TOKYO UPDATES File6(スポーツ)日本サッカーに惹かれた英国人
先月、久しぶりに翻訳担当させていただいた「TOKYO UPDATES」の記事が先週公開された。
いろいろあってビジネス案件はお断りしたのだが、このところビジネス記事や日本人が書いた記事が続いていて、間が空いたようである。
が、久々に依頼が来てみれば何とスポーツ・・・。私はふだんからニュースを見ていても、スポーツコーナーになるとチャンネルを変えるか音を消してしまうほど、スポーツに興味がない人間だ。
トーナメントとリーグさえ「どっちが総当たりだっけ?」と夫に聞く始末。こんな私がスポーツ関係の記事を担当していいのだろうか・・・?
が、何しろ以前、あの複雑怪奇なルールのアメリカンフットボールを題材にしたドキュメンタリーを翻訳できたのだから、サッカーもできるだろうと、お引き受けした。
自分でもよく訳したなあーと思う『コーチ・プライム ~勝利の方程式~』はアマプラで配信中(シーズン2~3を担当)
以前ご紹介したnoteの記事はこちら⤵
だが、今回の依頼記事を読んでみたら、サッカーそのものではなく日本と日本サッカーに魅せられ、日本でサッカージャーナリストになったイギリス人、ショーン・キャロル氏についての話だった。
とはいえ、イギリスはもとより日本のクラブチーム名や選手名なども全て調べて裏取りしなければならなかったので、それはそれで一苦労。
私でも顔と名前くらいは知っている、かの有名な三笘薫選手についても最初は漢字を間違えていた(Bingで検索したら「三苫薫」と出てきたせいだ)。草冠と竹冠、似ているので見落とすところだった。最終的に新聞社のサイトで確認した。
このショーン氏、日本語の著書がある。日本語版は記事でも紹介されている『ニッポンとサッカー 英国人記者の取材録』。図書館にあったので借りて急ぎ読んでみた。
興味深かったのは、イングランドと日本では、試合に負けた時の選手・ファン・マスコミの対応に大きな違いがあるという点だった。
日本では、試合に負けると選手たちが「悔しいけど、次がんばります」と前向きなコメントをし、それに対してファンもマスコミも温かい目で見守ることが多い。
これが、日本でサッカーの試合を見てショーン氏が驚いたことだった。イングランドでは、1つ1つの勝負にみんな命をかけるくらいの気合で臨んでいるから、負けたら「次なんてない!」と悔しがるのだそうだ(毎回ワールドカップ並み?!)。
イングランドに限らずヨーロッパでは、負けたチームのファンが試合後に乱闘騒ぎを起こしたりして荒れる様子は漏れ聞こえてくるが、とにかく負けるとファンにもマスコミにもボロクソ言われるとなれば選手も必死だ。
しかも、ファンの闘いは試合前から始まっていて、チームユニフォームを着たライバルファン同士が、電車で同じ車両に乗ることなど ありえないという。電車を降りてもファンはそれぞれ別の通路を案内されるそうだ。まさに一触即発!混ぜるな、危険!
日本では、両チームのユニフォームを着た人たちが同じ車両に乗っていても、ふつう争いは起きない。ショーン氏には、それも驚きであり新鮮であったそうだ。
それを考えると、確かに日本の選手もファンも試合が終わればノーサイド、冷静で礼儀正しいと思う。それはどんなスポーツでも武士道の精神が根付いているからかもしれないし、学校の部活やスポーツクラブできちんとあいさつや礼儀作法を教えているせいかもしれないし、先輩・後輩の影響も大きいかもしれない。
外国人から見ると、まさに「フシギの国ニッポン」ということになるのだろうか。逆の立場から指摘されると新鮮である。
私もせっかく浦和レッズの本拠地にいるのだから、一度くらいは埼玉スタジアムに出かけて、選手とファンを観察しながらスタジアム独特の雰囲気を味わってみたいという気持ちになった。(試合観戦ではなく・・・?)
映像字幕・実務翻訳者: 浦田貴美枝
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