ある日の極楽蜻蛉:ある日の春香伝23「新聞の集金」
妻は、小学校の用務員とかけ持ちで朝日新聞の集金を始めた。
月末から次の月の始めの5日間で
しかも、小学校のパートが終わるのが午後3時頃なので、それから帰宅して準備をしても午後4時には集金にとりかかれる。
夕食に一旦帰り、簡単な夕食を済ませると、また集金に出かけ、午後8時前には帰宅した。
あまり遅くに伺うことはできなかったのである。
集金のエリアは自宅団地内だけで、しかも毎日新聞が圧倒的に多く、朝日新聞はそれほどの件数は無かったが、それでも70〜80軒はあった。
妻は新聞の集金は仕事の一環であるが、それより「地域のお付き合い」
が主目的であった。
相手は主婦や身寄りの無いご老人で
話相手が欲しく、それほど時間はかけられないのだが、10分程度話相手となり、お客様の心を癒していた。
これは一種の傾聴ボランティアとも言えるであろう。

ある日のこと、妻はすぐ近所の奥さんから耳よりな情報を仕入れてきた。
その奥さんは「国民年金基金」のことを教えてくれた。
妻が55歳の時で、「国民年金基金」は60歳まで掛けられる。
私はその話を聞くや、即断した。
退職金をはたいて
年に100万円近く投入し続け、総額450万円となった。
試算してみると、妻が65歳になった時に月に25000円程度受け取れるはずである。
これは、妻が新聞配達をしたおかげで知り得た情報である。
実話を交えたフィクションです
完
