JW759 滝の名は
【筑紫再征編】エピソード14 滝の名は
第十二代天皇、景行天皇の御世。
西暦97年、皇紀757年(景行天皇27)。
ここは、宮崎県延岡市の舞野町。
のちに、下舞野神社が建つ処。






熊襲の平定を命じられ、筑紫(今の九州)を進む、小碓皇子(以下、リトル)の一行は、ついに、熊襲の首領、川上梟帥(以下、カワ)を討つこととなった。


日向国造の豊国別皇子(以下、豊国)も加わり、策が発動されたのであったが・・・。

リトル(16)「このような恥辱を味わうことになろうとは・・・。」
ナッカ「皇子! 女の形が決まってますよ!」
リトル(16)「嬉しくない!」
豊国「義兄上・・・。我も、女の形をするなど、聞いておりませぬぞ!」
リトル(16)「一人では、恥ずかしいのだ! 良いではないか! 似合ておるぞ!」
豊国「は・・・恥ずかしい。」
ウナ「う・・・美しい・・・。」
よっちゃん「まるで、天女のようじゃ。」
リトル(16)「ジロジロ見るでない!」
もち「では、山に登るっちゃ!」
チヂオ「行縢山でしたな?」
もち「じゃが。」

こうして、一行は、山を登っていったのであったが・・・。
リトル(16)「ん? 雄岳(標高830m)と雌岳(標高809m)の間に、滝が有るぞ。」

もち「幅30m、高さ76.6mの滝やじ。」
弟彦「かなり大きな滝にござりまするな。」

リトル(16)「うむ。滝の落ちる窪みは、まるで、矢筈のようだな。矢筈の滝と名付けようぞ。」
ナッカ「矢筈は、矢の羽の方に付けられた、窪みのことっす。」
田子「この窪みを弓の弦に引っ掛けるのじゃ。」

疾風「モォォ!」
リトル(16)「誰に向かって話しておるのだ?・・・と申しておるぞ。」
ナッカ「読者に向かって言ってるんすよ!」
リトル(16)「ん? 水の落ちる姿は、白布を引くようにも見えるのう。布引の滝とも名付けようぞ。」
ウナ「こうして、滝は、行縢の滝と呼ばれるようになったのじゃ。」

リトル(16)「ん? 俺が考えた、滝の名は?」
ナッカ「まあ、あれっすね。ロマンっすね。」
リトル(16)「なっ!? ロマン?!」
弟彦「そんなことを申しておりましたら、『カワ』の屋敷が見えて参りましたぞ。」
リトル(16)「では、剣を衣の内に帯び、宴の局(部屋のこと)に入って参る。いくぞ! 豊国!」
豊国「は・・・はい。」
酒や肴の支度に勤しむ、女たちの中に紛れ込んでいく二人。
それを遠くから見守る、暑苦しいオジサンたち。
異様な光景ではあるが、潜入は、見事に成功したのであった。
そして・・・。
女(い)「山子ちゃん。そっちの、お酒、持っていってちょうだい。」
リトル(16)「あい。わかりんした。」
女(ろ)「豊子ちゃんは、こっちの肴を・・・。」
豊国「あい。わかりんした。」
カワ「おぉぉい! 酒は、まだかい?」
リトル(16)「ただいまぁぁ。」
カワ「ん? ちょっと、君・・・可愛いじゃないか。」
リトル(16)「お戯れが過ぎるのでは、ありんせんか?」
カワ「戯れじゃないよ。僕は、本気だよ。」
豊国「女を口説くのが、上手でありんすなぁ。」
カワ「そうかい? それほどでもあるよ・・・ハハハ((´∀`))」
そんなこんなで、夜は更けて、多くの者が酔いつぶれていった。
当然「カワ」も・・・。
カワ「うぅぅん。もう飲めないよぉ。」
リトル(16)「よし! 今だ!」
グサッ
カワ「えっ? あれ? 僕の胸に剣が刺さってる?」
「カワ」を討つことは出来るのか?
次回につづく
