字幕担当ドラマDisney+で配信
字幕を担当した作品が、Disney+で独占配信された。
『ワシントン・ブラック』(Washington Black)という、アフリカ系カナダ人の女性作家、エシ・エデュジアンの同名小説が原作のドラマである。
小説は、2018年スコシアバンク・ギラー賞受賞、国際ブッカー賞最終候補になり、ニューヨークタイムズ、ワシントンポスト、タイムなど大手メディアの「トップテン・ブック・オブ・ザ・イヤー」にも選出された。
字幕のオファーを受けてから調べると、翻訳本が2020年に小学館から出版されていて、近所の図書館にあったので借りて一気読みした。
バルバドスの農園主にジョージ・ワシントン・ブラックという大仰な名前を付けられた黒人奴隷少年(呼び名はワッシュ)が、ある日バルバドスを飛び出し、アメリカ・カナダ・北極・ヨーロッパ・アフリカと駆け巡る、何とも壮大な冒険物語であった。
これに、奴隷解放運動、男女差別、科学的発明、海賊、恋愛、友情、裏切り、出会いと別れなどが深く絡み合いながら物語は進む。
時間がなく、関係する箇所を読んだだけだったが、正直、この長編小説をたった8話のドラマにするのは無理なのでは?と思った。
今回の翻訳では、システムの変更(情報漏洩防止?)により他のエピソードを観ることがほとんどできなかったので、配信されてから初めて全話を観た。細かい設定や進行は小説とドラマでは異なっていたが、主なエピソードをうまく拾いながらまとめていた。北極やアフリカのシーンは、さすが映像ならではの迫力がある。
出演は、『LUCIFER/ルシファー』で悪魔を演じたトム・エリス。個性的でアクの強い役どころだったが、この作品では奴隷制度に反対する穏やかなイギリス人科学者で、ワッシュをバルバドスから連れ出すクリストファー(ティッチ)を演じている。
『THIS IS US』のランダル役でお馴染みのスターリング・K・ブラウンは、カナダのハリファクスで追っ手から逃げるワッシュを匿って助けるメドウィン役。また、この作品では製作総指揮も担っている。
ワッシュの恋人となる女性ターナの父親役は、私も大好きな英国ドラマ『シャーロック』で、あのちょっと面白いレストレード警部を演じた ルパート・グレイヴス。
と、大物俳優も多数出ているが、ワッシュの子ども時代を演じた子役の少年が個人的には一番よかった。すごく素直で純粋で演技が自然で、あのまま大人になってほしい、というけなげなキャラクターだった。
ということで、予告編です。ぜひ、全話Disney+でご覧ください(字幕担当は第2・5・8話)。
映像字幕・実務翻訳者: 浦田貴美枝
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