最初に揃えるべき「マイ小物セット」のすすめ(肌襦袢・裾よけ・和装ブラ編)

皆さま、こんにちは。
kimono_irohaと申します。
前回に引き続き、着物をはじめて着る際に必要となる「マイ小物セット」のご紹介。今回は肌襦袢・裾除け・和装ブラの3点をご紹介します。
◉ご紹介する画像は「新宿 津田家」/UNIQLOのオンラインショップよりお借りしました
◉価格は記事執筆時点のものです
1.肌襦袢(はだじゅばん)

素肌の上に直接着る、キャミソールやインナーシャツの役割です。
着物は一度着るとなかなか洗えないもの(特に正絹の場合)。
大切な着物に皮脂や汗がつかないようにガードしてくれるのがこの肌襦袢です。
直接肌に触れるものなので、着心地のよさに加えて度重なる洗濯にも耐え得るモノを選ぶのがコツ
・肌触りよし
・吸湿性に優れる
・丈夫なもの
衿は何色でもOKですが、チラ見えしたときに目立たせたくないなら白色が無難かと思います。吸湿性や耐久性を考えるとやはり晒木綿がベスト。化繊のものがダメとはいいませんがあまりに滑りがよすぎるものだと、上に羽織る長襦袢がツルツル滑るので着崩れる可能性があります。
あと一つポイントをあげるとすれば
「 襟ぐりが深く開いているものを選ぶ」ということでしょうか。
背中側の衿ぐりは下着がのぞいてると自分では全く気づけないにも関わらず、他人からはよく見えてしまうというじつに悩ましい部分でもあります。
着慣れないうちは襟ぐりが浅いものだと、どうしてもうなじからのぞいてしまうことが多いので、着付けに自信がない方は下記画像のように背中側が大きく開いているものを選ぶとラクかもしれません↓↓

余談ですが、なるべく予算をかけたくないという場合には誰に迷惑をかけるものでもないしタンクトップやTシャツで済ませてしまうのも悪くないと思います。私も寒い日はヒートテックの長袖シャツを仕込んだりすることもあります。ただし、この場合でも着崩れや着姿の仕上がりの観点から、下記のものは避けたほうが無難かもしれません。
✕ 化繊素材のツルツル滑る素材
✕ 襟ぐりがほとんど開いてないもの
2.裾よけ

別名「蹴(け)出し」とも呼ばれるように、足さばきをスムーズにするための重要な役割も果たしています。
ずいぶん昔のはなしですが木綿の滑りの悪い着物を着たとき、生地同士がくっついて足がうまく前に出せずあやうくコケそうになった経験があります。
足さばきという観点から考えると、脚に直接重ねるものなので個人的には天然素材より化繊素材を推したいのです。
ただし、滑りがよいからと言って化繊素材ならなんでもいいというわけではないのでくれぐれもご注意を。安価だからという理由で特に工夫もされていないポリエステル素材などにうっかり手を出してしまうと、静電気バッチバチで冬など到底着れたものではありません。
ここも初期投資とわりきって「高級化繊素材」を選ぶのがコツです。
具体的にはキュプラやレーヨン素材のものがいいと思います。
裾よけはカタチもじつに様々ですが、代表的なものを見ていくと、スカート式や、骨盤周りに力布(ちからぬの)という晒素材のものがついた腰巻き式のものがあります。腰巻き式ではこの力布の部分が腹部を多少押さえて補正してくれる効果もあるのでとくに下腹が気になる方にはおすすめです。私もご多分に漏れずこちらを愛用しています。
そして、もう一つ私が愛用する秘密兵器があります。
踊りをたしなむ方に愛用者が多いキュロット式のものです。いわゆる「ステテコ」という商品名でお目にかかることもあるかも。私が愛用する理由は下記のとおりです。
・通年OK
・時間がなくてもサッと履くだけ
・普段パンツ派の人間が感じる、心もとない「スースー感」の解消
・なにより汗をかく夏場は太もも部分のべっとり張りつく不快感が皆無
少しでも着付けの時間を短縮したい!という方にはうってつけですので、ぜひお試しください。
3.和装ブラ

「寄せて上げて」「ボリュームアップ」「谷間くっきり」が美しいのは洋装の場合のおはなし。着物では胸元を強調せず、なだらかでゆるやかな曲線におさめるのがより美しい着姿への近道です。
和装ブラは適正なサイズを選べば苦しくない程度に胸を押さえてくれるので、胸が大きい方はとくに活用されることをおすすめします。経験上、胸元がなだらかに整うだけでグッと洗練された着姿になれること請け合いです。
それ以外にも、鎖骨部分にパッドを装着できるタイプのものを選べば手軽に首元の補正もできるのでまさに一石二鳥。これから着物を着ようとしている方には、ぜひ一つ持っておいて損はないアイテムだと断言いたします。
さらに熱く語らせていただきますと、私が和装ブラをここまで強くおすすめするのは、これまで着付師として多くの方々の着付けを担当させていただいた現場で色々と感じることがあったからなのです。
当たり前ですが着付師も色々おりまして方針も人それぞれであることは重々承知していますが、着付けの際にはより美しい着姿を目指すため基本的にはブラジャーを外すことを勧められる場面が少なくありません。
なぜなら、「寄せたて上げてボリュームを適度に整える」という機能は着付けには不要であり、加えて、着付けの段階で様々な紐を締めていくとカップ部分のワイヤーが身体に食い込んで高確率で苦しくなることが多いから。
せっかくの晴れの日ですから、誰でも苦しくなったり気分が悪くなったりはしたくないですよね。そうした可能性も踏まえて着付師サイドとしてはなるべくブラジャーをつけないことをお勧めするワケですが、着せられる側の人間からしてみれば、初対面の人の前でいきなり下着をとれと言われたら、そりゃ困惑するなというほうが無理な話だと私は思うのです。人それぞれ表面的には分からない事情を抱えていることも考えられます。
結婚式場でご親族の着付けを担当させていただいていた時分、「苦しくなることもあるのでもし可能であればブラジャーなしの方がラクかもしれません」とお伝えはするのですが、大抵の方は「えぇ!?取らないといけないの?。。。でも苦しいのは嫌だし。。。」と葛藤される場面に多々遭遇してきました。
実際、私も大学生のころ謝恩会用に振袖の着付けをしてもらった際、ベテラン着付師の方から当たり前のように「外しておいてくださいね」と言われ、「え?この人がたくさんいる状況で?目隠しとかもない状況で?」とかなり戸惑った経験があるので、そのお気持ちが痛いほどよく分かるのです。
しかしながら着付師からしてみれば流れ作業の一環であり、感覚が麻痺(といっては失礼ですが)してしまい「取るのはアタリ前でしょ」という雰囲気を醸し出されることもあります。
そうした嫌な思いをしないためにも、人に着付けてもらう日は自宅から和装ブラを付けておくことで、こうした事態を回避することができるのです。着物を着るということは何かしら「晴れの日」の機会が多いと思うので、せっかくの慶びごとの日に少しでも不快な思いしないですむ方法として、個人的にぜひ提案させていただければと思います。
4.番外編:なにが正解?着物の下着えらび
ここまでご紹介した4つのマイ小物が揃ったら、さらに快適な着物ライフを目指してもうちょっとだけ気を配ってみましょう。
といっても難しいことは何もなく、下記のポイントをおさえるだけです。
・シームレス
・淡色無地
・ローライズ
肌襦袢の襟ぐりの部分でもお話しましたが、着物の後ろ姿は自分ではほぼ見えません。でも、他人からの視線は正面よりも後ろ側からの方がより熱心に注がれていると考えてほぼ間違いと思います。
自分の経験を振り返っても、真正面からジロジロと着姿を拝見するのはさすがにためらわれるのでチラッと一瞬視線を泳がせるくらいが関の山ですが、後ろ姿なら遠慮なく拝見できますからね。とくに帯がステキな方に出会ったときなどは、失礼ながら釘付けになってしまいますし(^^;
数年前に知人と着物で博多座に出かけたときのこと。開演前のお手洗いでちょっとした着崩れなどを整えて出口へ向かいながら何気なく鏡を見たところ、ちょうど後ろにいらしたご年配の女性が、私の帯のお太鼓の部分をまじまじと見ておられた場面に遭遇したことがありました。まさか鏡越しに私がその様子を見ているとも思われなかったでしょうが、やはり着物の後ろ姿というものは自分では気づきにくくノーガードになりがちにも関わらず、思いのほか他人から見られているんだな、と気付かされた出来事でもありました。
前置きが長くなりましたが、そんな後ろ姿で気を配るべきポイントのひとつとして、やはりショーツのラインが浮かび上がらないように配慮しておいて損はありません。私も初心者のころは「裾除け+長襦袢+着物と3枚も布が重なっているんだから大丈夫でしょ」と思っていたのですが、ところがどっこい、案外そんなに呑気にしてられないぞ、ということを初めて認識したのは着付ける側になってからでした。とくにお辞儀や物を拾う動作のときに目立ってしまうのです。そのため、よほどの事情がない限り着物のときはシームレスタイプをおすすめいたします。色柄に関しては「肌に馴染みやすい淡色の無地」を選んでおけば白っぽい着物のときでも安心です。
そして最後に、トイレへの行きやすさ。
これも重要なポイントです。
そう考えると、ぜひローライズのタイプをオススメしたいところです。
なぜかというと、着物を羽織ったあとに腰紐を締める位置が関係してくるからです。腰紐は着崩れないようにおヘソの下あたりにギュッと少し強めに締めて着物を固定するわけですが、このときショーツの上端ラインがおヘソの上までくるようなハイライズのものだと一緒に腰紐でロックされてしまうわけです。こうなるといくら引っ張ってみても後の祭りでして、運が悪いとお手洗いのなかで大汗をかくハメになります。(そういうときに限って、約束の時間が差し迫っていたり、やたらに身動きの取れない狭いトイレだったりする)そのような外出先での不穏な自体を避けるためにも、「着物のショーツはローライズ」を合言葉にお選びいただければ快適かと思います。

ここまで長々とお付き合いいただきありがとうございました。
少しでも「これから着物を着たいけど何から選んでいいか分からない」という方のお役に立てたらと思いますので、これからも不定期ではありますが、私のこれまでの経験と知識をすべてアウトプットしていきたいと思います。
よろしければ、皆さまの経験談や「こんなこと知りたい!」などもお教えいただけたらとても嬉しいです!
それではまた、次回お会いしましょう(^^)!
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