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日当たりが悪い土地、本当に諦めるべきか

家づくりで損しない人がやっていること vol.8

「南向きでないと、明るい家にならない」

家を探していると、こういう言葉をよく耳にします。不動産の広告でも、南向きであることは積極的にアピールされます。北向きや西向きの土地は、日当たりが悪いという理由で価格が下がり、候補から外されることが多い。

ですが、「南向き=明るい家」という前提は、本当に正しいのでしょうか。

「日当たり」は設計でコントロールできる

建築家がまず確認することのひとつに、「光の入れ方をどう設計するか」があります。

南向きの窓から光を取り込む方法は、最もシンプルな手法です。ただ、それだけが光の取り込み方ではありません。トップライト(天窓)を設ければ、方角に関係なく安定した光が降り注ぎます。中庭を設ければ、北向きの敷地でも四方から柔らかい光を取り込めます。吹き抜けを使えば、1階の奥まで光を届けることができます。

北向きの土地には、北向きの土地にしかない光があります。直射日光が入らないため、一日を通じて光の質が安定しています。美術館や画家のアトリエが北向きの窓を好むのは、この安定した光のためです。眩しさがなく、影が柔らかい。そういう光の中で過ごす時間には、独特の落ち着きがあります。

「諦める」前に、設計者に見せる

北向きや日当たりの悪い土地を前にしたとき、多くの人は「この土地は無理だ」と判断します。ですが、その判断を下す前に、一度建築家に見せてほしいのです。

設計者の目は、現状ではなく可能性を見ます。この土地でどんな光の入れ方ができるか。どこに開口を設ければ、暮らしに必要な明るさが確保できるか。隣地との距離や周辺の建物の高さも含めて、総合的に読み解きます。

「日当たりが悪い」という言葉は、不動産的な評価です。設計的な評価は、その土地に足を踏み入れて、空を見上げて、初めて出てくるものです。

価格という現実的なメリット

北向きや日当たりの悪い土地には、もうひとつ見逃せない側面があります。価格が抑えられることです。

同じ広さ、同じ立地でも、南向き整形地と北向き土地では価格差が生まれます。その差を設計費や内装にまわすことができれば、トータルでより豊かな家になる可能性があります。

「条件の悪い土地を、設計の力で豊かにする」。これは建築家が最も得意とすることのひとつです。損しない家づくりをしている人は、土地の価格と設計の可能性を、セットで考えています。

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