JW760 今日から俺は
【筑紫再征編】エピソード15 今日から俺は
第十二代天皇、景行天皇の御世。
西暦97年、皇紀757年(景行天皇27)。
ここは、宮崎県延岡市の行縢山。






熊襲の平定を命じられた、小碓皇子(以下、リトル)の一行は、熊襲の首領、川上梟帥(以下、カワ)を討つため、女装して潜入する作戦を立てる。
日向国造の豊国別皇子(以下、豊国)も加わる中、ついに「リトル」は・・・。



カワ「うぅぅん。もう飲めないよぉ。」
リトル(16)「よし! 今だ!」
グサッ
カワ「えっ? あれ? 僕の胸に剣が刺さってる?」
リトル(16)「民を苦しめた罪は重いぞ! 川上梟帥!」
カワ「えっ? ちょっと待って・・・。」
豊国「命乞いは、受け付けぬっ。」
カワ「そ・・・そうじゃなくて、申し上げたいことがあるんだ・・・。」
リトル(16)「ん? 何だ?」
カワ「君は、誰なんだい?」
リトル(16)「俺か? 俺は、大王の皇子、大和童男(リトルのこと)だ!」
カワ「えっ!? 女の子じゃないの!?」
リトル(16)「あっ! 姿が、女であること、忘れておった!」
カワ「と・・・とにかく、ぼ・・・僕は、国の中で、最強だった・・・最強だと思ってた。多くの人を従え、何人もの武士を討ち滅ぼしてきた・・・。」
豊国「それが、どうしたというのじゃ?」
カワ「で・・・でも、ここに、本当の最強が現れた・・・。ぼ・・・僕は、皇子のような方に会ったことがない。」
リトル(16)「当たり前だ! 俺は、戦神だぞ!」
カワ「な・・・なるほど・・・。そ・・・そこで、お願いがあるんだ・・・。」
リトル(16)「何だ?」
カワ「賤しい賊の卑しい口から、尊い呼び名を差し上げるのを、許してくれるかい?」
リトル(16)「許そうぞ。」
カワ「今よりのちは、皇子を名付けて奉り、日本武皇子と申し上げることに致しましょう・・・。」
リトル(16)「諾なり。」
カワ「ありがとうございます。」
リトル(16)「言いたいことは、それだけか?」
カワ「は・・・はい。」
リトル(16)「では、さらばだ! カワ!」
ザシュッ
カワ「・・・グフッ。」
リトル(16)「今日から俺は、日本武だ! 『タケル』と呼べ!」
豊国「承知致しました! では、残った者共も、討ち取りましょうぞ!」
タケル(16)「そうだな。皆の者! 出あえ! 出あえ!」
ヤマト・日向連合軍「おお!」×多数
熊襲(い)「ん? 何じゃ? 何じゃ?」
もち「賊を討ち取りに来たんや!」
熊襲(ろ)「何じゃち?!」
ナッカ「正義の剣を喰らえっ。」
ウナ「斬って、斬って、斬りまくれっ。」
熊襲(は)「ぐはぁ!」
弟彦「我らは、弓矢にて助太刀仕るっ。」
よっちゃん「正義の矢を喰らえっ。」
熊襲(に)「逃げるんじゃ! 逃げるしか、ありもはん!」
田子「逃がすかっ。」
チヂオ「敵に背中を見せるとは・・・。恥を知れっ。」
熊襲(ほ)「命あっての物種じゃ!」
熊襲(へ)「逃げっぞ!」
疾風「モォォ!」
タケル(16)「おお! 疾風! 来てくれたか! よし! このまま追い討ちをかけるぞ!」
ヤマト・日向連合軍「おお!」×多数
こうして、熊襲の賊は、ことごとく討たれたのであった。
その帰路、「タケル」は、行縢の滝を見て、歌を詠んだ。


タケル(16)「布引の 矢筈の滝を 射てみれば 川上梟帥 落ちて流れる。」
ナッカ「滝を見て詠んだと伝わってるっす。帰路に詠んだっていうのは、オリジナル設定っすよ。」
とにもかくにも「カワ」を討ち取ったのであった。
つづく
