閏年(あとがき)【#シロクマ文芸部】
『閏年 オリンピックは 3年振り』
コロナ渦に振り回された非日常が元の日常に戻りました。その一方で非日常がそのまま日常になったこともあります。noteへの投稿もその一つです。
コロナ渦の憂さ晴らしがきっかけでしたので、もしコロナ渦にならなかったら、きっとnoteへの投稿は始めていなかったと思いますし、noterさんとの出会いもなかったと思います。なんだか不思議な縁を感じます。
昨年からショートショートの投稿を続けていたところ、小牧幸助さんが企画されているシロクマ文芸部に出会いました。毎週、冒頭の単語がお題として提供されて、自由に作品を投稿する企画です。
ところが、創作力の弱い自分には自由過ぎることで悩んでいました。もう少し縛りがあった方が発想しやすいと思い、3~4話目くらいから連載にしてみようと考えたのでした。4話目に従業員の優衣が登場してきましたので、和彰との恋愛物語もいいかなと思いました。
しかし!
恋愛経験が皆無なので、あっという間に連載が終わってしまう。できれば、10話くらいは続けたい。よし、二人の恋路を邪魔する人物を登場させようと思い、5話からタクヤに登場してもらいました。
さて、どうやって邪魔をさせるか?
優衣には親がいなくて児童養護施設で育った設定にしていたので、親のトラブルが優衣に降ってきてはどうか?親のトラブルは借金にしてみよう。親とタクヤの関係をどうするか?を考えました。
ここからは仕事でよくやる「なぜなぜ分析」を応用しました。「なぜ」という問いかけを5回繰り返すことで根本的な原因を探る分析手法 です。「なぜ」の答えは想像を膨らませました。
①なぜタクヤは親の借金を知ったのか?
→ 誰かに借金回収を強要された
②なぜ誰かに借金回収を強要されたのか?
→ 怖い人に弱みを握られた
③なぜ怖い人に弱みを握られたのか?
→ 何らかの犯罪(振り込め詐欺)に手を染めていたのがバレた
④なぜ何らかの犯罪(振り込め詐欺)に手を染めて、バレてしまったのか?
→ まとまったお金が欲しかった
→ 犯罪組織が裏でつながっていた
⑤なぜまとまったお金が欲しかったのか?
→ 推し活をするお金が必要だった
6話目のお題が「詩と暮らす」でしたので、「詩」を推し活の対象にしようと思いました。あとは「なぜなぜ分析」を逆に辿っていきました。
さて、最終話をどうするか?
せっかく物語を綴ってきましたので、最終話はどんでん返しにしたらどうだろうか?そこで思いついたのが和彰と優衣が姉弟だったという、ドラマで見かける展開でした。
1話目で和彰には実の親がいる設定にしていましたので、和彰の実の親も借金を抱えていた設定にすれば優衣と同じ親になるのではないか?と思ったのでした。
さて、登場人物が増えてきたときに「神視点」や「三人称視点」という書き方があることを知りました。正直、技法としてよくわからずに書き続けてきたのですが、神のように思える感覚はわかりました。
物語の未来を知っているのに、その時点では読者の方に話せないもどかしさや、登場人物の生殺与奪権を握っているのだなという感覚がありました。まるで疑似小説家体験でした。
ここまできてタクヤが可哀想だと思い始めました。
和彰と優衣の恋路を邪魔するためにタクヤの人生を滅茶苦茶にしてしまったという申し訳ない思いが強くなってきました。できればタクヤにも幸せになって欲しい。そこでエピローグを用意したのでした。
いつの間にか連載になっていた喫茶店『ロイヒテン』を最後まで読んで頂きましてありがとうございました。
(次回、『渋谷で17時』第1話)
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