ぼくは弟がきらいだ 【#創作大賞2022 応募作品】
ぼくは 弟が きらいだ。
らんぼうだし。うるさいし。
ぼくが ゲームしてるとさ すぐ やりたい!って さわぐ。
今日は 体いくが あったから いつもより つかれてるんだ。
やっと ホッとできる 時間なのに。
さっき はじめた ばっかなのに。
弟が ぼくのそばで 大声を 出すから 耳が つぶれそうだ。
まだ小さいから 何を言ってるのか 分かんない。
ぼくが ムシしてたら 弟が おしてきた。まっ赤な かおで。
「ゲームできないよ!!」
って 言っても すごい力で おしてくる。
あっ! 手が すべっちゃった!
あなに はまって ゲームオーバー。。。
なんだよ もう!!!
ぼくも 弟を おしかえす。
体が いっきに あつくなる。
弟も さっきより ずっと赤い。サルみたいだ。
弟が たたいてきた。ぼくも たたきかえしてやった。
たたかれた ところと たたいた手が いたい。
弟が また たたいてきた。ぼくも おかえしだ!
どっちも ひかない。
たたき合いは 止まらない。止められない。
もう 何がなんだか 分からない。
いたいし あついし つかれる。
もう いやだ。でも まけたくない。
そう思ったら なみだが 出てきた。
弟は まだ たたいてくる。
ぼくは のどが いたくなるぐらい 大きな声を 出した。
キーンと 耳が いたくなる。でも、そんなの 気にしない。
なみだが ボロボロ こぼれてきた。
弟は びっくりして たたくのを やめた。
お母さんが へやに とびこんできた。
ぼくは もう なみだで ぐちゃぐちゃ。
弟は お母さんに くっついて
「にいちゃんが...にいちゃんが...」って 言ってる。
いっつも ぼくのせいに するんだ。
でも ぼくは ぜったい わるくない。
なんでか なみだが 止まらなくて
カーペットに ぽたぽた おちてった。
ぼくは 手を ギュッて にぎって
おちた なみだを にらみつけた。
お母さんは ソファーに すわると ぼくを そっと引っぱった。
ストンと お母さんの ひざの上に おちる。
ひさしぶりの かんしょく。
でも ぼくは もう大きいから 弟みたいに あまえられないんだ。
弟が 「ぼくも〜」って すわってこようとした。
いつもみたいに 立とうとしたら お母さんが ぼくを ギュッてした。
弟は 「どいて!」って おしてきた。
ぼくが はんげき するより前に お母さんが 弟の手を つかんだ。
「それは いたいよ」
お母さんの 声は しずかだったけど 弟は びっくりして なきだした。
お母さんは ぼくを ギュッとしたままだ。
なんにも 言わないで。
ぼくも なんにも 言わない。
いつのまにか なみだは 止まってた。
「お兄ちゃんなのに」とか
「お兄ちゃんだから」とか 言われると 思った。
弟には やさしくしろって お父さんが いつも 言ってるし。
でも 弟が ジャマする時は やさしくなんて できないんだ。
弟は ねっころがって 手と足を バタバタさせて ないてる。
いっつも そうなんだよな。いやなこと あると。
かいものしてる時も こうえんで あそんでる時も
ヤダヤダって ねっころがっちゃったら
うるさいし はずかしい。
早く 行きたいのに まってなきゃ いけない。
まつのは つまらない。
でも。。。
ないてる弟は ちょっと かわいそう。
じゃまする弟は すきじゃないけど ないてるのを 見たら
ぼくも またちょっと なきそうになる。
ぼくは お母さんの ひざから おりて
ねっころがってる弟を 上から ギュって したんだ。
弟はまだ ないてたけど ぼくは そのまま ギュって してた。
すこしししたら なき声が 小さくなって きたから
弟の体を おこして ぼくの ひざの上に のせた。
お母さん みたいに。
それでまた ギューーって ハグしたんだ。
そうしたら 前から お母さんも ギューって してきた。
ぼくたち二人を ギューーって。
弟が まん中で サンドイッチだ。
ぼくは 弟のせなかに 手を まわしたまま お母さんを 見た。
お母さんも ぼくを 見た。
「「ぷっ」」
ぼくも お母さんも いっしょに ふきだしちゃった。
なんか 弟が はさまれてるのが おかしかったんだ。
きっと お母さんも それで わらったんだと 思う。
わらったら なんだか もっと わらえてきて
止まらなくなっちゃった。
フフッ ククッ ハハッ
弟を まん中にしたまま ぼくたちは わらった。
弟は もう なきやんでいた。
でも 何が おこってるのか よく わからないみたい。
きょとーんって してた。
それを 見たら またおかしくなって
よけいに わらいが 止まらなくなった。
フフフフフフ
クククククク
ハハハハハハ
へへへへへ
弟も たのしくなって きたみたい。
いっしょに わらいだした。
三人で しばらくずっと わらってた。
なんか ひさしぶりに みんなで わらった気がした。
「はー、いっぱい笑った。ねえ、プリン食べよっか。」
お母さんは たちあがって キッチンに むかった。
「「プリン? やったーーー!!!」」
ぼくと 弟も とび上がって お母さんを おいかけた。
おしまい。
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