JW876 君不去の里
【東征激戦編】エピソード17 君不去の里
第十二代天皇、景行天皇の御世。
西暦111年、皇紀771年(景行天皇41)。
東征をつづける、日本武尊(以下、タケル)の一行は、穂積の臣の建忍山(以下、おしやん)の家来、「カタスケ」が指揮する船団に乗り、ある処に、辿り着いたのであった。

タケル(30)「して、ここは?」
カタスケ「千葉県木更津市の富士見です。」




タケル(30)「それにしても、静かな海だ・・・。」
おしやん「そうだな・・・。」
タケル(30)「嗚呼・・・。『タッチ(弟橘媛のこと)』を思い出す・・・。」

たっちゃん「皇子? 思い出に浸っている時では、ござらぬぞ。先に進まねば・・・。」
タケル(30)「わかっておりまする。されど・・・。」
武日「こうして、姫を思い出し、なかなか、この地を離れることが、出来なくなったことから、この地は『君不去の里』と呼ばれるようになり、転訛して、木更津となったんや。」
オクタン「此度のことが、木更津市の語源となっておるのじゃな?」
武日「じゃが。」

ナッカ「そして、今、いる場所には、社が建ったっすよ。」
タケル(30)「何という社だ?」
ナッカ「八剱八幡神社っす。」





イゴット「気になる、祭神は?」
タケル(30)「八幡神社なのだ。俺の孫、応神天皇に決まっておろう。」
ナッカ「それだけじゃないんすよね。」
タケル(30)「ん?」
ナッカ「皇子も祀られてるっすよ!」
タケル(30)「快なりぃぃ!」
カタスケ「では、次の上陸地点に参りましょう。」
タケル(30)「まだ、伝承が有るのか?」
おしやん「諸説有りって、言っただろ?」
カタスケ「ということで、千葉県木更津市の太田に、やって参りました。」
タケル(30)「さほど、離れておらぬではないか!」
カタスケ「それでも、伝承は、伝承にございます。」
タケル(30)「そうなるのか?」
たっちゃん「とにかく、皇子は、この地にある、標高44mの太田山に登り、海を見下ろして、『タッチ』殿を偲んだと・・・伝えられておる。二千年後には、太田山公園となっており、皇子と姫の間柄を慕い、『恋の森』とも呼ばれておるぞ。」



武日「そして、この山に鎮座しちょるんが、橘神社やじ。」
オクタン「その名の通り、祭神は『タッチ』殿で、縁結びの神とされておりまする。」



タケル(30)「俺と『タッチ』の想いが、このような形で伝わっておるのか・・・。」
オクタン「また、ここを立ち去り難く思い、しばらく滞在していたとの由。」
わかたけ「その時、父上が詠んだ歌が伝わっておりまするぞ。」
タケル(30)「ん?」
ダータケ「〽君去らず~袖しが浦に立つ波の~その面影を~見るぞ悲しき~。」
イゴット「この歌が元で、この地は『君不去』と呼ばれるようになり、転訛して、木更津になったと伝わってるんやで。」
タケル(30)「こちらにも、木更津の地名起源伝承が有るのか?」
イゴット「せやで。」
ダータケ「この地にて、母上(タッチのこと)の櫛を埋めたとも伝わっておりまする。」
オクタン「また、皇子を祀る、刀八神社も有りまするぞ。」




タケル(30)「快なりぃぃ!」
するとそこに、ある人々がやって来た。
地元の豪族(王)、「ノエル」と「リアム」である。
ノエル「皇子! 再び、やって参りました!」
リアム「戦いは、まだ終わっておりませんでした!」
タケル(30)「ん? どういうことだ?」
ノエル「皇子が倒した悪久留王こと『アク』の残党が、暴れておるのです。」
タケル(30)「何だと!?」
戦いは、つづく。
