JW747 弓が達者な者
【筑紫再征編】エピソード2 弓が達者な者
第十二代天皇、景行天皇の御世。
西暦97年、皇紀757年(景行天皇27)10月13日。
ここは、纏向日代宮。


小碓皇子(以下、リトル)は、熊襲(今の鹿児島県周辺の人々)の平定を命じられた。
母の大后、播磨稲日大郎姫(以下、ハリン)と、兄の大碓皇子(以下、メジャー)。

それから、葛城の直の宮戸彦(以下、みやさん)と、荒田彦(以下、あらた)。
そして、土師の連の野見と、阿陀勝(以下、アダ)を交えながら、語らいは、つづくのであった。


リトル(16)「誰を従えていくべきか、考えておるのだが・・・。」
あらた「まだ、決まっておらぬと?」
リトル(16)「うむ。弓が達者な者を連れていきたいのだが・・・。」
野見「弓が達者な者か・・・。」
みやさん「一人、知っているのでござるよ。」
リトル(16)「おお! どのような御仁だ?」
みやさん「三野国に、弓の上手な者がいるのでござるよ。」
アダ「三野国とは、二千年後の岐阜県南部にござりまするな?」
みやさん「その通り!」
メジャー(16)「して、その名は?」
みやさん「その名も、弟彦公にござるよ。」
ハリン「三野の何処に住んでいるのです?」
みやさん「岐阜県山県市の柿野と伝わっているのでござるよ。」





ハリン「では『みやさん』・・・。引退前の最後の務めということで、その者を呼んできてはくれぬか?」
リトル(16)「母上? 自分で行きまする。」
ハリン「いいえ。こういうことは、人を遣ってやるものなのです。」
リトル(16)「そうなのですか?」
みやさん「大后の命ならば、喜んで承るのでござるよ。」
こうして、弟彦公が呼び出されたのであったが・・・。
みやさん「皇子! この者が、弟彦公にござるよ。」
弟彦「お初にお目にかかりまする。」
リトル(16)「うむ。来てくれたこと、嬉しく思うが・・・。」
弟彦「が?」
リトル(16)「共に控えし、三人の男たちは、何者だ?」
あらた「実は、弟彦は、己だけでなく、他にも腕に覚えが有る者を連れてきたのです。」
弟彦「左様。まずは、石占に住まう、横立こと『よっちゃん』にござりまする。」
みやさん「ちなみに、石占は、三重県桑名市付近と言われているのでござるよ。」
よっちゃん「よろしく御願い致しまする。」

弟彦「次に、尾張国に住まう、田子の稲置にござる。」
田子「お初にお目にかかりまする。愛知県名古屋市は、瑞穂区の田光町に住んでいたという説がある、田子にござりまする。」




弟彦「つづきまして、同じく尾張に住まう、乳近の稲置こと『チヂオ』にござりまする。」
チヂオ「お初にお目にかかりまする。愛知県大府市の北崎町に住んでいたという説がある『チヂオ』にござりまする。」



リトル(16)「田子の田光町は、なんとなく、そんな気もするが『チヂオ』の北崎町は、ピンと来ぬのう。」
チヂオ「北崎町は、北尾と近埼が、合併して出来た地名とのことで、この近埼が、乳近ではないかと・・・。」
リトル(16)「そんな遷り変わりがあったのか・・・。」
みやさん「とにもかくにも、これで、一安心にござるよ。これで、引退出来るのでござるよ。」
あらた「父上・・・。御務め、御苦労様にござりまする。」
リトル(16)「達者でな。」
こうして「みやさん」は引退したのであった。
つづく
