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JW893 飲みかねた皇子

【東征激戦編】エピソード34 飲みかねた皇子


第十二代天皇、景行けいこう天皇てんのう御世みよ

西暦111年、皇紀こうき771年(景行天皇41)。

ここは、総国ふさ・のくに(今の千葉県)。

地図(総国)

日本武尊やまとたける・のみこと(以下、タケル)一行は、弟橘媛おとたちばなひめ(以下、タッチ)の御陵みささぎ(おはかのこと)をつくため、千葉県茂原もばら本納ほんのう目指めざしていた。 

地図(千葉県茂原市本納)
東征参加者一覧表

タケル(30)「ということで、『タッチ』の遺物いぶつおさめ、ほこらを建てようと思う。」 

長広ながひろ皇子みこ? まだ、本納ほんのうには、辿たどいておりませぬが?」 

タケル(30)「すまぬ。伝承なのだ。」 

長広ながひろ「なるほど・・・(;^_^A」 

イゴット「ところで、遺物いぶつって、なんですのん?」 

タケル(30)「かがみとも言われておるな。」 

押根おしね「こうして、建てられたのが、千葉県市原いちはら皆吉みなよし鎮座ちんざする、弟橘媛おとたちばなひめ神社じんじゃにござりまする。」 

地図(弟橘媛神社)
弟橘媛神社(鳥居と拝殿)

タケル(30)「言うまでもないが、祭神さいじんは『タッチ』だ。」 

押根おしね「それだけでは、ありませぬぞ。」 

タケル(30)「ん?」 

押根おしね皇子みこと『おしやん』さままつられておりまする。」 

タケル(30)・おしやん「かいなりぃぃ!」×2 

ナッカ「これまで、夫婦めおとまつられたことは有ったと思うんすけど、親子っていうのは、初めてじゃないっすか?」 

おしやん「その通りだ! 初めてだってばよ!」 

タケル(30)「義父上ちちうえ! 良かったですな!」 

おしやん「こんなにうれしいことはないってばよ!」 

八腹やはら「ちなみに、近くの薬師やくしどうにわには、皇子みこ腰掛松こしかけまつが有ったそうですぞ。」 

地図(薬師堂)

タケル(30)「そうか・・・。有った・・・ということは、今は無いのか・・・。」 

こうして、一行は、さらに進んでいったのだが・・・。 

タケル(30)「のどかわいた・・・。『ナッカ』よ。水を・・・。」 

ナッカ「もうわけないっす。水が切れてるっす。」 

タケル(30)「なに!?」 

わかたけ「どうにか、ならぬのか?」 

ナッカ「ちょっと、あたりを調しらべてくるっす!」 

それから、しばらくして・・・。 

ナッカ「もうわけないっす。何処どこにも見当みあたらないっす。」 

タケル(30)「なんということだ! 水を『飲みかね』るとは!」 

イゴット「こうして、義兄上あにうえが『飲みかね』るとうたんやけどだけど、それが、野見金のみがね転訛てんかしたみたいやね。」 

タケル(30)「ん?」 

イゴット「千葉県長南ちょうなんちょう水沼みずぬまに有る、野見金のみがねやまの伝承で、そう語られてるんですわ。ちなみに、標高ひょうこうは180mやで。」 

タケル(30)「そ・・・そうか。」 

地図(野見金山)

その後、あらためて移動していると・・・。 

オクタン「ん? 皇子みこ? あすこに、なにやら、あやしげな者たちが・・・。」 

タケル(30)「うむ。長広ながひろよ。先に行って、まいれ。」 

長広ながひろ「はっ。」 

集団へと、近付ちかづいていった長広ながひろであったが、しばらくすると、その集団と共に戻ってきた。 

長広ながひろ皇子みこ! 御安心ごあんしんくだされ。この者たちは、地元の者たちにござりまする。われらを歓迎かんげいするとのこと。」 

タケル(30)「ヤマトにくみする者たちか?」 

長広ながひろ御意ぎょい。して、こちらが、この国のきみ山座やまくらおうにござりまする。『マクラ』と呼んでしいとのこと。」 

マクラ「おはつにおにかかりまする。『マクラ』にござりまする。ただしい読み方については、よくわからず、作者に『やまくらおう』と名付なづけていただきもうした。」 

オクタン「そのようなうら設定せっていまで、語らずとも良いぞ。」 

マクラ「いえ、いえ。あやまった情報が、二千年後の日本に流れてはなりませぬからな。」 

タケル(30)「『マクラ』よ。作者に、それほどの影響力は無いぞ?」 

マクラ「えっ? そうなのですか?」 

ナッカ「ところで、なにしに来たんすか?」 

マクラ「そうでござった。皆様みなさま宴楽とよのあかりで、もてなしたく、さんじた次第しだい。」 

次回、うたげとなる。

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