JW752 砧の音に惹かれて
【筑紫再征編】エピソード7 砧の音に惹かれて
第十二代天皇、景行天皇の御世。
西暦97年、皇紀757年(景行天皇27)。
熊襲の平定を命じられた、小碓皇子(以下、リトル)の一行は、ようやく筑紫(今の九州)に辿り着いたのであった。


リトル(16)「して、ここは何処なのだ?」
ウナ「福岡県北九州市の八幡西区本城にござりまする。」






ナッカ「ここに立ち寄った・・・という伝承が有るみたいっすね。」
リトル(16)「そうか・・・。」
よっちゃん「して、のちに社が建ったとのこと。」
リトル(16)「俺が来たゆえか?」
よっちゃん「御意。」
田子「その名も、本城八剱神社にござりまする。祭神は、皇子ですぞ。」






リトル(16)「俺を祀る社が、ここに建つのか・・・。」
もち「では、次に進むっちゃ。」
こうして、しばらく進んだのであるが・・・。
チヂオ「そ・・・そろそろ、休みませぬか?」
リトル(16)「ん? もう疲れたのか?」
チヂオ「いえ、なにやら、伝承の香りが・・・。」
リトル(16)「香り?」
弟彦「ん? 香りではなく、音が聞こえて参りましたぞ。」
ナッカ「あっ! これって、砧の音っすね。」
田子「砧とは?」
ナッカ「砧っていうのは、洗濯した布を叩く木の台のことっすよ。」
もち「じゃが。生乾きの布を叩いて、皺を伸ばしたり、柔らかくするんやじ。」

疾風「モォォ!」
リトル(16)「ふむ・・・。叩く音そのものも表す・・・と言っておるぞ。」
ウナ「それにしても、良い音色にござりまするな。」
リトル(16)「うむ。心地よい音色だ。何処から聞こえてくるのだ?」
弟彦「あの家から、聞こえておりますな。」
リトル(16)「よし! 行ってみようぞ!」
音が聞こえてくる家に向かう一行。
そして・・・。
リトル(16)「頼もう! 頼もう!」
民(に)「誰ですかな?」
リトル(16)「俺は、大和童男(リトルのこと)だ。」
民(に)「皇子!? なにゆえ、ここに?!」
リトル(16)「熊襲を討つため参ったのだが、砧の音に惹かれて、やって来たという次第。誰が叩いておるのだ?」
民(に)「娘の砧姫にございます。」
リトル(16)「都合の良い名ではないか?」
民(に)「伝承ですので・・・(;^_^A」
ナッカ「それにしても、怪しいっすね。」
リトル(16)「何がだ?」
ナッカ「筑紫の民とは思えないんすよ。」
民(に)「実は・・・我ら親子、讒言で国中(今の奈良盆地)を追われ、ここに移り住んだのでござる。」
リトル(16)「何があったのだ?」
民(に)「伝承ですので・・・(;^_^A」
砧姫「父上? 誰か来られたのですか?」
リトル(16)「なっ! 美しい!」
砧姫「えっ?」
リトル(16)「惚れた! この大和童男、不覚にも惚れた!」
砧姫「えっ? えっ?」
リトル(16)「汝と契りを結びたい。」
砧姫「(〃▽〃)ポッ・・・はい!」
民(に)「なっ!?」
ナッカ「こうして、皇子はラブラブになっちゃって、屋敷まで建てたんすよ。」
よっちゃん「らぶらぶ?」
もち「このことから、この地は、立屋敷と呼ばれるようになったんや。」
疾風「モォォ!」
リトル(16)「ふむ・・・。福岡県水巻町の立屋敷に鎮座する、八劔神社の伝承と申しておるぞ。」







砧姫「そして、皇子は、私と夫婦の契りを結んだ証として、銀杏を植えられたのです。」
弟彦「大銀杏として、二千年後も育っておりまするぞ。」

こうして、砧姫と結ばれたのであった。
つづく
