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設計と施工が分かれている、ということの意味

家づくりで損しない人がやっていること vol.4

家を建てるとき、多くの人が「一社にまとめてお願いしたい」と思います。

窓口がひとつのほうが楽だし、責任の所在もはっきりする。そう感じるのは、自然なことです。ハウスメーカーや多くの工務店が「設計から施工まで一貫してお任せください」と言うのも、そこに需要があるからです。

ただ、「一貫している」ことは、本当に施主にとって得なのでしょうか。

「設計施工一貫」の構造を考える

設計と施工を同じ会社が担う場合、設計者は会社の社員です。つまり設計者の判断は、会社の方針や利益とつながっています。

これは悪意の話ではありません。会社員である以上、使いやすい材料、仕入れのしやすい仕様、工期に合った設計を優先することは、むしろ当然の判断です。ただその結果、「この家族にとって本当に最適な設計か」という問いよりも、「自社でつくりやすい設計か」という問いが、無意識に優先されることがあります。

設計と施工が同じ会社にあるということは、設計者が施主の代理人になりにくい構造でもあるのです。

設計と施工が分かれると、何が変わるか

建築家に設計を依頼し、施工は別の工務店が担う場合、構造がシンプルに変わります。

建築家は施主の側に立って設計します。工務店の都合ではなく、施主の暮らしのために図面を引く。そして施工中も、設計者として現場を監理します。「この施工は図面通りか」「この材料は仕様通りか」を、施主に代わって確認する役割を担います。

これを「設計監理」と言います。

設計監理があることで、施主は現場の専門的な判断をすべて自分でしなくてよくなります。わからないことは建築家に聞けばいい。現場で何かあれば建築家が動く。施主にとっての「代理人」が、明確に存在する状態です。

「安心」の中身が変わる

「一社にまとめたほうが安心」という感覚は理解できます。ただ、その安心は「楽である」という意味での安心であって、「施主の利益が守られている」という意味での安心とは、少し違うかもしれません。

設計と施工が分かれている場合の安心は、構造的な安心です。設計者が施主の立場で動いてくれる、という仕組みがある安心。

どちらの安心を選ぶかは、家づくりに何を求めるかによって変わります。ただ、この構造の違いを知らないまま選ぶのと、知った上で選ぶのとでは、意味がまったく異なります。

「誰が誰の味方か」を確認する

家づくりを始めるとき、ひとつ確かめてほしいことがあります。

「この人は、誰の立場で動いているのか」

設計者が施工会社の社員であれば、その人は会社の判断に従います。建築家として独立していれば、その人は施主のために動きます。同じ「設計者」という言葉でも、立っている場所がまったく違うのです。

設計と施工が分かれているということは、単なる業務の分担ではありません。施主の利益を守るための、構造的な仕組みのひとつです。

損しない家づくりをしている人は、この構造の違いを、早い段階で理解しているかもしれません。


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