、見え透いた法螺を吹く。
ある日、境内で野球をしていたところ、会心の一撃で放ったボールがお地蔵様に直撃してしまい、鼻が欠けてしまった。
やばいと思ったのか、友だちはみんな逃げ帰ってしまった。僕も逃げようかと思ったが、お地蔵様に見られている気がして、正直に謝ることにした。
「ごめんなさい。お地蔵様の鼻が取れちゃいました」
「どれどれ。おっ、お地蔵様がちゃんと呼吸をしておるぞ」
「どういうことですか?」
「このお地蔵様はよく鼻水が垂れていて、毎日拭いていたんだ。鼻詰まりが治ったのかもしれんな」
和尚さんはボールを拾うと、僕に手渡してくれた。
(十数年後)
「こんにちは。お花をお持ちしました」
「ありがとう。ずずっ」
「和尚さん、鼻詰まりですか?」
「大丈夫、ボールをぶつけられたら、たまらんからな」
[410文字]
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