JW773 立ち寄ったゆえ
【筑紫再征編】エピソード28 立ち寄ったゆえ
第十二代天皇、景行天皇の御世。
西暦97年、皇紀757年(景行天皇27)。
襲国(今の鹿児島県周辺)の熊襲を平定した、日本武尊(以下、タケル)の一行は、筑紫(今の九州)を巡っていた。


ここは、福岡県鞍手町の剣岳自然公園。
田部の今朝麿(以下、ケサマ)が加わる中、一行は、雷雨に遭遇してしまったのであった。





タケル(16)「あの林にて、雨宿りするぞ!」
一同「おお!」×多数
ケサマ「かなり激しくなって参りましたぞ!」
ナッカ「雷鳴が半端ないっすよ!」
タケル(16)「むむむ・・・。」
もち「こうなったら、祈るしかないっちゃが!」
タケル(16)「よし! 雷の神に祈ろうぞ!」
弟彦「あっ! 皇子が祈り始めた途端、雨足が弱まって参りましたぞ!」
ウナ「それだけではないぞ。雲が風に流され・・・。」
よっちゃん「晴れ間が見えて参りましたな。」
ケサマ「こうして、霊験灼たかな出来事を目の当たりにした、我ら邑人は、雷神を祀る社を建てたのです。」
疾風「モォォ!」
田子「ふむ。これが、エピソード753にて紹介した、八劔神社の始まりである・・・と申しておるぞ。」





タケル(16)「そうか・・・。このとき、建てられたのか・・・。」
ナッカ「それじゃあ、社の解説も済んだことだし、次に行くっすよ!」
ケサマ「お達者でぇ!」
こうして、一行は、更に進んでいった。
そして・・・。
チヂオ「皇子。そろそろ、休みませぬか?」
タケル(16)「もしや、伝承か?」
チヂオ「御意。」
ウナ「ここが、立ち寄ったと伝わる、浅木神社にござりまする。鎮座地は、福岡県遠賀町浅木にござりまする。」







タケル(16)「俺が立ち寄ったゆえ、社が建ったのか?」
ウナ「御意。」
ナッカ「創建は、飛鳥時代の斉明天皇の頃っすよ。」
弟彦「かなり、後の御世に建てられるのですな?」
ナッカ「そんな時代まで、皇子が慕われてたってことっすね。」
タケル(16)「快なりぃぃ!」
よっちゃん「ちなみに、鎮座地にござりまするが、かつては、内海であったとの由。」
チヂオ「こんなところまで、海が迫っておったと?」
もち「じゃが。その後、埋め立てられたんやろなぁ。」
タケル(16)「ともかく、次に向かうぞ!」
ナッカ「あれ? 皇子? 何で、急いでるんすか?」
タケル(16)「早う会いたいからだ!」
ナッカ「え?」
疾風「モォォ!」
田子「ふむ。福岡県水巻町の立屋敷に住まう、砧姫に会いたいのであろう・・・と申しておるぞ。」


ナッカ「砧姫って、エピソード752で、皇子とラブラブになった?」
よっちゃん「らぶらぶ?」
そんなこんなで、一行は、立屋敷に戻ったのであった。
タケル(16)「姫ぇぇ! ただいま、戻ったぞぉぉ!」
砧姫「えっ? 皇子?」
タケル(16)「会いたかったぞ。姫・・・。」
砧姫「み・・・皇子・・・(〃▽〃)ポッ。」
タケル(16)「ん? ところで、汝は・・・。」
砧姫「お気付きになりましたか?」
タケル(16)「その大きな腹は・・・。」
砧姫「はい。身籠りまして、ございます。」
タケル(16)「おお! そうか! めでたい! 実に、めでたい!」
民(に)「我も、孫が出来て、嬉しい限り。それも、皇子の子・・・。誇らしゅうござりまするぞ。」
タケル(16)「うむ。こんなことなら『民(に)』ではなく、ちゃんとした名を付けるべきであったと、作者も悔いておったぞ。」
めでたい報せなのであった。
つづく
