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母のレザークラフトと私のピアノ

 私は、母がコツコツとレザーカービングで作品を生み出す背中を見ながら育ちました。

 「職人の娘」です。

 父の仕事で転勤族の一員として小学校6年生まで引っ越し続きだったため、母は「環境は変わっても、変わらず続けられる何かをもつ」ことを大切に考えていました。

 その「何か」が、母自身にとってはレザークラフト、私にとっては音楽(当時は電子オルガン)でした。

(c) Shinpei Fukaya レザーカービングのバッグ:マレット工房

 後にプロとして認めて頂くようになった母のレザークラフトと私の音楽ですが、はじまりは、誰かに買ってもらうためではなく「自分自身が前を向いて生きていくため」に大切な存在でした。

 タイパもコスパも悪い「コツコツコツコツ積み重ねる」ものづくりですが、しあわせに「パ=パフォーマンス」は関係ないのだと思います。

 いつまでも「好き」でいられるなんて、しあわせです。

 売るほど作れない母のレザーカービングの作品ですが「レザー好きさんに見てもらえる機会がつくれたら」と思っていました。

 そしてこのたび、それが叶うお話を頂きました。
 大好きな方に、出会って頂けますように。

 「紀々の店」のインスタグラムでも、少しずつ綴っていきたいと思います。

 出会ってくれて、出会わせてくれて、ありがとう。