見出し画像

THE GAZETTEを読む(27)2017年10月号 Googleが、高業績チームがもつ重要な成功要因の特定に成功

 本記事は、ラスムセン・コンサルティングが発行しているメールマガジンTHE GAZETTEのバックナンバーを、日本語訳をしながら、コメントを加えながら読んでいくシリーズの一つである。レゴ®︎シリアスプレイ®︎(LSP)のファシリテーター・トレーニング修了者向けに書いている。
 この記事の引用元原文はこちらのPDFから読むことができる。

 今号ではGoogleの研究によって、一躍注目されるようになった「心理的安全性」について扱っている。

 Googleは、高業績チームに関する2年間の大規模な研究の中で、心理的安全性が最も重要な成功要因であることを明らかにしています。心理的安全性(ミスをしても罰せられないという信念)は、リスクを冒すこと、自分の意見を言うこと、そして創造性を支えるものです。これらはすべて、革新的なパフォーマンスと画期的な成果を上げるために不可欠なものです。
 心理的安全性は、脳の働きとパフォーマンスに影響を与えることが研究で証明されています。私たちの潜在意識は、職場での仲間同士の競争や職位低下などの脅威を、生死に関わる脅威として解釈します。その結果、闘争・逃走反応が起こり、視野が狭くなり、分析的思考ができなくなるのです。
 闘争・逃走反応に対抗するのは、拡大・構築行動と活動です。信頼、好奇心、自信、インスピレーションなどのポジティブな感情は、私たちの心を広げます。私たちは、安全だと感じることで、よりオープンマインドになり、回復力が増し、やる気と粘り強さが生まれます。

THE GAZETTE 2017年10月号をDeepLで翻訳・筆者が修正

 Googleの研究によって「心理的安全性」は多くの人に知られることになったが、誤解されていることも多いと言われる。よくあるのは「楽しい雰囲気をつくる」とか「追い込まない」ことで「心理的安全性」が確保されたとみなす誤解である。
 後半にも開設されているように、重要なのは「不安や恐れなく、行動や意見が出せる状態にあること」であり、それはリスクを負った挑戦や徹底した行動が生まれるためにある。リスクを負った挑戦や徹底した行動が求められる状況のもとでの話が前提になっているのである

心理的安全性を築くための戦略 

 Googleのインダストリー部門責任者であるPaul Santagataは、信頼と心理的安全を築くための6つのヒントを開発しました。
(1) 協力者としてコンフリクトに臨む
(2) 人対人の関係で話をする
(3) 反応を予測し、対応策を計画する 
(4) 非難を好奇心に置き換える
(5) メッセージの伝え方についてフィードバックを求める
(6) 心理的安全性を測定する
 コンサルティング会社のDeloitte は、チームのパフォーマンスを最適化する方法に関する研究において、心理的安全性の高いチームは、より多くの集合的知性を示すことを観察しています。集団的知性に貢献するのは、チームの構成、会話の構造、そして包容力のあるリーダーシップのスタイルです。
 マーケティング、オペレーション、ファイナンスなど、さまざまな専門的役割を持つ人を組み合わせ、さらに文化、人種、性別の多様性をチームづくりに重ねることで、多様な思考が可能になるのだそうです。

THE GAZETTE 2017年10月号をDeepLで翻訳・筆者が修正

 上記から分かるのは、「心理的安全性」の確立のためには、何かを緩めたり自由にさせるのではなく、参加者の心の中にお互いを尊重する話し合いができるための規律を確立するということである。これは、レゴ®︎シリアスプレイ®︎のファシリテーションにもいえることで、場に臨むためのエチケットやグランド・ルールを浸透させたとき、「心理的安全性」が確立されるのである。

 もう一つこの文章の横のコラムに敬されている写真とコメントも見てみよう。

理論的には、表面的にはほとんど共通点のない人たち、つまり社会的にお互いを求めないような人たちを組み合わせると、集合知の可能性が高まると言われています。

 チームの集合知に影響を与えるのは、構成員の多様性ということである。構成員の多様性が高まれば、そこでの衝突や緊張の可能性も高まる。その高まりは高業績や創造性のための条件である。レゴ®︎シリアスプレイ®︎のワークショップという文脈で考えれば、それは「参加する人々の選び方」であり、「多様性が浮き彫りになるような問い」であろう。前者から介入できればよいが、そうでない場合には「問い」によって多様性を引き出すことを考えていかねばならない。

抽象的な概念を現実化する

 心理的安全性の構築と最適なチームパフォーマンスを実現する要因は複雑で、理論と行動の間の微妙なバランスが必要です。参加者がチームにもっと多くの能力があると知っているのに、ほとんどのチームプロジェクトが期待に満ちて始まり、その多くが対立と失望に終わることを私たち知っています。
 レゴ®︎シリアスプレイ®︎プロセスに基づいたワークショップを経験した人たちは、チーム研究が進むにつれ、なるほどと頷いています。LSPのデザインでは、同僚が新しい文脈でお互いを体験することで、信頼を築くことができることを、私たちは実体験として知っています。
 また、レゴブロックという共通言語を通じて、多様な考えを安全かつ効果的に織り交ぜられることも学んでいます。物理的に表現される模型を使って、対立する部分や異なる考え方について話し合うことで、模型が会話を非人格化するため、心理的な安全性が保たれるのです。そこでは非難や糾弾は許されることはありません。

THE GAZETTE 2017年10月号をDeepLで翻訳・筆者が修正

 ここで書かれているように、レゴ®︎シリアスプレイ®︎では一人一人の意見をしっかりと聞き(多様性を引き出し)、同時に受け止めることをファシリテーションの中核としているので、ワークショップに参加するプロセスで参加者間に「心理的安全性」が確立されていく。
 さらに、個々の意見がブロックのモデルになることによって、その意見が「誰が言っているか」に左右されにくくなるという利点がある。ただし、参加者がモデルを見ながら話を聞けば「誰が言っているか」から離れるが、話している人の顔を見ながら話をきけば「誰が言っているか」が意識の前面にでてくるので、やはり、参加者の話の聞き方に関するエチケットを徹底させるファシリテーションあっての効果であることに注意しておかねばならない。

 また横のコラムには次のような写真付きのメッセージが書かれている。

リアルタイムで実際のチームのために信頼を定義する様子を見て聞いてください。レゴ®︎シリアスプレイ®︎で心理的安全性を構築する方法を感じ取ってください。写真をクリックすると動画をご覧いただけます。

 上記メッセージのリンク先のビデオは以下の通りである。英語字幕を日本語訳してみることもできる。

 チームを高業績に導くための有効な問いとして「信頼とは?」というものがある。これは「心理的安全性」について考えさせることにも非常に関係している。「信頼とは?」について一通り意見交換をして一つの結論に至ったのち、追加で「心理的安全性」との関係について考察させると参加者の理解もさらに深まるだろう。

いいなと思ったら応援しよう!