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【カフェインの功罪】 −“準ドーピング”成分との付き合い方−

序章:その一杯に、どれほどの力があるか

朝の目覚めにコーヒーを一杯。
仕事や勉強前にエナジードリンクを手に取り、眠気覚ましに頼る。
アスリートの中には、試合前にカフェイン錠剤を服用する人もいます。

こうした“日常の習慣”は、私たちの社会に深く根づいていますが、果たして私たちはカフェインの真の作用をどれほど理解しているでしょうか?

実は、カフェインはWADA(世界アンチ・ドーピング機構)によって「準監視成分(Monitoring Program)」に分類されています。このカテゴリに入る物質は、パフォーマンスを向上させる効果があることが確認されながらも、使用状況を調査・監視している段階のものです。

言い換えれば、カフェインは“いつドーピング指定されてもおかしくない成分”とも言えます。

事実、1990年代までは実際に禁止物質リストに入っていた歴史があり、一定以上の尿中濃度を超えた選手は競技結果が取り消されることもありました。その後、2004年に禁止リストから外されましたが、科学界における議論は現在も続いています。

一方で、カフェインは“劇薬”であるという意識は薄れがちです。摂り方を誤れば、副腎を酷使し、ホルモンバランスや自律神経に悪影響を与える可能性があります。特に、女性アスリートやジュニア世代においては、月経不順、睡眠障害、不安症状といった“静かなダメージ”として表れることが多く、本人も気づかないまま長期にわたって心身に影響を残す場合もあるのです。

集中力を高めたいとき。
疲れを一時的に忘れたいとき。
試合で“あと一歩”を踏み出したいとき。

たしかに、カフェインは心強い味方になるでしょう。しかし同時に、それは自分の體の声をかき消す危険なスピーカーにもなり得ます。

今回の記事では、カフェインの“功”と“罪”を冷静に見つめ直し、科学的根拠と実践的な使い方の両面から、適切な付き合い方を探っていきます。

ちなみに、私は大のコーヒー党でして…
1日二杯のカフェラテが欠かせません(笑)



第1章:カフェインは“準ドーピング”である

カフェインは、どこにでもある日常の成分です。コーヒーや紅茶、エナジードリンク、チョコレート、清涼飲料水…
さらには、市販の風邪薬や鎮痛薬にまで含まれていることがあります。

しかし、この“おなじみの成分”が、スポーツの世界では特別な扱いを受けていることは、あまり知られていません。

実際に、カフェインはWADA(世界アンチ・ドーピング機構)によって「準監視成分(Monitoring Program)」として登録されています【※1】。この分類は、使用頻度と影響の大きさを注視するものであり、パフォーマンス向上作用が科学的に証明されている物質に対して適用されます

つまり、「ドーピングに準ずる扱い」を受けているという事実だけでも、カフェインが明確な薬理作用を持つ物質であることを示しています。

■ かつては“禁止薬物”だったカフェイン

あまり知られていませんが、カフェインは1984年から2004年までの約20年間、WADAの禁止リストに含まれていた“正式なドーピング物質”でした。

尿中濃度が12μg/mL(=ミリリットルあたり12マイクログラム)を超えるとアウト。これは、個人差はあるもののコーヒー約5〜6杯分(約500mg以上)を短時間で摂取した場合に該当する可能性がありました。

2004年のルール改正により、正式な禁止リストからは除外されましたが、同年以降も“準監視成分”として追跡は継続されています。

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