JW806 草叢に隠れて
【諸国鎮定編】エピソード19 草叢に隠れて
第十二代天皇、景行天皇の御世。
西暦110年、皇紀770年(景行天皇40)7月16日。
東国の動乱を鎮めるため、援軍を送ることになった。
そして、その総大将に、大碓皇子(以下、メジャー)が任命されたのであったが・・・。

ここは、三野国(今の岐阜県南部)。
「メジャー」の妃、兄遠子(以下、エッコ)と弟遠子(以下、オッコ)が、「メジャー」を探し回っていた。


エッコ「皇子ぉぉ! 皇子ぉぉ! 何処に、おわしまするぅぅ。」
オッコ「あっ! 皇子! どうしたのです? 草叢に隠れて・・・。」
メジャー(29)「草の中に逃げ隠れたと書かれておるゆえ、そうして、みたのじゃ。」
エッコ「大王からの命に従わぬ、お心算ですか?」
メジャー(29)「わ・・・我に、兵を率いる技が有ると思うか?」
オッコ「されど、大王は、お怒りのようですよ? 改めて、使いの者が来ておりまする。」
メジャー(29)「えっ?」
そこに、大王の使い、三輪の君の大友主(以下、オート)がやって来た。

オート「皇子? 大王からの言伝を、お届けに参りました。」
エッコ「あのう? 『記紀』には、使者を遣わした・・・としか書かれておりませんが?」
オート「作者のオリジナル設定です。しかし、誰かが派遣されねば、話が進まないでしょう?」
オッコ「た・・・たしかに・・・。」
メジャー(29)「そ・・・それで、大王は、何と?」
オート「汝が望まぬモノを、無理に遣わすことがあろうか。まだ、賊に相対しておらぬのに、初めから恐れること、甚だしいのは、どうしたわけか?・・・と申しておりました。」
メジャー(29)「どうしたと申されても、大王が、よくわかって、おいでのはず・・・。」
オート「それは、如何なることにて?」
メジャー(29)「大王は、此度の一件の意趣返しをしておられるのじゃ。我に、辱めを与えようとの思し召しなのじゃ。そうに違いない。」
オート「よ・・・よくわかりませんが、総大将の任は解かれましたぞ。」
メジャー(29)「何!? そうなのか?!」
オート「代わりに、三野に、治めるべき地を与える・・・との思し召しです。」
メジャー(29)「も・・・もう、国中(今の奈良盆地)には帰って来るなと?」
オート「それは、考え過ぎだと思いますが・・・。」
エッコ「とにかく、このことから、皇子は、三野の豪族の始祖となったのですよ。」
オッコ「身毛津君や守君の始祖となりました。」
メジャー(29)「なにゆえであろう・・・。嬉しくない・・・(´;ω;`)ウッ…。」
こうして「メジャー」は解任され、予定通り、日本武尊(以下、タケル)が、総大将に任命されたのであった。

さて、「タケル」は、雄々しく振る舞って、こう叫んだ。
タケル(29)「熊襲が、平定されて、まだ、幾年にもならぬのに、今、更に、東夷が叛いた。すっかり平定されるのは、いつの日であろうか。俺にとっては、大変なことだが、ひたすら、その乱を平定させましょうぞ!」
「タケル」の東征が始まる。
つづく
