ITがキラキラしてなかった時代|第3回|お金をさわる仕事はしないと決めた日_015
ハゲは、
この頃も順調に育っていた。
頭皮は軽くなり、
気持ちは重い。
そんな中で、
私はひとつの人生の方針を決めることになる。
在庫は「物」じゃなくて「お金」
私は在庫管理システム担当だった。
在庫というと、
段ボールや服が思い浮かぶかもしれない。
でもシステムの世界では、
在庫=お金の塊だ。
数が合わない
日付を間違える
計算を誤る
それだけで、
会社のお金が消えたり、増えたりする。
ハゲが進行するのも、
無理はない。
本当に地獄だったのは、別チーム
それでも、
私の仕事はまだマシだった。
本当に大変だったのは、
売上管理
給与計算
会計システム
お金に直結するチーム。
彼らのストレス、
プレッシャーは
私の比ではなかっただろう。
数字がズレると、誰かが詰む
売上がズレる。
→ 経営が騒ぐ。
給料がズレる。
→ 全社員が敵になる。
会計がズレる。
→ 社会的に終わる。
どれも、
「まあいっか」が許されない世界。
その空気を隣で吸い続けて、
私は確信した。
どんな職種でも、お金をさわる仕事だけはしない
わたしは決めた。
これは逃げではない。
自衛だ。
ハゲが、その証拠。
ハゲから学ぶ、仕事選びのチェックポイント
この時に決めたルールは、
今も使っている。
① お金に直結するか
売上
給与
会計
決済
これがメインなら、
一旦立ち止まる。
② 間違えた時の影響範囲
自分で完結するか
全社に波及するか
後者なら、
覚悟がいる。
③ 締め日が存在するか
月末
年末
年度末
締め日が多い仕事は、
だいたい地雷。
営業部の同期が、キラキラして見えた理由
この頃、
営業部の同期がやたら眩しかった。
外に出る
人と話す
数字は結果として出る
同じ数字でも、
背負い方が違う。
彼らは数字を「作る」。
私たちは数字を「守る」。
守る側は、
失敗すると全部自分に返ってくる。
ハゲは、仕事観を育てる
髪の毛が減る代わりに、
価値観が増えた。
自分に向かない仕事が分かった
限界のサインを知った
無理を美徳にしない
これは、
2000年問題がくれた
高すぎる授業料だ。
次回予告
次回は、
「『脱毛症はうつる』と言われた日、心が折れた」
ハゲ最終章。
そして、退職へのカウントダウン。
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