JW781 待て!
【筑紫再征編】エピソード36 待て!
第十二代天皇、景行天皇の御世。
西暦97年、皇紀757年(景行天皇27)。
日本武尊(以下、タケル)の一行は、熊襲の魁帥(首長のこと)、川上梟帥(以下、カワ)を討つため、栄国(今の佐賀県佐賀市周辺)を進んでいた。
そして、ここは、佐賀県佐賀市の大和町川上・・・。
「カワ」の根城・・・。





「カワ」は、親族を集め、宴を催していた・・・。
カワ「今日は、宴楽だよ! どんどん飲んでね!」
熊襲(ぬ)「言われんでも、飲みもす。」
熊襲(る)「美味かぁ!」
タケル(16)「さぁさぁ、お酒を、お注ぎいたしんす。」
カワ「あれ? 君は?」
タケル(16)「何でありんしょう?」
カワ「三回目になると、すっかり、顔を覚えてしまってね。」
タケル(16)「なら、話が早い! 死ねっ。カワ!」
カワ「待て!」
タケル(16)「ん?」
カワ「汝は、何者だ?!」
タケル(16)「知っておるであろう?」
カワ「ちゃんと、佐賀県の伝承通りに、台詞を言わなきゃダメだよ?」
タケル(16)「そ・・・そうなるのか?」
カワ「何者だ?!」
タケル(16)「俺は、大足彦の天皇(景行天皇のこと)の子、日本童男(タケルのこと)なるぞ!」
カワ「我が強き力、国中に比すべき者無し。しかるに、その武勇、皇子の如き者に出会いしことなし。よって願わくば、尊号を奉り、日本武尊と称え申すべし!」
タケル(16)「諾なり!」
グサッ
カワ「さ・・・最期に、名前を改めても、いいかな?」
タケル(16)「ん? 構わぬぞ。」
カワ「僕は、川上の地で討たれたので、川上梟帥と、名を改めようと思う。」
タケル(16)「ん? それまでは、どのような名だったのだ?」
カワ「取石鹿文って、エピソード745で解説してるよ?」
タケル(16)「そうなのか?」
カワ「とにかく、こ・・・これで、伝承バージョンの僕も・・・グフッ。」
もち「さぁ! 総仕上げやじ!」
たけし「斬って、斬って、斬りまくれ!」
熊襲(ぬ)「やらせは、せんぞ!」
大白「なかなかの豪の者たちだぞ! 気を付けろ!」
中白「わかってるよ! 兄貴!」
よっちゃん「矢の雨を降らせよっ。」
熊襲(る)「叩斬ってやる!」
邑人(へ)「うわぁ! こっちに来たぁ!」
邑人(と)「こっちに来んでよかっ!」
ルオ「危ないぞ! 邑人らは、後ろに下がっておれ!」
弟彦「一人も逃がすな!」
田子「矢が尽きるまで、射続けるのじゃ!」
熊襲(を)「ちえぇぇ!」
少白「うわぁ!」
ナッカ「正義の剣を喰らえっ。」
ザシュッ
熊襲(を)「ぐはぁ!」
少白「た・・・助かりました。」
ナッカ「礼には、及ばないっすよ。」
チヂオ「逃がさぬぞ!」
ドスッ
熊襲(る)「グフッ。」
ウナ「覚悟ぉぉ!」
グサッ
熊襲(ぬ)「げふっ。」
こうして、熊襲は、ことごとく討たれたのであった。
疾風「モォォ!」
田子「ふむ。佐賀市大和町川上の健福寺の周辺は、かつて『真手村』と呼ばれていたと?」
疾風「モォォ!」
田子「ふむ。『カワ』が、とどめを刺そうとする、皇子に対して『待て』と言ったことから付いた地名だと申しておりまする。」



弟彦「では、戦いの地は、健福寺の辺りということか?」
田子「そういうことじゃな。」
タケル(16)「とにもかくにも、平定は成ったぞ!」
一同「おお!」×多数
一行は、ついに、熊襲を討ち滅ぼしたのであった。
つづく
